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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第365号】~取得困難な上海のナンバープレート~

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2019年4月17日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第365号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 まだ上海では冬物のコートが手放せない3月中旬に訪れた広州。もう春真っ盛りで、夜も薄手のジャケットが要らないほどの暖かさ。そうした陽気に誘われてか、夜も多くの人が街中へ繰り出していました。

 運動公園でバスケやジョギングに勤しむ市民。モールには多くの客が出入りし、久々にリアルの現場で、人の動きや賑わいを肌で感じました。上海では寒さもありますが、自らの生活を振り返っても、ついついネットスーパーや出前(外売)で済ませ、“出不精”になっているように思います。

 スーパーどころかコンビニすら足が遠のきつつある上海での生活ですが、広州東駅前にあるイオンスーパーでは、平日の午後ながら、レジに多くの支払い客が殺到。隣のイケアでも、大きな買い物袋を抱えた客が続々と出てきます。

 まだまだリアルでの消費に活力がある広州の消費現場を目の当たりにしながら、ついつい上海でのネットや宅配での消費が当たり前で、中国全土がそうなっていると思い違いしている自分を戒めました。中国は広い。ぜひ皆さんも上海だけでなく、他都市の消費にも注目してほしいと思いました。

 今週のコラムは上海ナンバープレートの「オークション」制度についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第365号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第365回)
     ~取得困難な上海のナンバープレート~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. お知らせ
     会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年3月号(vol.62)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第365回)
 ~取得困難な上海のナンバープレート~

 上海のナンバープレート取得は「オークション」制になっています。参加資格は上海戸籍を有する中国人だけでなく、居住証+社会保険連続36カ月納付の外国人も含まれます。オークションはネット上で毎月開催され、都度約1万枚を発布。参加者は毎回20万人程度で倍率は20倍。“超”激戦状態となっています。

 取得は一人1枚のみ。一親等内での譲渡は可能ですが、対外売買は不可とされています。「オークション」といいながら、入札できる上限値が決められているため、やみくもに高値を提示しても受け入れてもらえません。

 具体的には、まず入札資格の登録を済ませ、パソコンやスマートフォン(スマホ)から公式の競売サイトへアクセスします。オークションは30分ごとの2部構成。1部では入札希望価格を自由に投稿させ、最高額からちょうど落札人数分目(例えば1万人目)の提示額が、2部からの入札開始額となります。

 2部では、その初値を起点に、参加者が100元、200元、300元の単位で、増(減)額できます。30分間の競り時間内に、入札価格を提出できるのは2回まで。基本多くの参加者が最初は様子見しながら、最後のタイムアップの瞬間に向けて入札を待ち構えます。

 終了間際には値動きがリアルタイムで動かなくなるほどサイトへのアクセスが集中するため、最後は“当てずっぽう”に。落札(予想)額を提示し、あとは運を天に任せるというのが実態。もはやオークションというよりは抽選に近く、中国人も「宝くじ」みたいなものと言っています。

 せっかく購入した車も、ナンバープレートが落札できないと「宝の持ち腐れ」。2年間落札できず、新車が車庫に眠って壊れた友人もいます。たとえ運良く落札できたとしても、驚くべきはその値段。2018年8月の上海ナンバーの落札価格は、なんと8万8365元(約150万円)。日本だと車が一台ゆうに買える値段です。 

文責:コンサルタント 大亀浩介

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◆「双11」から読み解く中国消費の変化とトレンド (7)
 ~有料VIP会員が目白押し リピート率向上の戦いに

 有料会員限定のプロモーションが展開されたのも、今年の「双11」の特徴といえる。中国ECで会員制運営の先駆者は京東だ。2015年10月に有料会員制度「京東PLUS」の運営を開始。有料会員になると優待価格で買い物ができるほか、ポイント還元や送料無料などのメリットもある。有料会員制は、消費力の高い顧客のリピート率を高めることを狙ったものだ......

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◆「双11」から読み解く中国消費の変化とトレンド (7)
 ~オフラインも大きな賑わい 「新小売」商法が当たり前に

 2017年以降、「双11」ではオンラインとオフラインの融合が大きなトレンドとなっている。18年にはこのトレンドがほぼ常態となった。ネット通販市場が飽和し、さらなる急成長が見込めなくなったECプラットフォーム各社は、オフラインと手を結ぶことで、より多くの消費者へのアクセスを図っている。オンラインとオフラインの融合はショッピングだけでなく、飲食や娯楽などの生活サービスの面でも進んでいる......

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◆「双11」から読み解く中国消費の変化とトレンド (6)
 ~グループ購入旋風巻き起こる 拼多多が火付け役に

 今年の「双11」では、単なるディスカウントではない新たなプロモーションが人気を集めた。「拼購(グループ購入)」だ。グループでまとめて大量に購入することで、更なる安値が実現するこの購入方法。その舞台となったのが「拼多多(ピンドウドウ)」というプラットフォームだ。「拼多多」は国内で大きな成功を納め、米ナスダックで上場も果たした。グループ購入はEC領域の新たなトレンドとなっている...... 

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◆「双11」から読み解く中国消費の変化とトレンド (5)
 ~驚異的な物流スピード

 今年も「双11」セール期間中の物流スピードは目を見張るものがあった。スマート物流システムの導入により、ユーザーの物流体験は目覚ましい進歩を遂げている。京東(JDドットコム)の公開データによれば、北京では注文から4分で商品が配達されたという。この「分」レベルでの配達は物流の常識となりつつある......

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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年3月号(vol.62)発行

 会報誌2019年3月号(vol.62)では、巻頭特集に「ポップアップストア」を取り上げました。街中に突然店舗が出現し、沢山の人で賑わっていたのが、しばらくして通りかかると、何もなくなっている光景を目にしたことがあるでしょう。

 ポップアップストア(中国語名:快閃店)とは、賑やかな商業エリアやモールなどの商業施設で、不定期かつ短期間に運営するお店のこと。中国語の如く、最大の特徴は「快(スピード)」にあります。

 運営期間の短さは、消費者の「タイミングを逸したら行けない」という心理を煽る効果もあります。またオリジナリティ溢れるデザインや体験(コト)型の店構えが多くの消費者を誘い込み、効率良くマーケティングやブランディングが行えることでも注目されています。

 ポップアップストアの起源は、イギリスのロンドン。2012年頃から中国でも見かけるようになりました。当初はオープンしたてのブランドショップやマイナーなアパレルブランドが、通りすがりの客の注目を集めるために運営するケースがほとんどでした。

 それが16年頃から、人気が一気に高まります。採用する業界も高級ブランド品からアパレル、コスメ、日用品、デジタル製品、ネット系へと拡大していき、一種のトレンドになっています。

 短期運営の“即席”の簡易店舗で注目され、スマートフォン(スマホ)のSNS(ソーシャルサイト)を通じてウイルス的に拡散される新しいマーケティング手法のポップアップストア。テレビやネットでの広告コストが高騰する中、家賃等のコストの低さと注目度の高さから、特に若年消費者層の獲得を目指す企業にとって、格好のマーケティングツールとなりました。

 商業用不動産コンサル大手のRET(睿意徳商業地産研究中心)は、中国でのポップアップストア数が18年に約1000件、20年には3000件を超えると見込んでいます。最近では中国EC(電子商取引)大手の天猫(Tモール)や京東(JDドットコム)、さらにはショート動画アプリの「抖音(TikTok)」も参入するなど、ネット系のリアル展開にも活用されています。

 そこで、中国でのポップアップストアの実態について、主な形態から中国で人気となった理由、商業施設側の思惑、ダイソン、シャネル、喪茶、Q&Aアプリ知乎「不知道診所」などの成功例を紹介。また「新小売」型でECとも連動する天猫快閃店、「ボーダーレス小売」を実践する京東Joy Space快閃店、ポップアップストア用のスペースをシェア(賃貸)する閃殿Popup Unionなど。

 さらにはネット上でポップアップストアを展開する天猫Luxury Pavilion、抖音が参入した小米(シャオミ)との新スマホ発表イベントなど、リアル回帰の起爆剤となりうる中国マーケティング新潮流のポップアップストアについて、詳しく解説しています。

 次にトレンドウォッチとして、「2019年中国消費トレンド動向10選」を編纂しました。18年の中国GDPに対する貢献度が76.2%に達し、経済発展の主要な牽引役となった「消費」。スマホ普及に伴い、消費者の情報収集力はますます高まり、消費構造も急激に変化しています。

 消費傾向が住まいや健康、カルチャー、エンタメ、旅行、教育、情報などのジャンルにより重きを置くようになっている中国消費者。モノへのニーズが充足し、生活や精神的なクオリティをより重視し、趣味に投資する人も増えています。

 所得の上昇に伴い、人々のライフスタイルも変化しつつあります。価格への敏感度は低減。一方で商品やサービスの質、安全性、機能性へのニーズが高まっています。ブランドや商品を選ぶ際にも、環境保護やクオリティ、健康などの要素を考慮する人が増えています。

 ITやネットの技術革新(イノベーション)が進み、モバイル決済(キャッシュレス)、無人店舗、スマートホーム、ネット出前アプリなどが日常生活に深く浸透。人工知能(AI)やビッグデータの発展に伴い、オンラインとオフラインを融合した「新小売(ニューリテール)」も、もはや“当たり前”の消費形態になっています。

 このような状況を背景に、2019年に注目を集めそうな消費トレンドとは?自分回帰、精鋭主義、癒やし経済、ささやかながら快適な我が家、国産ブーム、軽食主義、オンライン・オフライン活用ライフ、種まき消費、トレンド+ハイエンド主義、良質な地方特産品という10のキーワードをもとに説明しています。

 業界研究では、中国コスメ業界を取り上げました。監査法人のPwCが公表したデータによると、2012年から17年の6年間における世界のコスメ市場の年平均成長率3.9%に対して、中国はこれを大幅に上回ったもよう。またユーロモニターの統計では、13年から17年の中国コスメ業界の年平均成長率は10.6%に達したとしています。

 大手コスメブランドの財務データでも、中国市場の成長が他国を大きく上回っていることがわかります。資生堂の中国市場での業績は18年に前年比32.3%増で、売上は1908億円に達したもよう。ロレアルも中国市場の売上が世界全体を大きく上回り、33%成長。傘下のランコム、ヘレナルビンスタイン、ロレアル・メンにとっても、中国が最大の市場になっているようです。

 こうした中国コスメ市場の成長を支える“屋台骨”の役割を担っているのが、中国EC最大手の天猫(Tモール)です。18年のコスメ市場全体の約30%がオンラインでの売上とされている中、コスメ商品の売上に絶対的な影響力を及ぼす存在になっています。例えば、P&Gの天猫での売上は、ここ10年で1000倍にまで成長したとのこと。

 アリババが公表したデータによると、2008年から現在までの約10年間に天猫でコスメ商品を購入した人の数は累計で3億人超。18年の天猫でのコスメ商品の売上は前年比60%増。エスティローダー、ランコム、オレイ(Olay)、ロレアル、SK-Ⅱなど大手は、いずれも年間売上10億元を突破。11月11日(独身の日)の「双11」セールでは、多くのコスメブランドが1日で売上1億元を達成しています。

 これまでコスメよりはスキンケアが主流とされてきた中国で、どんな変化が生まれているのか。驚異的な販売量を背景に続々と大手各社が出店する天猫を中心に、ハイエンド化と低年齢化、さらには新たな“ブルーオーション”として注目されるメンズ(男性向け)コスメなど、中国コスメ業界の現状について調査・分析しています。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2019年3月号(vol.62)  もくじ
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【巻頭特集】
『中国リアル消費の新潮流「ポップアップストア」』
 高級ブランドからEC大手も積極活用

【トレンドウォッチ】
『2019年中国消費トレンド動向10選』
 内的満足の追求がますます顕著に

【業界研究】中国コスメ市場
『天猫中心に急成長、中国コスメ市場』
 若年・高級・オンライン化が進む

【都市別調査】
下剋上の方程式②
『考拉=自前+現地主義 OPPO=地方+リアル』

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