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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第390号】~盒馬で結局一番売れている商品は??~

中国市場・業界・企業・消費の「いま」を徹底調査&分析
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2019年10月16日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第390号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 国慶節の後半には杭州を訪れました。杭州といえば「西湖」。中国人はなぜか西湖が大好き。今年5月の労働節休暇でも国内観光地の人気トップでしたし、連休だけでなく週末でも多くの観光客で賑わっています。

 南宋(1127~1280年)朝時代の都という歴史もあり、あのマルコポーロも「壮麗無比な大都会」と絶賛。雪景色で有名な「断橋」だけでなく、単に湖畔をのんびりと散歩したり、地元名産の緑茶「龍井茶」を飲みながら物思いにふけるのもよし。

 その西湖そばにあるショッピングエリアがリニューアルされていました。元々車道だった道路が歩行街(歩行者天国)に生まれ変わり、周りのモール群へのアクセスがより便利に。高級ブランドのほかアップルやアディダスの大型旗艦店、さらには各種レストランなどもあり、全体的により快適で洗練された空間になっています。

 そこで圧倒的な勢力を誇るのが地元の大手百貨店「銀泰」。AからE館まで5棟でモールを展開し、西湖に集まる観光客ニーズを一手に引き受けているようでもあります。アリババからも出資を受けた銀泰。その相乗効果が徐々に現れてきているように感じました。

 今週のコラムは中国スーパー業界分析(その2)についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第390号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第390回)
     ◆宅配が当たり前の中国スーパー業界
    ~盒馬で結局一番売れている商品は??

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2019年9月号(vol.67)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第390回)

◆宅配が当たり前の中国スーパー業界
 ~盒馬で結局一番売れている商品は??

 会報誌9月号で取り上げた中国スーパー業界の動向。カルフールやウォルマートなどGMS(総合スーパー)各社はことごとく業績が低迷。上海だけでなく各地の店舗に行っても、どこも以前のような賑わいはなく、ほぼ“ガラガラ”といってもいいほどの状態です。では、中国の消費者は一体どこで日常の食材や日用品を購入しているのか?

 上海にいる人なら、それは「盒馬鮮生」と答えるでしょう。アリババ系の生鮮ネットスーパーで、店舗を倉庫代わりとしても使い、かつ食材をその場で調理して食べられる「グローサラント」業態としても人気。これまでこのメルマガでも何度も紹介してきましたが、まさにOMO(Online Merged with Offline)概念の「新小売」スーパー筆頭格です。

 この盒馬。2018年の売上が140億元で、前年比なんと300%増と急成長。全国20都市に150店以上展開。1号店である上海金橋店は、年間売上約2.5億元、坪売上(一坪当たりの売上)も5.6万元で、これは従来型スーパーと比べて5倍以上とされています。

 巷では盒馬の配送範囲(半径約3 km)内にある、「盒区房」と称されるマンション価格が上昇していると言われるほど。確かに私も昨年3月に浦東に引っ越した際には、まず盒馬が配送しくれるかどうかを確認したほどです。

 我が家の食卓はほぼ盒馬から宅配される食品のみ。店舗に出向くことはなく、最近はコンビニすら行きません。実際に盒馬の人気が出始めた当初は物珍しさで店舗に出向き、ロブスターやシャコなどをイートインで食べましたが、それも1、2回限り。もちろん中国人も頻繁にこうした海鮮類を食べることはなく、結局のところ、盒馬での売上の7割は野菜を中心とした生鮮品とのこと。

 そうすると、いよいよ勝負はいかに野菜や肉を売るかに。さらにそもそも宅配してもらうわけなので「店舗いる?」という発想が…。その隙間を巧みについてきたのが「叮咚(ディンドン)」や「美団買菜」など。中国で「前置倉庫」と呼ばれる簡易でかつ店舗ではない配送倉庫を張り巡らせた、宅配に特化したネットスーパーです。

 宅配が当たり前になりつつある中国スーパー業。宅配にも対応する居住エリア隣接型の生鮮ミニスーパーも続々と誕生。大手GMS各社もそれに追随してはいるものの、リアル(実店舗)が不要となりつつある中国のスーパー業は今後どのような未来があるのか。またこれについても後日考察したいと思います。

文責:コンサルタント 大亀浩介

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新着コンテンツ一覧
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◆二線級都市へ昇進、急成長続く「貴州省・貴陽」(3)
 ~【噴水池商圏】貴陽で最も歴史の古い商圏

 噴水池は、貴陽で最も歴史の古い商圏。市中心部の延安路と中華路の交差点にあった大型の噴水が命名の由来だ。 噴水池自体は交通渋滞緩和の目的で2010年に撤去されており、今は新設された4つの小型の噴水がその面影を留めるのみとなっている......

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◆二線級都市へ昇進、急成長続く「貴州省・貴陽」(2)
 ~高速鉄道が続々と開通 西南地域の交通ハブに

 「鉄道『十三五』発展計画」により「八縦八横」に高速鉄道網が張り巡らされる中、貴陽市はその重要なハブとなりつつある。 交通インフラの建設、特に高速鉄道(新幹線)の開通により、貴陽市はまさに羽を得たかのような急発展を開始した。2014年12月、貴広(貴陽—広州間)高速鉄道が正式に開通。 貴州省はそれまでの高速鉄道「ゼロ」状態を脱し、貴陽から広州まで僅か4時間で行けるようになった......

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◆二線級都市へ昇進、急成長続く「貴州省・貴陽」(1)
 ~貴州の経済発展を牽引する ビッグデータ産業

 貴州省は中国で最も貧しい省として知られていた。その貴州がここ数年、ビッグデータ産業の発展に力を入れている。政府の貧困扶助政策の恩恵もあり、貴州の経済は飛躍的な成長を遂げつつある。2018年、貴州省のGDPは1万4806億元で、前年比9.1%の成長を記録。中国全土で経済成長率の最も高い省となった。省都・貴陽市の18年のGDPは3798億元で、前年比9.9%増加。6年連続、全国で成長率の最も高い省都となった......

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◆中国リアル消費の新潮流「ポップアップストア」(13)
 ~リアル回帰の起爆剤となるか 中国マーケティングの新潮流に

 多くの商業施設では「特売会」や「即売会」、「バザール」といった販促イベントが頻繁に開催されていた。しかし、こうしたイベントはほぼすべて“過去の産物”となりつつある。これに取って替わりつつあるのが、流行を反映し、若者に支持される「ポップアップストア」だ......

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新着統計データ一覧
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※下記の統計データを閲覧するには「中国マーケティングEC会員」のログインIDとパスワードが必要ですが、現在は「無料」で公開しています。

◆配車アプリのユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点において、配車アプリでタクシーを呼んだことのある人の数は3.37億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2926.pdf

◆ライブ配信サービスのユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国のライブ配信サービスのユーザー数は4.33億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2925.pdf

◆ネット動画のユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国のネット動画ユーザー数は7.59億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2924.pdf

◆オンラインゲームのユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国のオンラインゲームのユーザー規模は4.94億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2923.pdf

◆インターネット文学のユーザー規模と利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国のインターネット文学ユーザー数は4.55億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2922.pdf

◆音楽配信サービスのユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国の音楽配信サービスのユーザー数は6.08億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2920.pdf

統計データ一覧はこちら >> 
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=NewAll&Class2=29

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お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2019年9月号(vol.67)発行

 会報誌9月号(vol.67)では、巻頭特集で家電量販からEC、モール、スーパー、コンビニへと業容を拡大する「蘇寧(スニン)」を取り上げました。1990年設立で、現在は中国国内でオンラインとオフラインを融合させるOMO(Online Merges with Offline)概念の「新小売(ニューリテール)」をリードする最先端の企業の1つでもあります。

 エアコンの卸売から身を起こし、家電量販のみならず、中国小売流通チェーン企業全体でも見事トップにまで登りつめた蘇寧。2018年、蘇寧控股(ホールディングス)集団は営業収益5,579億元を記録。華為(ファーウェイ)に次いで、中国企業ランキングトップ500の第2位にランクインしました。

 蘇寧控股は傘下に蘇寧易購(Suning.com)をはじめ、蘇寧物流、蘇寧金融、蘇寧科技、蘇寧置業、蘇寧文創、蘇寧体育、蘇寧投資の8つの子会社を運営。業務範囲は小売や消費だけでなく、金融や不動産開発、スポーツなど各分野に及んでいます。

 なかでも、家電量販とEコマースプラットフォーム運営を主体とし、消費者にも広く知られている「蘇寧易購」。2019年に、中国の大手不動産ディベロッパー「万達(ワンダ)」集団傘下の万達百貨のほか、仏スーパー大手「カルフール」の中国事業も相次いで買収。これは中国小売流通業界にとって大事件であり、蘇寧は大きな注目を集めることになりました。

 創業から30年近くを経て、当初のオフライン業態からオンラインへの進出を果たし、更にオンラインとオフラインを融合させた「スマート小売」へと転換を続ける蘇寧。その成長の軌跡は中国小売業界の発展の歴史そのものとも言え、今や、中国で最も成功した小売企業の1つといっても過言ではないでしょう。

 アリババや京東(JDドットコム)とは異なり、リアル発で「リテール王国」を目論む蘇寧について、家電量販プラスECの「蘇寧易購」、コンビニ「蘇寧小店」、地方のパパママショップ(零細小売店)に商品調達及び店舗運営システムを提供する小売加盟店「蘇寧零售雲店」、自動化・無人化を進める「蘇寧物流」、金融界でも頭角を現す「蘇寧金融」、伊セリエAのインテルを傘下に収める「蘇寧体育」、最近流行りのソーシャルコマース「蘇寧拼購」「蘇寧推客」「蘇小団」、家電PB(プライベートブランド)で人気の「小Biu」シリーズなどについて解説しています。

 次にトレンドウォッチで扱ったのが、スナック食品市場について。中国経済の急成長により、2013年に1万8,311元だった中国人の平均所得は2018年に2万8,228元に達しました。その結果、消費ニーズが多様化し、より良いモノ(サービス)を求める「消費昇級(アップグレード)」トレンドも生まれました。

 食品に対するニーズも、空腹を満たすだけのものから、「個性」、「レジャー」、「健康」などをキーワードに多様化する中、スナック食品(菓子)の人気も急上昇。2011年から18年に、中国のスナック食品市場は年平均成長率12.3%で拡大。18年の市場規模は1兆297億元に達したもようです。

 一方、スナック食品の1人当り平均消費額は、イギリスやアメリカに遠く及ばず、日本や韓国と比べても、それぞれ中国の6.9倍と2.8倍の大きさ。中国のスナック食品の潜在的市場は相当大きいといえるでしょう。

 この成長著しいスナック食品について、中国人消費者の趣向や購入理由、販売チャネル、主要消費者層、低糖・低カロリーブーム、成長著しいナッツ類と栄養補助食品、個(少量)包装が流行りの「一日分のナッツ」、「消費昇級」が後押しする輸入スナック食品人気、若者に人気の「網紅」食品について解説しています。

 業界研究では中国スーパー業界をピックアップしました。ここ数年、Eコマースやコンビニなどの台頭で、大幅な業績低下に苦しむ中国スーパー業界。閉店した店舗も少なくなく、国有企業をバックグラウンドに持つ聯華超市を例にとると、2015年~18年に閉店した店舗の数は1,945店に上ります。

 かつて、カルフールやウォルマートなどの大型スーパーに行くことは、一般家庭の日常行為の1つでした。しかし現在、スーパーはどこも閑古鳥が鳴き、週末でさえかつての賑わいは見られず、訪れているのはネットで買物をしない高齢者ばかり…。

 こうした状況が更に深刻なのが外資系スーパーです。2013年にはイギリス系のテスコが華潤創業に買収され、中国国内135店舗全てが「華潤万家」に改称されました。17年には韓国系のロッテマートが東北地区の21店舗と華東地区の72店舗を中国系の物美と利群に売却。19年6月には蘇寧易購が仏スーパー大手カルフールの中国事業の株式80%を買収し、筆頭株主に。最近もドイツ系大手メトロの中国業務売却の噂が流れ、永輝か物美による買収が囁かれています。

 米スーパー大手ウォルマートの業績も理想からは程遠く、2016年~18年には各年13店、24店、21店を閉店。純利益と利益率も減少が続いています。市場シェアも2010年の11%から18年には5%と半減しています。

 このような背景を踏まえながら、Eコマースとコンビニ台頭による「ミニスーパー」化、アリババやテンセントなどネット大手各社による参入、宅配アプリへの出店による既存スーパーのEC化、盒馬の成功で急増する「スーパー+飲食」モデル、無店舗の「前置倉庫」によるネットスーパーなどについて解説しています。

 そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2019年9月号(vol.67)  もくじ
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【巻頭特集】「蘇寧」徹底研究
家電量販からEC、金融、コンビニへと多角化
中国「スマート小売」をリードする蘇寧の実力検証

【トレンドウォッチ】中国スナック食品
「網紅」スナックが大人気
間食にも「健康」と「個性」を求める

【業界研究】中国スーパー業界
目まぐるしく変わる業界地図
アプリ注文+宅配が“マスト”の時代に

【マーケティングレポート】
コンビニ発展状況は
店舗数2桁成長 総合首位は長沙

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