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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第387号】~蘇寧(スニン)がお手本にした日系スーパーとは?~

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2019年9月25日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第387号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 先週は北京出張でした。この時期の北京は快適です。ちょうど天気もよく、北京の空は空気が乾燥しているせいか、特に青さが際立ってきれいです。もしかしたら建国70周年の記念パレードを控えたタイミングだったからかもしれませんが、今回は特に「ブルー」でした。

 上海浦東空港から飛行機で行ったのですが、第1ターミナルでチェックインしたところ、搭乗ゲートは新しい場所だと。パスポートと手荷物検査を受けたら、左折してエスクレーターを降りてくれ。そこにモノレールがあるからそれに乗って移動してくれとのことでした。

 そこは9月16日にオープンした「衛星庁(サテライト)」。「S1」と「S2」に分かれており、合計90個のゲートが新たに設けられているそうです。ピッカピカの新しいフロアで、レストランやカフェも充実。 “網紅(ワンホン)”で人気の「喜茶(HEYTEA)」や欧式カフェ&ベーカリーの「BAKER & SPICE」なども出店しています。

 ゆったりくつろげるベンチから、仕事用にコンセントとUSBポート付きの背が高めのデスクも設置されており、より現代的な設計になっています。特に東方航空は搭乗ゲートから飛行機までバス移動が多いのですが、これで少しは解消されるのでしょうか…。

 今週のコラムは会報誌9月号の巻頭特集で取り上げた「蘇寧(スニン)」についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第387号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第387回)
     ◆家電量販からEC、モール、コンビニへ
       ~蘇寧(スニン)がお手本にした日系スーパーとは?

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2019年9月号(vol.67)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第387回)

◆家電量販からEC、モール、コンビニへ
 ~蘇寧(スニン)がお手本にした日系スーパーとは?

 会報誌9月号では、蘇寧(スニン)を徹底研究しました。日本では家電量販店のラオックスを買収して有名になった蘇寧。中国では紛れもなく家電量販の雄で、かつチェーン企業ランキングでも常にナンバーワンの売上を誇る巨大小売流通企業として、「知らない人はいない」ほどです。

 今回特に蘇寧について調査・分析したいと思った一番の理由は「蘇寧小店」です。コンビニと言っていいのか、ミニスーパーというべきなのか。上海浦東の自宅近くにも店舗がオープンし、コンビニのような店構えながら、新鮮なフルーツや冷凍の肉、魚などの食材も販売しています。

 家電の蘇寧がまさかのコンビニ経営…。振り返ると、蘇寧が初めてスーパー業に参入したのは、2013年に無錫にオープンしたマルエツとの合弁店舗なのではないでしょうか。当時、上海の久光や蘇州のイズミヤ、さらにはイオンやマックスバリュなど日系スーパーが各地でオープンし、人気となっていました。家電の売れ行きが頭打ちになりつつあった当時、危機感を抱いた蘇寧にとって、マルエツと一緒にスーパー経営できることはまさに「渡りに船」だったと察します。

 その後、各地で蘇寧独自のスーパーを目にしましたが、どこも客の入りはイマイチで、商品の陳列も単に棚に並べているだけの状態でした。「やはり蘇寧にはスーパー経営は難しいか」と思っていた矢先、蘇寧の南京本社から一度来てほしいとの連絡が…。新規店舗の立地選定や商品構成など、マーケティングの提案をしてほしいとのことでした。

 我々2人に対して、会議室に20人くらいが集まり、我々の調査手法やポイントを聞いた後、1人の参加者が「それは我々が一番得意としているところだね」と言い、その後連絡は「なしのつぶて」でした。我々の提案からヒントを得たというにはおこがましいですが、いずれにせよ、その後の蘇寧の業容拡大の勢いには目を見張るものがあります。

 家電量販からネット通販、モール、スーパー、コンビニへと進出し、最近では“無印良品”風のノンブランド「蘇寧極物」やグローサラント業態の「蘇鮮生」などにも着手。物流でも無人トラックや宅配ロボットなど存在感を示す「リテール王国」蘇寧について解説しています。

文責:コンサルタント 大亀浩介

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新着コンテンツ一覧
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◆中国リアル消費の新潮流「ポップアップストア」(4)
 ~商業施設の空きテナントを活用

 中国のポップアップストアは大型ショッピングモールの中にあることが多い。 テナント料の上昇により、長期の賃貸契約には大きなリスクが伴う。ポップアップストアは、企業が新しいチャネルを開拓する際、低コストでその効果を試すのに最適な手段となっている......

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◆中国リアル消費の新潮流「ポップアップストア」(3)
 ~主要ターゲットは若年消費者層 SNSでの情報シェアが宣伝に

 中国で「90後(90年代生まれ)」世代が消費の主力となりつつあることも、ポップアップストアの人気を押し上げる理由の一つとなっている。若者は流行を追うことを好み、個性や新しさを重視する。従来型のマーケティングは彼らにとってあまり興味をそそるものではなくなっていた......

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◆中国リアル消費の新潮流「ポップアップストア」(2)
 ~低コストながら効果抜群 英家電ダイソンが成功例

 ポップアップストアは運営期間が短い。最短で数日、長くても数週間が一般的だ。1ヶ月を超すケースはほとんどない。賃料は1日ごとに計算されるため、固定の実店舗に比べ必要経費が少なくて済む。にもかかわらず、大きな効果が期待できるのが特徴といえる......

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◆中国リアル消費の新潮流「ポップアップストア」(1)
 ~高級ブランドからEC大手も積極活用

 ネットでの広告コスト上昇を背景に 、ポップアップストアで注目を集め、SNS(ソーシャルサイト)を通じてウイルス的拡散を狙うマーケティング手法は、コストの低さと注目度の高さから、若年消費者層の獲得を目指すブランド各社にとって格好のマーケティングツールといえる。商業用不動産コンサル大手のRET(睿意徳商業地産研究中心)の報告によると、18年に中国で約1068件のポップアップストアが運営され、20年には3000件を超えると見込まれている......

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新着統計データ一覧
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※下記の統計データを閲覧するには「中国マーケティングEC会員」のログインIDとパスワードが必要ですが、現在は「無料」で公開しています。

◆検索エンジンのユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国の検索エンジンのユーザー数は6.95億人......

(詳細はこちら)
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◆インスタントメッセンジャーのユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国のインスタントメッセンジャー(IM)のユーザー規模は8.25億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2912.pdf

統計データ一覧はこちら >> 
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お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2019年9月号(vol.67)発行

 会報誌9月号(vol.67)では、巻頭特集で家電量販からEC、モール、スーパー、コンビニへと業容を拡大する「蘇寧(スニン)」を取り上げました。1990年設立で、現在は中国国内でオンラインとオフラインを融合させるOMO(Online Merges with Offline)概念の「新小売(ニューリテール)」をリードする最先端の企業の1つでもあります。

 エアコンの卸売から身を起こし、家電量販のみならず、中国小売流通チェーン企業全体でも見事トップにまで登りつめた蘇寧。2018年、蘇寧控股(ホールディングス)集団は営業収益5,579億元を記録。華為(ファーウェイ)に次いで、中国企業ランキングトップ500の第2位にランクインしました。

 蘇寧控股は傘下に蘇寧易購(Suning.com)をはじめ、蘇寧物流、蘇寧金融、蘇寧科技、蘇寧置業、蘇寧文創、蘇寧体育、蘇寧投資の8つの子会社を運営。業務範囲は小売や消費だけでなく、金融や不動産開発、スポーツなど各分野に及んでいます。

 なかでも、家電量販とEコマースプラットフォーム運営を主体とし、消費者にも広く知られている「蘇寧易購」。2019年に、中国の大手不動産ディベロッパー「万達(ワンダ)」集団傘下の万達百貨のほか、仏スーパー大手「カルフール」の中国事業も相次いで買収。これは中国小売流通業界にとって大事件であり、蘇寧は大きな注目を集めることになりました。

 創業から30年近くを経て、当初のオフライン業態からオンラインへの進出を果たし、更にオンラインとオフラインを融合させた「スマート小売」へと転換を続ける蘇寧。その成長の軌跡は中国小売業界の発展の歴史そのものとも言え、今や、中国で最も成功した小売企業の1つといっても過言ではないでしょう。

 アリババや京東(JDドットコム)とは異なり、リアル発で「リテール王国」を目論む蘇寧について、家電量販プラスECの「蘇寧易購」、コンビニ「蘇寧小店」、地方のパパママショップ(零細小売店)に商品調達及び店舗運営システムを提供する小売加盟店「蘇寧零售雲店」、自動化・無人化を進める「蘇寧物流」、金融界でも頭角を現す「蘇寧金融」、伊セリエAのインテルを傘下に収める「蘇寧体育」、最近流行りのソーシャルコマース「蘇寧拼購」「蘇寧推客」「蘇小団」、家電PB(プライベートブランド)で人気の「小Biu」シリーズなどについて解説しています。

 次にトレンドウォッチで扱ったのが、スナック食品市場について。中国経済の急成長により、2013年に1万8,311元だった中国人の平均所得は2018年に2万8,228元に達しました。その結果、消費ニーズが多様化し、より良いモノ(サービス)を求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドも生まれました。

 食品に対するニーズも、空腹を満たすだけのものから、「個性」、「レジャー」、「健康」などをキーワードに多様化する中、スナック食品(菓子)の人気も急上昇。2011年から18年に、中国のスナック食品市場は年平均成長率12.3%で拡大。18年の市場規模は1兆297億元に達したもようです。

 一方、スナック食品の1人当り平均消費額は、イギリスやアメリカに遠く及ばず、日本や韓国と比べても、それぞれ中国の6.9倍と2.8倍の大きさ。中国のスナック食品の潜在的市場は相当大きいといえるでしょう。

 この成長著しいスナック食品について、中国人消費者の趣向や購入理由、販売チャネル、主要消費者層、低糖・低カロリーブーム、成長著しいナッツ類と栄養補助食品、個(少量)包装が流行りの「一日分のナッツ」、「消費昇級」が後押しする輸入スナック食品人気、若者に人気の「網紅」食品について解説しています。

 業界研究では中国スーパー業界をピックアップしました。ここ数年、Eコマースやコンビニなどの台頭で、大幅な業績低下に苦しむ中国スーパー業界。閉店した店舗も少なくなく、国有企業をバックグラウンドに持つ聯華超市を例にとると、2015年~18年に閉店した店舗の数は1,945店に上ります。

 かつて、カルフールやウォルマートなどの大型スーパーに行くことは、一般家庭の日常行為の1つでした。しかし現在、スーパーはどこも閑古鳥が鳴き、週末でさえかつての賑わいは見られず、訪れているのはネットで買物をしない高齢者ばかり…。

 こうした状況が更に深刻なのが外資系スーパーです。2013年にはイギリス系のテスコが華潤創業に買収され、中国国内135店舗全てが「華潤万家」に改称されました。17年には韓国系のロッテマートが東北地区の21店舗と華東地区の72店舗を中国系の物美と利群に売却。19年6月には蘇寧易購が仏スーパー大手カルフールの中国事業の株式80%を買収し、筆頭株主に。最近もドイツ系大手メトロの中国業務売却の噂が流れ、永輝か物美による買収が囁かれています。

 米スーパー大手ウォルマートの業績も理想からは程遠く、2016年~18年には各年13店、24店、21店を閉店。純利益と利益率も減少が続いています。市場シェアも2010年の11%から18年には5%と半減しています。

 このような背景を踏まえながら、Eコマースとコンビニ台頭による「ミニスーパー」化、アリババやテンセントなどネット大手各社による参入、宅配アプリへの出店による既存スーパーのEC化、盒馬の成功で急増する「スーパー+飲食」モデル、無店舗の「前置倉庫」によるネットスーパーなどについて解説しています。

 そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2019年9月号(vol.67)  もくじ
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【巻頭特集】「蘇寧」徹底研究
家電量販からEC、金融、コンビニへと多角化
中国「スマート小売」をリードする蘇寧の実力検証

【トレンドウォッチ】中国スナック食品
「網紅」スナックが大人気
間食にも「健康」と「個性」を求める

【業界研究】中国スーパー業界
目まぐるしく変わる業界地図
アプリ注文+宅配が“マスト”の時代に

【マーケティングレポート】
コンビニ発展状況は
店舗数2桁成長 総合首位は長沙

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