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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第382号】~中国では「アイさん」もシェアリング~

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2019年8月21日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第382号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 今月8日から日本に帰国し、旅行、帰省、出張と近年では珍しく月の半分以上を日本で過ごしています。現金決済の煩わしさを除けば、ネットの制約がないことや食事など、やはり日本での生活は快適です。

 今回の長期滞在で改めて感じたのが、いわゆる“インバウンド”消費が以前ほど盛り上がっていないのではということ。大阪の心斎橋や道頓堀でも、中国語の会話は聞こえてきましたが大きなショッピング袋を抱えている観光客はあまり目に入りませんでした。

 私も家族と帰省する際には、普段上海で使うシャンプーや薬などを大量に購入(頼まれた物も含め)するのですが、それ以外の物は正直それほど「欲しい」と強く思いませんでした。以前は雑貨や衣類、カバンなど免税にもなるし購入していたのですが…。

 買い物に行った際も「中国(タオバオ)で買えばいいや」と思っただけでなく、「中国のほうがいいかも…」と思うような品物も。デザイン、品質、コスパ的にキャッチアップが進む中国の製造業。インバウンドに頼るモデルは想定以上に早く瓦解するかもですね。

 今週のコラムは会報誌7&8月合併号で取り上げたアプリで頼める家事代行サービスについてです。では、中国市場インサイトメルマガ第382号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第382回)
     ~中国では「アイさん」もシェアリング~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. お知らせ
     会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年7&8月号(vol.66)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第382回)
 ~中国では「アイさん」もシェアリング~

 会報誌7&8月合併号では、巻頭特集に家事代行サービスアプリを取り上げました。中国語で「おばさん」という意味の「阿姨(アイ)」。血縁の有無に関係なく、歳の離れた年上の女性に対して親しみを込めて呼ぶ際に使います。

 この「アイさん」。実はもう一つの使われ方があるのですが、それが家政婦(家事お手伝い)さんです。中国では多くの家庭、特に両親が共働きの場合、アイさんを雇って掃除洗濯、場合によっては子供の学校の送り迎えや自炊などをお願いするケースもあります。

 私も2004年に初めて上海に来たときは単身だったこともあり、会社のほうであらかじめアイさんを雇ってくれていました。安徽省出身の女性で、週に2回、掃除洗濯をしてくれ、大変助かりました。

 その後、家族が来てからも共働きだったので、基本的に家事全般はアイさん頼み。娘が小学生のころは下校のお出迎えを含め、月から金曜の週5日お世話になりました。マンションの部屋の鍵も渡し、我々が不在の時もいつでも入室して家事をお願いできる状況でした。

 一方で、周りの友人などからアイさんの不満の声も聞こえてきます。清掃のレベルが甘い、勝手にハンドクリームを使われていた、などなど。幸い、我々のアイさんとはそうしたトラブルはなかったのですが、やはりどこか不安があるのも事実。昨年、虹橋から浦東へ引っ越した際には、アイさんを雇うのをやめました。

 自分たちでの家事も慣れてきた頃、たまたま目にしたのが家事代行サービスのアプリの広告。中国でもシェアリングエコノミーが話題になって久しいですが、ついにアイさんもシェアする時代なのかと思いながら、メルマガのネタにもと思い試してみることにしました。

 「好慷在家(HOME KING)」というアプリで、基本は1回ごとで回数券のような感じで購入。アイさんも空いている人が派遣されますが、気に入れば継続してお願いすることも可能。特に驚いたのが、ロゴ入りのリュックとエプロンで登場したこと。モップやバケツなど清掃道具一式を持参し、窓拭きには専用の磁石タイプのもので表裏もきれいに拭き取ってくれます。

 日本でも人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でプロの家事代行が話題となりましたが、まさにその世界が眼の前で繰り広げられていました。床のワックスがけやエアコンの清掃など、一定の経験と知識がないとできない“プロ”の仕事も、専門スタッフが別途対応してくれます。

 当初は単に手の空いたアイさんをマッチングしてくれるだけと思っていたのですが、その予想を遥かに越えるレベルの高さ。今の流行りともいえるこうした家事代行業の市場やアプリの実態について深く掘り下げました。 

文責:コンサルタント 大亀浩介

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◆世界も認めるアリババ「新小売」大解剖 (8)
 ~「淘宝心選」と「同心システム」 サプライチェーンの効率改善

 淘宝は2017年に“無印良品”風ノンブランドの「淘宝心選」をリリースした。 これは自社のビッグデータを活用し、消費者の好みやニーズに合った商品の開発をメーカーに企画・提案するシステムだ。中国最大のECプラットフォームを通して消費者の購入習慣を調査し、人気商品やジャンルを選出。企画・デザインから製造現場、原料調達、品質管理、さらには販売までのサプライチェーンを、多くのデザイナーや工場、小売企業と提携。デザイン性が高くコストパフォーマンスに優れた各種商品を生み出している......

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◆世界も認めるアリババ「新小売」大解剖 (7)
 ~「零售通」と「天猫小店」 地方のパパママ店をコンビニに

 中国国内に680万店以上も存在するとされる「パパママショップ(家族経営の零細小売店)」 に対し、アリババが打ち出したのが「零售通」。アリババ傘下の淘宝、天猫、農村淘宝などのサプライチェーンを利用し、これらパパママショップに商品の発注、物流、マーケティングなどをサポートするシステム及びサービスだ ......

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◆世界も認めるアリババ「新小売」大解剖 (6)
 ~「天猫智慧門店」でデータ収集

 天猫智慧門店は、ブランド各社のリアル店舗の商品、会員情報、サービス、管理をデジタル化し、さらにネット化するもの。「店があっても客が来ない」、「ファンはいるが、消費に転化しない」、「会員はいるが、インタラクティブ性に欠ける」などの問題を改善し、消費者の体験や店側の効率アップを目指すシステムだ。現在、天猫智慧門店は全国で20万店近くを展開......

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◆世界も認めるアリババ「新小売」大解剖 (5)
 ~ビッグデータとAIを積極活用 大手も着目「天猫小黒盒」

 アリババ傘下のECサイト「天猫(Tモール)」は、単なるネット上の消費プラットフォームではない。世界中のブランド企業が販売をデジタル化する場であり、また中国の値段が高くてもより良いモノを求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドの牽引役でもある。天猫の真の価値は、こうした出店ブランド企業に対して提供するビッグデータと中国消費者像の分析力にある......

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お知らせ
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◆会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年7&8月号(vol.66)発行

 会報誌7&8月号(vol.66)では、巻頭特集に家事代行サービスを取り上げました。中国では、中国語で「おばさん」の意味でもある「阿姨(アイ)」と呼ばれる家政婦(お手伝いさん)を雇い、掃除や料理、子供や老人の世話を任せる家庭が少なくありません。パートタイマーの場合が多いですが、住み込みの家政婦を置くケースも少なくありません。

 その多くは地方出身者で、生活のために大都市に出稼ぎに来た人々。学歴が低く、賃金も低いため、一般的な中国の中産階級家庭でも雇うことができます。この「アイさん文化」は中華圏独特の現象と言っても過言ではないでしょう。経済の発展と収入の増加、核家族の増加や人口の高齢化、更には1人っ子政策の緩和に伴い、中国国内では家事代行サービスに対するニーズが高まっています。

 これまで、アイさんを探す際には、友人知人からの紹介か仲介業者に頼るのが一般的です。マンションの近くには、家政婦の仲介会社が必ずと言っていいほどあり、質素な事務所の中では暇そうなアイさんたちがおしゃべりしながら時間をつぶしている光景をよく目にします。そうした彼女らの印象は決して「プロフェッショナル」とは呼べないものです。

 ところが、スマートフォン(スマホ)の普及に伴いシェアリングエコノミーが日常化する中国で、ネットでのアイさん仲介サービスも増加。そうした中、良く知られているのは「58到家」、「e家潔」、「阿姨帮」などですが、これらのプラットフォームはあくまでも情報提供と仲介がメイン。従来型の巷の仲介業者に比べて、情報がより広範囲かつオープンであるだけでなく、費用面でもより透明性が高いのが特徴となっています。

 一方、最近注目を集めているのが「好慷在家(HOME KING)」というアプリ。一線・二線級都市ではマンションのエレベーターやタクシーなどで広告を目にする機会も少なくありません。家事代行サービス企業による自営型プラットフォームで、「日本式」のプロフェッショナルなサービスをアピールしています。

 派遣されるスタッフは全員事前に研修を受けており、制服となっている清潔なエプロンを身に着け、掃除道具も持参。決してプロフェッショナルとは言えない一般的なアイさんのイメージとは、明らかに一線を画している新しい家事代行サービス業の実態について、「好慷在家」のビジネスモデルなど含め、調査・分析しています。

 次に業界研究として、中国のドリンク(飲料)業界にフォーカスしました。約30年間の急成長期を経て、市場規模1兆元を越える巨大市場に成長した中国ドリンク業界。一方で2013年以降、経済成長の減速や中国人の消費観の変化に伴い、多くのジャンルが衰退傾向にあります。

 英調査会社のユーロモニターのデータによると、ドリンク製品のうち、ボトル入り飲用水(ミネラルウォーター等)市場は成長を維持していますが、茶飲料、果汁飲料、炭酸飲料、植物プロテイン飲料など他ジャンルの消費は2013~14年頃から年々減少しているもよう。2017年には中国のドリンク市場全体がマイナス成長となり、コカ・コーラ、ペプシなどの国際的ブランドのみならず、娃哈哈、康師傅、統一といった国内(台湾含む)大手も、成長の踊り場を迎えています。

 ドリンク業界の衰退の要因としては、まず消費者の健康意識の高まりがあげられるでしょう。不健康な飲料や食品を避ける人が増え、こうした飲料は市場から淘汰されつつあります。次に消費ニーズの多様化と個性化も顕著になっており、差別化が明確でない商品は市場(パイ)を失いつつあります。

 市場自体が縮小しつつある一方で、急成長を示している飲料もあります。2015年に発売された台湾系統一の「小茗同学」や、16年に発売された農夫山泉の「茶π」はその一例。いずれも独自性のある明確なポジショニングにより売上を伸ばし、共に売上が10億元のメジャー商品にまで成長しています。

 こうした中、2018年にはまたドリンク製品市場が前年比1.5%増と成長したようです。この再浮上の背景と要因は何なのか?またそれを可能にしたマーケティングやプロモーション戦略とは?について調査・分析しています。

 トレンドウォッチでは、「618」セールから見る中国ネット消費についてです。当初、京東(JDドットコム)の設立記念セール日だった「618(6月18日開催のためこう称される)」は、アリババの「双11(11月11日のネットセール)」同様、今や中国のEコマース業界全体の一大セール日となっています。

 シーズン末の在庫整理や、消費者が様々な優待を受けられるイベントとしての意味合いのみならず、1年の中間地点においてその年の消費トレンドを占う重要なセールともいえるでしょう。天猫(Tモール)、京東、拼多多(ピンドウドウ)、蘇寧易購(スニン)のEコマース大手4社は、今年の「618」においても驚くべき業績を収めました。

 京東は総売上2015億元を達成。天猫は110以上のブランドが売上1億元超。拼多多の注文件数は11億件を超え、売上は前年比300%以上の伸びを記録。蘇寧易購はオンラインとオフライン合わせた注文件数が前年比133%増となったようです。

 国家郵政局の観測データによると、6月1日~18日のセール期間中に取り扱った宅配便の数は31.9億件に達し、前年比26.6%増。最も多い日における1日の処理件数は2.43億件で前年比54.8%増。これは通常の処理量を27.9%上回る数字となっています。「618」の全期間中において、業界全体で取り扱われる宅配便の件数は36.3億件に達し、前年比29.6%の増加でした。

 実際に上海で生活している身としては、それほどの盛り上がりを見せずに終わった感が拭えない今年の「618」セールですが、いざフタを開けると各社ともに業績が好調だったようです。“見かけ”だけではわからなくなりつつある中国消費の実態について、各社発表の「618」セールの実績やレポートをベースに、中国消費やECのトレンドを追いました。

 最後に「ビッグデータから読み解く」をテーマに、中国人の旅行実態に迫りました。夏休みに入り、多くの中国人が国内外へ旅行に出かけています。そこで、中国人は今、国内外でどんな旅を好んでいるのか?について、2019年「五一」(労働節:5月1日)連休のビッグデータ統計をもとに、中国人の観光旅行の今を浮き彫りにしてみました。

 国内外の人気の目的地(都市)や観光スポットのほか、交通手段や決済状況、消費や旅の目的などビッグデータから見えてくる中国人の「旅」に対するニーズについてまとめました。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2019年7&8月合併号(vol.66)  もくじ
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【巻頭特集】中国家事代行サービス業界
アプリで「アイさん」探し?!
日本式家事代行サービス「好慷在家(HOME KING)」が人気

【業界研究】中国ドリンク業界
健康、多機能、個性がますます重要に
若者とSNSが人気商品を生み出す中国飲料業界

【トレンドウォッチ】「618」セールから見る中国ネット消費
消費昇級・国産品人気・小都市の消費激増が顕著に
京東発で国民的イベントと化した「618」ネットセール

【ビッグデータから読み解く】中国人の旅行実態
高速鉄道圏と「近場」が人気
シルバー層の旅行熱も旺盛に

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