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【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第391号】~「国潮」ブームが日本企業にとって脅威に??~

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2019年10月23日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第391号】
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 こんにちは。キャストの大亀です。

 今年も11月11日が近づいてきました。皆さんご存知の通り、「双11(独身の日)」セールです。アリババ系ECサイト(天猫+淘宝)の1日(24時間)のみの取引額が、実に楽天の年間分に相当するほどのビッグセール。今年で11年目を迎え、まさに年間行事の一つとも言えるでしょう。

 今年は特に創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が引退し、新しい体制になって初めてのセール。是が非でも昨年の実績を上回るどころか、驚異的な伸びを目論んでいるのではないでしょうか。

 かく言う私も、双11に向けて買い物リストを作成し始めています。若干価格が高めだとか、急ぎではない買い物は、このタイミングでとの思いで、これまで買い控えてきました。私の周りも多くが、このように「買いたいものは双11で」という消費行動を取っているようです。

 ただ実際にどこまで安くなるのかは疑問です。また今年は特にほぼ毎月何らかのキャンペーンをしており、双11のありがたみも徐々に薄れてきているような気もします。そうした中、いよいよ「予約注文」が始まったとのメッセージが…。今年の双11はいかに??乞うご期待!!

 今週のコラムは会報誌10月号の巻頭特集で取り上げた「国潮」ブームについてです。では、中国市場インサイトメルマガ第391号をお送りいたします。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第391回)
     ◆国産ブランド偏重の若者が急増中
    ~「国潮」ブームが日本企業にとって脅威に??

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2019年10月号(vol.68)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

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コラム
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「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第391回)

◆国産ブランド偏重の若者が急増中
 ~「国潮」ブームが日本企業にとって脅威に??

 会報誌10月号では、巻頭特集に「国潮」ブームを取り上げました。「国潮」とは「中国+潮流」の造語。「国潮青年」と呼ばれる若者を中心に、中国の文化や伝統、老舗、ブランド、製品などに改めて目を向け、再評価し、愛用していこうといったトレンドです。

 今回この「国潮」をトピックにしようとした最初のきっかけは「マオタイジェラート」です。上海浦東の世紀大道駅にある「世紀匯広場」モールの地下1階。あの独特の白酒(パイチュウ)の香りがプンプンと広がっているのですが、周りはカフェやベーカリー、小吃の販売カウンターのみ。その一角に「国酒」とも称される茅台酒のボトルが山積みされています。

 よく見るとそこはジェラート店で、各種テイストのジェラートを実演販売しています。茅台酒入りのほかにも、中国版“ミルキー”ともいえる「大白兎」入りのものも。手渡される際に販売スタッフから「車の運転はだめですよ」と言われながら、口の中に入れると、まさにあの白酒の香りがふわっと広がったかと思うと、ミルクの味わいが覆いかぶさってきます。正直食べる前は怪しんでいたのですが、意外と「イケる!」美味しさでした。

 その後、ベルギーの高級チョコレート「ゴディバ」の店舗でも「大白兎」とコラボしたソフトクリームを販売。街中でも「中国李寧」と漢字で表記されたスポーツアパレル「リーニン」のTシャツを来ている若者を頻繁に目にします。バス停やエレベーター広告などからも、天猫や京東など大手ECサイトが「国潮」をテーマにしたキャンペーンをアピールしています。

 実際に調べてみると、このブームは昨年ごろから顕著になったもよう。これまで“安かろう悪かろう”や“ダサい”とされた国産品でしたが、経済が発展し、スマホや家電など世界レベルのトップブランドになった実力を背景に、自信と誇りを持ち始めた現れとも言えるでしょう。回答者の約8割が国産品を頻繁に購入すると回答し、半数が同じ価格なら国産品を選ぶとしたアンケート結果もあります。

 こうしたトレンドから注視すべきなのは、「日本ブランドは大丈夫だろうか?」という懸念。高品質で洗練された「ジャパンプレミアム」は不滅だとあぐらをかいていたら、品質もデザインも企画力も一気にレベルアップさせてきている中国(国産)ブランドに駆逐されてしまうかも…とまとめながら心配になってきました。

文責:コンサルタント 大亀浩介

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新着コンテンツ一覧
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◆二線級都市へ昇進、急成長続く「貴州省・貴陽」(7)
 ~【大西門商圏】 地場の星力集団が主導

 大西門商圏には恒峰歩行街、星力百貨瑞金店、匯金星力城、市西濵河商業街などの商業施設が集中している。百貨店、ショッピングモール、歩行者ストリートなど業態は様々で、ターゲット消費者もそれぞれ異なる。大衆的なものから中高級店まで幅の広さが特徴といえる。星力集団は大西門商圈で大きな影響力を持つ。恒峰步行街を除く上記3つは全て星力集団傘下の商業施設だ......

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◆二線級都市へ昇進、急成長続く「貴州省・貴陽」(6)
 ~無印良品貴州1号店が進出

 亨特国際広場は貴陽の商業発展にとって大きな意義を持つ。カルフール1号店、スターバックス1号店、無印良品1号店、ユニクロ1号店、H&M1号店などが集結。貴陽最先端のモールと言っても過言ではない 。化粧品ブランドでも強みを発揮している。2017年にはランコムのコンセプトストアがオープン。これは成都に次ぐ西南地区2店目の出店となる......
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◆二線級都市へ昇進、急成長続く「貴州省・貴陽」(5)
 ~老舗商圏【大十字商圏】と新旧交替が進む【大南門商圏】

 噴水池のある中華路を南に1キロメートルほど下ったところにあるのが大十字商圏。ここは貴陽でも歴史ある古い商圏だ。中華路と中山路の交差点にある大きなアーチ型の歩道橋がその名の由来だが、噴水池同様に、この歩道橋も2015年末に撤去されて今はもうない......

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◆二線級都市へ昇進、急成長続く「貴州省・貴陽」(4)
 ~南国花錦 貴陽のトレンド中心地

 噴水池商圏でもう一つ代表的な商業施設が南国花錦だ。 貴陽国貿集団傘下の商業施設で、開業は2008年。面積は国貿広場とほぼ同じだが、コンセプトは完全に異なり、若者向けのファッションブランドが主体だ。2018年には香水の「Jo Malone」、イギリス発の「superdry」、カジュアルブランド「FILA Fusion」などが貴州初進出を果たすなど、個性的なテナントが並んでいる......

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新着統計データ一覧
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※下記の統計データを閲覧するには「中国マーケティングEC会員」のログインIDとパスワードが必要ですが、現在は「無料」で公開しています。

◆配車アプリのユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点において、配車アプリでタクシーを呼んだことのある人の数は3.37億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2926.pdf

◆ライブ配信サービスのユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国のライブ配信サービスのユーザー数は4.33億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2925.pdf

◆ネット動画のユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国のネット動画ユーザー数は7.59億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2924.pdf

◆オンラインゲームのユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国のオンラインゲームのユーザー規模は4.94億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2923.pdf

◆インターネット文学のユーザー規模と利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国のインターネット文学ユーザー数は4.55億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2922.pdf

◆音楽配信サービスのユーザー規模及び利用者の割合(2019年6月時点)

 CNNIC(中国互聯網絡信息中心)が公表した第44回インターネット発展報告によると、2019年6月時点における中国の音楽配信サービスのユーザー数は6.08億人......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2920.pdf

統計データ一覧はこちら >> 
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=NewAll&Class2=29

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お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2019年10月号(vol.68)発行

 会報誌10月号(vol.68)では、巻頭特集で「国潮」ブームを取り上げました。「国潮」とはすなわち、その文言のとおり、「中国+潮流」の造語のです。

 当初、中国のデザイナーが立ち上げたストリート系のファッションブランドのことを指していました。その後、中国の伝統的な要素をデザインに含む製品全般に対して用いられるようになり、現在では中国製または中国産、つまり「メイド・イン・チャイナ」の良質なブランド全般を意味し、かつ再評価する風潮を指すようになっています。

 ファッションからグルメ、コスメ、家電、文創(文化「カルチャー」+創造「クリエイティブ」の造語)まで、中国ブランドの台頭は各業界の共通したトレンドとなりつつあります。1927年設立のスニーカーブランド「回力(Warrior)」が国際的なファッションウィークのランウェイに登場。中国版ミルキー「大白兔」はコスメブランドとのコラボによるリップクリームや香水を発売するなどです。

 「非遺(※「非物質文化遺産」の略で無形文化遺産の意)」が人気ワードとなり、伝統的な刺繍を施したパーカーを来た若者を街で目にするようになりました。新しい「国産品(※中国語で「国貨」)」の波は想像を遥かに超えた一大ムーブメントとなりつつあります。

 微信(ウィーチャット)の朋友圏(モーメンツ)で「国潮」関連の投稿を目にする機会も増えています。国産品を買い、国産品を使い、国産品を友人たちに見せびらかすことは、中国の若者の新たなライフスタイルとなりました。そんな彼らのことを巷では「国潮青年」と称しています。

 こうした若者を中心に中国国産ブランドや製品を再評価し、かつ愛用し始めた中国において、日本含む海外ブランドはどう立ち向かっていくべきなのか。スマートフォン(スマホ)や家電など国産ブランドがすでに大きくシェアを伸ばしている分野だけでなく、これまで海外ブランドが強かったコスメや食品などでも「国潮」と称したブランドや老舗店舗が勢いを増しています。

 こうした中国の“国産偏重”トレンドは、近い将来、日本企業(ブランド)にも脅威となりうる可能性を秘めています。高い品質やデザイン性など「ジャパン・プレミアム」として高評価の日本企業ですが、こうしたトレンドの変化はウォッチしておく必要があります。そうした日本企業に対して警鐘を鳴らすためにも、今回徹底的に調査・分析しています。

 次にトレンドウォッチとして、ビジネススーツやシャツをメインとするオーダーメイド服のスマホアプリビジネスの現状に迫りました。

 収入や生活水準の上昇に伴い、中国の消費者の嗜好は「ロゴ(ブランド)信仰」を経て、クオリティ重視へと回帰しつつあります。なかでも特に「個性」を重視する若年消費者の間では、マイナーなデザイナーズブランドが人気を集め、オーダーメイドブランドも注目を浴びています。

 中商産業研究院の統計によると、2013年以降、中国アパレル業界におけるオーダーメイド製品市場の年間成長率は22.9%で、市場規模は13年の600億元から2017年には1,371億元にまで成長。光大証券の予測では、2020年には2,000億元前後に達すると見込まれています。

 かつて、オーダーメイドと言えば、ハンドメイドで高級な生地を使用し、価格も高いイメージが強かったでしょう。ビジネススーツなら1万元(約15〜16万円)以上、高いものだと数万元にもなり、高所得者の特権といっても過言ではありませんでした。

 そうした中、多くの業界でネットを介した業態が続々と登場し、スマホを活用したスマート化も進みました。また消費者のニーズに応じて生産する「C2M(Customer to Manufacturing)」的な「柔性製造(フレキシブル・プロダクション)」といった技術革新も進展しました。

 このような環境の変化を背景に、ビジネススーツ業界でもスマホを介した「イージーオーダー」アプリが相次いで登場。庶民でもオーダーメイド製品を気軽に手に入れられるようになりました。

 スマホから注文すると専門スタッフが自宅(オフィス)まで訪問、採寸してくれるサービスが話題となり、すでに100万人の顧客を有するアプリも登場。実際に自らもスーツを一着新調した経験も交えながら、この新しいビジネスモデルについて紹介しています。

 業界研究では、中国越境EC(電子商取引)をピックアップしました。中国経済の急成長による生活水準の向上、海外への留学や旅行の増加、さらには海外からの文化や流行の流入などに伴い、よりハイクオリティな外国商品を求める消費者が増えています。

 またより良いモノやサービスを欲する「消費昇級(アップグレード)」トレンドも中国全土で広がる中、こうしたニーズを満たすプラットフォームとして、越境ECの発展は目覚ましいものがあります。海外ブランドにとっても、自国に居ながらして中国消費者に直接販売できることから、多くの日本企業も注目していることでしょう。

 2013年以降、急拡大を続ける中国の越境EC市場規模。電子商務研究中心が公表した「2018年度中国輸入越境EC発展報告」によると、2018年にB2B、B2C、C2C、O2Oなどの形式で行われた越境取引の規模は、前年比26.7%増の総額1兆9,000億元に達したもよう。越境ECを頻繁に利用する人の数は、2018年12月末時点で前年比34%増の8,850万人だったようです。

 また中国調査会社の艾媒諮詢(iiMedia Research)も、「2019上半期中国越境EC市場研究報告」で、中国の海外通販ユーザー規模は2020年に2.11億人を突破すると試算しているなど、さらなる拡大が見込まれる中国越境EC市場。一方で今年9月に、越境EC市場シェアの半分を二分してきたアリババ系天猫国際(Tモールグローバル)による網易考拉(ネットイースコアラ)の買収のニュースは業界内外に大きな驚きを与えています。この買収の目的とは?

 中国政府も越境EC市場の発展をサポートする政策を相次いで発表。沿岸部の大都市から内陸部の地方都市にまで広がりを見せる同市場の現状と今後の動向について調査・レポートしています。

 そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2019年10月号(vol.68)  もくじ
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【巻頭特集】中国国産ブーム「国潮」を徹底解剖
国産を好む若者が急増中!
「国潮青年」が生む消費のニュートレンド

【トレンドウォッチ】オーダースーツアプリ
自宅にいながら各種アパレルをオーダーメイド
オーダースーツも「訪問」採寸+販売の時代に

【業界研究】中国越境EC業界
アリババのコアラ買収でどうなる?
中国全土に広がる越境EC市場

【マーケティングレポート】ナマケモノたちの家①
スマートスピーカーが話しかけてきた

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