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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第375号】~蘇寧のカルフール買収、時代の転機へ~

中国市場・業界・企業・消費の「いま」を徹底調査&分析
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2019年7月3日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第375号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 上海市では7月1日に「生活垃圾(ごみ)管理条例」が施行され、ごみの分別がスタートしました。電池や蛍光灯などの「有害ごみ」、瓶や衣類などの「可回収(リサイクル)ごみ」、食べ残しや草花などの「湿(生)ごみ」、そしてその他「乾(一般)ごみ」の4種類で分別。

 小さい頃からごみの分別が厳格だった広島市の出身としては、普段から「燃える or 燃えない」ごみを区別していたので、今回の条例はそれほど苦ではありませんが、プラスチックやナイロンのほか骨や貝殻も紙くず同様に「乾ごみ」としなくてはならないので、慣れるまで毎回確認が必要となります。

 これまで上海のマンションでは、住人が何の分別もなく出したごみを一箇所に集め、清掃スタッフが分別するのが一般的でしたが、今回の条例により、分別していないごみは収集しないという貼り紙も出ていました。否が応でも上海市民の環境(エコ)に対する意識は一気に向上しそうです。

 先週のG20でも海洋プラごみが話題になっていましたが、上海では早くからコンビニ等でのレジ袋は有料でした。ただストローに関してはまだ多くのお店でプラスチック製が出されています。恐らくあるタイミングでストロー禁止となるかもしれませんが、ただそうなった場合「珍珠奶茶(タピオカミルクティー)」はどうするんでしょうね。

 今週のコラムは先日中国事業の買収が発表されたカルフールと蘇寧についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第375号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第375回)
     ~蘇寧のカルフール買収、時代の転機へ~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. お知らせ
     会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年5月号(vol.64)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第375回)
 ~蘇寧のカルフール買収、時代の転機へ~

 中国家電量販最大手の蘇寧易購が、仏大手スーパーのカルフールの中国事業を買収するというニュースが流れました。年内にカルフール中国法人の株式の約8割を48億元(約800億円)で仏カルフール本体から買い取るとのこと。今年2月に万達(ワンダ)の百貨店事業を買収したばかりの蘇寧が、さらなる大きな一歩を踏み出しました。

 1995年に中国進出し、まさに中国の「スーパー業界」を作り上げたとも言えるカルフール。中国では「家楽福」という名称で、沿岸部の大都市だけでなく、内陸部でも多くの中国人消費者に親しまれてきました。2008年頃の絶頂期には、中国全土で経済発展の「象徴」と目され、内陸の地方都市では「ようやく我が街にもカルフールが出店した」と地元民から喜ばれもしたくらいです。

 何を隠そう、我々の中国マーケ会員でも、12年9月に発行を始めた会報誌の第1号で真っ先に取り上げたのがこのカルフール。当時、すでに台湾系の大潤発(RTマート)や米ウォルマートには売上では抜かれていながら、中国の小売・流通業を知る上で格好の調査・研究対象でした。

 いわゆる「入場料(進場費)」や「棚代(上架費)」と呼ばれる各種費用の仕組みから、そもそもカルフール店内の棚に商品を置いてもらうにはどのような条件があるのか、またどの部門と交渉するのかなどについて、徹底的に調べました。

 当時はまだ中国経済が“いけいけドンドン”の時代。「作れば売れる」大量生産・大量消費の時代で、日本企業(メーカー)にとっても、いかにカルフールの棚に商品を置いてもらうかが勝負でした。上記各種費用は卸値の30%以上とも言われ、ほとんどの企業がカルフールでの販売は収支トントンだったそうですが、市場シェアの確保とブランディングのためにはやむ無しでした。

 中国経済急成長時代の「寵児」とも言えるカルフール。しかし、その後のネット通販やコンビニの台頭、消費ニーズの多様化、さらには盒馬などネットスーパーや出前の普及などにより、近年は売上が低迷。自らも「イージーカルフール」という名でコンビニ業態にも進出しましたが、“鳴かず飛ばず”の状態でした。

 時代の変化に対応しきれずに身売りが決まったカルフールの売り先は、まさに同じく「寵児」の蘇寧。家電量販の枠を越え、トレンドの変化に即してECショップやモール、コンビニ業と業容を拡大する蘇寧が、カルフールの遺産をどう活用していこうとしているのか。また近々特集を組んで、調査・分析したいと思います。 

文責:コンサルタント 大亀浩介

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◆個性化と多様化が進む中国フィットネス業界 (4)
 ~会員更新率はわずか15%前後 過剰なセールスが訴訟案件に

 クチコミアプリの美団点評が発表した「2018美団点評トレーニング業界白書」によると、フィットネスクラブだけでなく、パーソナルトレーナー専門のジムも、業績が順調に伸びず、トレーナーの離職や競争激化による会員離れ、さらにはマーケティング転化率の低さに苦しんでいるところは少なくないという。データによると、フィットネス業界の会員カード更新率は15%前後のみという......

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◆個性化と多様化が進む中国フィットネス業界 (3)
 ~健康意識向上で更なる成長期待 競争激化で経営難が6割にも

 中国の経済新聞最大手「21世紀経済報道」2018年11月の報道によると、17年の中国フィットネス市場の規模は900億元に到達。また今後5年間で、年平均12%の成長率を保ち、20年には市場規模が1230億元に達すると予想している。中国で多くのユーザーを抱える、スマートフォン(スマホ)のスポーツアプリ「咕咚」の統計によると、咕咚の1.5億人のユーザーが、現在までに算出したスポーツ関連データの数は50億件以上に上っているという......

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◆個性化と多様化が進む中国フィットネス業界 (2)
 ~会員数は1000万人の大台に 世代ごとに異なるニーズ

 フィットネス需要を年齢別に見ていこう。各年齢層の消費者はトレーニングに対し、それぞれ異なるニーズを持っているようだ。世界市場調査大手のニールセンが、中国国家体育総局と共同で行った調査によると、「体力アップ」という共通の理由のほか、「70後(1970年代生まれ)」と「80後(1980年代生まれ)」世代の消費者は、科学的なトレーニングでストレス解消をし、またスポーツに伴うケガを回避したいと考えているという......

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◆個性化と多様化が進む中国フィットネス業界 (1)
 ~スマホ介した「スマートジム」が今後の主流に?

 フィットネス・トレーニング人口の増加に伴い、フィットネス業界の熱も高まっている。従来型のスポーツジムのみならず、ここ数年、急速に普及の進んでいる「スマートジム」も注目に値する。楽刻健身、Liking fitなどはその代表的存在だ。微信でQRコードを読み込み、アプリをダウンロード。ユーザー登録の後、希望のコースの費用を支払うのみ。年会費などを払わなくても会員になれる仕組みだ......

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お知らせ
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1)会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年5月号(vol.64)発行

 会報誌2019年5月号(vol.64)では、巻頭特集にネットスーパーの新業態である生鮮EC(電子商取引)アプリ「叮咚買菜」と「美団買菜」を取り上げました。アリババ傘下の「新小売」スーパー「盒馬鮮生」(以下、盒馬)の登場以来、日常の買物はネットスーパーを利用するのが“当たり前”になった上海での生活。実際に盒馬のネット(アプリ)経由の注文が、売上全体の6割を占めるほど、ネットスーパーが人々のライフスタイルに定着しています。

 いつでもどこでも欲しい時に欲しいモノを注文できる。ネットスーパーは多くの人々から支持され、ブームと言っても過言ではない状況を呈している中、近頃、上海では「叮咚買菜」(以下、叮咚)という生鮮ECアプリが話題を呼んでいます。

 上海の自宅マンションのエレベーターで何度も目にする叮咚の広告。「最低消費ゼロ、配達料ゼロ、29分以内に配送、ネギ1本でもOK」というキャッチフレーズが、強烈な印象を与えています。これまで盒馬の熱烈なファンで、ロイヤルカスターの一人だった私も、この広告を見て興味をそそられ、野菜を注文してみることにしました。

 配達された野菜は盒馬よりも鮮度が良いくらいで、値段も安い。配送にかかった時間も宣伝通り30分以内で、盒馬よりさらに早い印象でした。伝統的な市場(いちば)で買い物した際のように、無料でネギなどがついてくるのも、人情味が感じられて面白い…。

 海鮮や高級ステーキ肉などハイエンド向けの品揃えは盒馬に及びませんが、野菜の新鮮さと安さ、そして配達の速さで人々の心を掴み、早くも上海では定着しつつあるようです。まさに盒馬にとっては、手ごわいライバルの登場といえるでしょう。

 この叮咚。街中で広告や配達バイクはよく目にしますが、店舗はどこにも見当たりません。店舗と倉庫(配送センター)を併用する盒馬とは異なり、単に中国語で「前置倉庫」と称される中・小型の倉庫のみを各地に点在させるモデルです。他の都市でも叮咚に類似したアプリが次々と登場。福建省・福州市の朴朴超市や安徽省・合肥の誼品生鮮はその一例で、大手もこの生鮮EC市場に熱い視線を注いでいます。

 2019年1月には中国最大のネット出前アプリ「美団」も、前置倉庫モデルの「美団買菜」の運営をスタート。「餓了麽」も、3月に「叮咚買菜」と戦略提携し、全国200超の都市で生鮮宅配業務を開始しました。

 盒馬も上海で「盒馬菜市」という生鮮ECモデル店をオープン。伝統市場のような「量り売り」で野菜や果物の販売サービスを提供。家電量販大手の蘇寧も、傘下のコンビニミニスーパー「蘇寧小店」アプリ上で野菜市場「蘇寧菜場」の運営と生鮮食品の予約販売をスタート。生鮮ECは瞬く間に「新小売」の新たなトレンドとなっています。

 そこで、今号ではこの「前置倉庫」モデルの代表格とも言える「叮咚買菜」と「美団買菜」の2社について徹底的に調査・分析しています。

 次に業界研究として中国ビール業界、特に人気上昇中のクラフトビールにスポットライトを当てました。一人当たりのビール消費は36リットルで、ビール消費大国のチェコやドイツには遠く及ばないですが、ビール生産と消費量全体では世界一を誇る中国。

 ここ数年、中国人の消費性向や観念が成熟し、また少々値段が高くてもより良いモノを求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドなどに伴い、中国のビール市場も大きく変化。低価格帯ビールの市場シェアが年々減少する一方、中高級ビールのシェアは急成長しています。市場調査機関ユーロモニターの統計によると、中国の中高級ビール(ユーロモニターの定義:末端価格7元/リットル以上)のシェアが2011年の38.4%から、17年には60.9%と大きく成長しているとのこと。

 またクラフトビールも15年から急成長しています。16年には中国クラフトビールのトップブランド「Panda Brew(熊猫精醸・パンダブリュー)」や「Master Gao(高大師・マスターガオ)」などが相次いでベンチャー投資の対象となりました。

 17年には「酒花児」が数千万元のベンチャーキャピタル(A+ラウンド)で資本を調達。「開巴」や「Boxing Cat(拳撃猫・ボクシングキャット)」はビールメーカー大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(中国名:百威英博)に買収。現在、中国のクラフトビール消費は市場全体の1%程度に過ぎませんが、その発展動向に多くの注目が集まっています。

 そこで中国ビール市場全体の状況を踏まえながら、輸入ビールや上位5社(華潤雪花、インベブ、青島、燕京、カールスバーグ)の動向、そしてクラフトビールの実態について、代表的なブランドであるマスターガオ(高大師)、パンダブリュー(熊猫精醸)、酒花児の3社について調査・分析。またアリババや京東(JDドットコム)の取り組みや、消費昇級トレンドを背景としたクラフトビール人気の理由と今後についてまとめています。

 もう一つの業界研究として、中国小売・流通業界を取り上げました。19年5月に中国チェーン経営協会が発表した「2018年中国チェーン店ランキングトップ100」。トップ100企業の売上総額は2.4兆元で前年比7.7%の成長を記録。社会消費品小売総額(小売全体)に占める割合も6.3%と、17年比で0.3%増となっています。

 家電量販大手の蘇寧易購と国美が1位と2位を占め、総合スーパーの華潤万家が3位にランクインする中、注目に値するのがアリババ傘下でOMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)概念の「新小売」を推進する生鮮スーパーの「盒馬鮮生」。売上140億元で47位に急上昇、成長率は300%超えの大躍進です。トップ100社で成長率が三桁を記録した唯一の企業となっています。

 その他に苦戦を強いられている総合スーパーや百貨店を尻目に成長を続けるコンビニ、さらには成長の原動力となっているオンライン販売や「新小売」の導入など、中国小売・流通業の現況について、ランキングを参考にしながら考察しています。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2019年5月号(vol.64)  もくじ
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【巻頭特集】
『ネットスーパーの新業態〜生鮮ECアプリ』
 盒馬に挑む「叮咚買菜」と「美団買菜」

【業界研究】中国ビール業界
『高級化が進む中国ビール市場』
 クラフトビールの人気が急上昇

【業界研究】中国小売・流通業界
『2018年中国チェーン店トップ100』
 蘇寧がトップ、盒馬もランクイン

【都市別調査】
フリマと動画のロンド①
『不用品を商品に プロ級動画を手軽に』

※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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