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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第383号】~“中国版MaaS(マース)”はすでに稼働中?~

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2019年8月28日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第383号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 上海のモビリティサービス事情を探るための実験により、ハマったのが「バス」。上海に住み始めてかれこれ15年になりますが、これまでほとんど利用したことはありません。多くの路線があり、実は結構便利という話はずっと耳にしていたのですが。

 もちろん地下鉄はよく使います。ただ現在の浦東の自宅から最寄りの駅まで1キロメートル以上あり、軽く15分くらいかかってしまいます。そのためか、ついシェアライドの「滴滴」をよく使ってしまうのですが、今回の実験で実はバス停が意外と近いことが判明しました。

 アリババ系の「高徳地図」アプリを使えば、目的地までどの路線バスに乗ればいいか、地下鉄との連結含め、いくつか候補を出してくれます。さらにそれらバスの現在地もリアルタイムで実況もしてくれます。

 さらによかったのが朝夕のラッシュアワー時。バス専用レーンが設けられているため、思ったよりもスイスイと進んでくれます。バス車内後方の席は床が高くなっており、普段とは異なる上海市内の眺めを楽しむのも一興かもです。

 今週のコラムは上海の「MaaS(マース:Mobility as a Service)」事情についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第383号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第383回)
     ~“中国版MaaS(マース)”はすでに稼働中?~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. お知らせ
     会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年7&8月合併号(vol.66)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第383回)
 ~“中国版MaaS(マース)”はすでに稼働中?~

 自家用車以外のバス、電車、レンタカー、タクシー、レンタサイクル、飛行機などの交通手段から、目的地への最適なルートと手段の組み合わせが提案され、さらにそれらを一括で決済または定額で利用できるというサービスの「MaaS(マース:Mobility as a Service)」。世界的にはフィンランドの取り組みが注目されています。

 日本でもグーグル・マップを使えばいくつかの組み合わせは提案されますが、決済までは至っていません。では、スマートフォン(スマホ)決済が広く普及している中国ではどうか?ということで、実際に試してみました。

 使うのはアリババ系の「高徳地図」アプリ。普段クルマを運転する際にカーナビとしてよく使っています。ルート検索画面で目的地を入力すると、いくつかの手段が選べます。「タクシー+ライドシェア」、「自分で運転」、「公共交通機関(地下鉄+バス)」、「シェア自転車」、「徒歩」などのほか、目的地によっては「飛行機」、「汽車」、「遠距離バス」などの選択肢も。

 「タクシー+ライドシェア」ではタクシーのほかに、「神州」、「曹操」、「AA」、「首汽」など普段使っている「滴滴」以外にもたくさんの運営会社が出てきます。それも「経済(エコノミー)」、「舒活(コンフォタブル)」、「商務(ビジネス)」、「豪華(デラックス)」とクラス別に値段も分かれています。

 一方、「公共交通機関(地下鉄+バス)」は日本でもよく使う機能。地下鉄は何となく見当はつくのですが、驚いたのがバス。これほど路線が充実していたのかと。上海に住み始めてからかれこれ15年になりますが、改めて振り返るとほとんど利用したことがありません。また、候補のバスが現在何個前のバス停を通過し、あと何分で到着するかも随時アップデートしてくれます。

 もちろんシェア自転車も、黄色の「ofo(オッフォ)」やオレンジ色の「Mobike(モバイク)」の低迷を尻目に、青色の「哈啰出行(ハローバイク)」が上海市内の街角では目立つようになってきていますが、これは実はアリババ系。スマホ決済の「支付宝(アリペイ)」アプリから利用可能で、「芝麻(ゴマ)信用」のスコアが650点以上であれば、199元のデポジットも不要です。

 このように市内の移動であれば、基本マイカーなしで事足ります。もちろん、上記すべてアリペイの決済に対応済み。フィンランドのように全部一括で決済まではいかないですが、ほぼ「MaaS」の形になっているのではないでしょうか。 

文責:コンサルタント 大亀浩介

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◆2019年中国消費トレンド動向10選 (2)
 ~トレンド②~精鋭主義

 中国消費者は、日常生活だけでなく趣味やレジャーにも「専門性」を求めるようになり、マニアックな領域への興味やニーズが高まっている。これは少々値段が高くてもより良いモノを求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドの産物ともいえる。多くの市場調査の結果からも明らかなように、アウトドア、トレーニング、旅行、キッチン用品、ゲームなど様々なジャンルで、より専門的な商品や装備を求める人が増えている......

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◆2019年中国消費トレンド動向10選 (1)
 ~トレンド①~ 自分回帰

 改革開放政策を機に経済の急成長を経て、爆買いやブランド信仰といった「見栄」のための消費段階を経た中国消費者は、等身大で、自分に本当に必要なモノを求める消費へと回帰しつつある。シンプルで快適、安心、健康的な商品が人気を集めている。環境に優しい商品や、持続可能な消費が支持されるようになり、シンプルながら機能的なライフスタイルがトレンドとなっている...... 

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◆世界も認めるアリババ「新小売」大解剖 (10)
 ~製造から販売までデジタル化 「新小売」が世界からも評価

 アリババは1999年の設立から現在までの20年あまり、淘宝や天猫などのECプラットフォームだけでなく、金融、物流、クラウドなどのインフラを整備することで、データの収集から運用まで幅広く業務を多角化してきた。つまり、小売やマーケティングにとどまらず、製品の開発や製造にまで豊富な運営経験とビジネスモデルを有するようになっている......

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◆世界も認めるアリババ「新小売」大解剖 (9)
 ~地方の生産・製造業者を繋ぐ 「天天特売」でデジタル化推進

 一方、よりコストパフォーマンスを重視した「天天特売」も、注目に値する。 1分で30万枚を売り上げた携帯用使い捨てカイロ、3日で100万枚売れたヨガマット、4日で100万斤(50万キログラム)が完売した氷糖橙(小粒みかん)、月100万個を売れた高品質イヤホン、300万本売った「光脚神器(履いていないように見える保温ストッキング)」などは、天天特売で爆発的な人気を集めた商品だ......

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お知らせ
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◆会報誌「チャイナ・マーケット・インサイト」2019年7&8月合併号(vol.66)発行

 会報誌7&8月合併号(vol.66)では、巻頭特集に家事代行サービスを取り上げました。中国では、中国語で「おばさん」の意味でもある「阿姨(アイ)」と呼ばれる家政婦(お手伝いさん)を雇い、掃除や料理、子供や老人の世話を任せる家庭が少なくありません。パートタイマーの場合が多いですが、住み込みの家政婦を置くケースも少なくありません。

 その多くは地方出身者で、生活のために大都市に出稼ぎに来た人々。学歴が低く、賃金も低いため、一般的な中国の中産階級家庭でも雇うことができます。この「アイさん文化」は中華圏独特の現象と言っても過言ではないでしょう。経済の発展と収入の増加、核家族の増加や人口の高齢化、更には1人っ子政策の緩和に伴い、中国国内では家事代行サービスに対するニーズが高まっています。

 これまで、アイさんを探す際には、友人知人からの紹介か仲介業者に頼るのが一般的です。マンションの近くには、家政婦の仲介会社が必ずと言っていいほどあり、質素な事務所の中では暇そうなアイさんたちがおしゃべりしながら時間をつぶしている光景をよく目にします。そうした彼女らの印象は決して「プロフェッショナル」とは呼べないものです。

 ところが、スマートフォン(スマホ)の普及に伴いシェアリングエコノミーが日常化する中国で、ネットでのアイさん仲介サービスも増加。そうした中、良く知られているのは「58到家」、「e家潔」、「阿姨帮」などですが、これらのプラットフォームはあくまでも情報提供と仲介がメイン。従来型の巷の仲介業者に比べて、情報がより広範囲かつオープンであるだけでなく、費用面でもより透明性が高いのが特徴となっています。

 一方、最近注目を集めているのが「好慷在家(HOME KING)」というアプリ。一線・二線級都市ではマンションのエレベーターやタクシーなどで広告を目にする機会も少なくありません。家事代行サービス企業による自営型プラットフォームで、「日本式」のプロフェッショナルなサービスをアピールしています。

 派遣されるスタッフは全員事前に研修を受けており、制服となっている清潔なエプロンを身に着け、掃除道具も持参。決してプロフェッショナルとは言えない一般的なアイさんのイメージとは、明らかに一線を画している新しい家事代行サービス業の実態について、「好慷在家」のビジネスモデルなど含め、調査・分析しています。

 次に業界研究として、中国のドリンク(飲料)業界にフォーカスしました。約30年間の急成長期を経て、市場規模1兆元を越える巨大市場に成長した中国ドリンク業界。一方で2013年以降、経済成長の減速や中国人の消費観の変化に伴い、多くのジャンルが衰退傾向にあります。

 英調査会社のユーロモニターのデータによると、ドリンク製品のうち、ボトル入り飲用水(ミネラルウォーター等)市場は成長を維持していますが、茶飲料、果汁飲料、炭酸飲料、植物プロテイン飲料など他ジャンルの消費は2013~14年頃から年々減少しているもよう。2017年には中国のドリンク市場全体がマイナス成長となり、コカ・コーラ、ペプシなどの国際的ブランドのみならず、娃哈哈、康師傅、統一といった国内(台湾含む)大手も、成長の踊り場を迎えています。

 ドリンク業界の衰退の要因としては、まず消費者の健康意識の高まりがあげられるでしょう。不健康な飲料や食品を避ける人が増え、こうした飲料は市場から淘汰されつつあります。次に消費ニーズの多様化と個性化も顕著になっており、差別化が明確でない商品は市場(パイ)を失いつつあります。

 市場自体が縮小しつつある一方で、急成長を示している飲料もあります。2015年に発売された台湾系統一の「小茗同学」や、16年に発売された農夫山泉の「茶π」はその一例。いずれも独自性のある明確なポジショニングにより売上を伸ばし、共に売上が10億元のメジャー商品にまで成長しています。

 こうした中、2018年にはまたドリンク製品市場が前年比1.5%増と成長したようです。この再浮上の背景と要因は何なのか?またそれを可能にしたマーケティングやプロモーション戦略とは?について調査・分析しています。

 トレンドウォッチでは、「618」セールから見る中国ネット消費についてです。当初、京東(JDドットコム)の設立記念セール日だった「618(6月18日開催のためこう称される)」は、アリババの「双11(11月11日のネットセール)」同様、今や中国のEコマース業界全体の一大セール日となっています。

 シーズン末の在庫整理や、消費者が様々な優待を受けられるイベントとしての意味合いのみならず、1年の中間地点においてその年の消費トレンドを占う重要なセールともいえるでしょう。天猫(Tモール)、京東、拼多多(ピンドウドウ)、蘇寧易購(スニン)のEコマース大手4社は、今年の「618」においても驚くべき業績を収めました。

 京東は総売上2015億元を達成。天猫は110以上のブランドが売上1億元超。拼多多の注文件数は11億件を超え、売上は前年比300%以上の伸びを記録。蘇寧易購はオンラインとオフライン合わせた注文件数が前年比133%増となったようです。

 国家郵政局の観測データによると、6月1日~18日のセール期間中に取り扱った宅配便の数は31.9億件に達し、前年比26.6%増。最も多い日における1日の処理件数は2.43億件で前年比54.8%増。これは通常の処理量を27.9%上回る数字となっています。「618」の全期間中において、業界全体で取り扱われる宅配便の件数は36.3億件に達し、前年比29.6%の増加でした。

 実際に上海で生活している身としては、それほどの盛り上がりを見せずに終わった感が拭えない今年の「618」セールですが、いざフタを開けると各社ともに業績が好調だったようです。“見かけ”だけではわからなくなりつつある中国消費の実態について、各社発表の「618」セールの実績やレポートをベースに、中国消費やECのトレンドを追いました。

 最後に「ビッグデータから読み解く」をテーマに、中国人の旅行実態に迫りました。夏休みに入り、多くの中国人が国内外へ旅行に出かけています。そこで、中国人は今、国内外でどんな旅を好んでいるのか?について、2019年「五一」(労働節:5月1日)連休のビッグデータ統計をもとに、中国人の観光旅行の今を浮き彫りにしてみました。

 国内外の人気の目的地(都市)や観光スポットのほか、交通手段や決済状況、消費や旅の目的などビッグデータから見えてくる中国人の「旅」に対するニーズについてまとめました。

 そのほか、以下のとおり、中国マーケティングやECに関する情報が盛りだくさんです。

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ニュースレター冊子『チャイナ・マーケット・インサイト』 
2019年7&8月合併号(vol.66)  もくじ
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【巻頭特集】中国家事代行サービス業界
アプリで「アイさん」探し?!
日本式家事代行サービス「好慷在家(HOME KING)」が人気

【業界研究】中国ドリンク業界
健康、多機能、個性がますます重要に
若者とSNSが人気商品を生み出す中国飲料業界

【トレンドウォッチ】「618」セールから見る中国ネット消費
消費昇級・国産品人気・小都市の消費激増が顕著に
京東発で国民的イベントと化した「618」ネットセール

【ビッグデータから読み解く】中国人の旅行実態
高速鉄道圏と「近場」が人気
シルバー層の旅行熱も旺盛に

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