中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!

【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第397号】~イヌの散歩まで対応するバイク便「閃送」が急成長~

中国市場・業界・企業・消費の「いま」を徹底調査&分析
「キャスト中国ビジネス」中国マーケティングEC会員コース
http://www.cast-marketing.com/

===============================
2019年12月4日 毎週水曜日配信・無料
【キャスト中国市場インサイトメルマガ 第397号】
===============================

 こんにちは。キャストの大亀です。

 「潮汕」と聞いてピンと来る人はどのくらいいるでしょうか。これは「潮州」と「汕頭」という福建省にほど近い広東省東部の2都市の総称です。前者は潮州料理が有名ですが、スワトウとも呼ばれる汕頭は、改革開放都市として深センや厦門とともに選ばれながら、知名度的にパッとしないのが現状でしょう。

 しかし汕頭の名を中国全土に知らしめた料理が2014年ごろから人気となります。それは「牛肉火鍋」です。単に牛肉を入れただけの鍋ではあるのですが、その牛肉が新鮮かつ色んな部位を味わえるのが一番の特徴です。

 元々古くから屠畜場があった関係で、コールドチェーン物流網が整備されていない時代から、地元では食肉加工処理されたての牛肉や肉丸(肉団子)が食されていました。その名残から、冷凍なしで冷蔵のまま流通させた新鮮な牛肉の火鍋が人気となり、汕頭発で全国に広がりました。

 私も現地で食べたことがありますが、「牛肉ってこんなに美味しかったのか」と改めて感動したものです。その汕頭式牛肉がなんと盒馬や叮咚などのネットスーパーで販売が始まりました。上海でもご自宅で汕頭火鍋、ぜひともトライしてみては???

 以下、ご参考までに。2017年6月7日付けのメルマガです。

【第273回】 広東グルメの大定番、新鮮さが売り
汕頭で味わう本場の「牛肉火鍋」
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=1968

 今週のコラムは急成長する同一市内「ピアツーピア(一対一)」バイク便「閃送」についてです。では、中国市場インサイトメルマガ第397号をお送りいたします。

================================================================

【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第397回)
   ◆「今すぐ私だけ」の宅配ニーズに対応
     ~イヌの散歩まで対応するバイク便「閃送」が急成長~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2019年11月号(vol.69)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
コラム
■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第397回)

◆「今すぐ私だけ」の宅配ニーズに対応
 ~イヌの散歩まで対応するバイク便「閃送」が急成長~

 ネット通販から出前、ネットスーパーと「宅配」なしでは成り立たなくなりつつある中国の都市生活。つい10年ほど前は、日本を学んで“追いつけ追い越せ”だった中国の宅配ですが、もう今やずっと何年も先を行っていると言って否定する人はいないでしょう。

 このメルマガでも何度も取り上げていますが、最近の宅配は単なる「モノ」の配送から「コト(体験)」へと広がっています。マッサージやネイルから家事代行、エアコン清掃、床のワックスがけ、オーダースーツの採寸、調理、家庭教師など数え上げてもきりがないほど。

 このように自宅に居ながらスマホ一つで各種モノやサービスが消費できる世の中になった中国で、近年急成長している物流分野があります。それは「即時配送」、いわゆるバイク便です。同一市内限定で、配送は一対一。つまりあなたと送り先の宅配のみに対応する「ピアツーピア」型の宅配サービスのこと。

 これまでの物流はあくまでも複数のオーダーをひとまとめにして対応するのが当たり前です。しかしその場合、どうしても配送を依頼して届くのに早くて翌日になるのが一般的です。それが「今すぐ」のせっかちで、かつ「私だけ」のわがままなニーズに対応する宅配サービスができてしまうのが、また中国のすごいところです。

 この即時配送市場は2015~16年にかけて前年比100%前後の急成長をはじめ、18年の受注件数は134億件で、市場規模は981億元に達しているもよう。その最大手が2014年に北京で設立された「閃送(FlashEx)」。現在のカバー範囲は全国222都市にまで拡大。ユーザー数は1.38億人超。配送スタッフは70万人以上で、1日の平均受注件数は60万件を超えるとのこと。

 実際に誕生日ケーキをお店から自宅まで届けてもらうのに利用しましたが、配送時間から接客、さらにはケーキの取り扱いなど「完璧」。値段も16元(約240円)でかなりお得。宅配で最も多いのはビジネス文書や資料などで、食品や生花、ギフト類が続くようですが、最近ではイヌの散歩やネコの世話、大型ゴミを下まで運んでほしいといった変わったニーズもあるとか…。

 風邪でダウンしたときや高齢者のちょっとした介護など、色んなニーズが生まれそうです。こうしたところからも新規ビジネスのヒントを掴むことができるかもしれません。

文責:コンサルタント 大亀浩介

バックナンバー一覧はこちら >> http://www.cast-marketing.com/okamekosuke/

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
新着コンテンツ一覧
■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

※下記コンテンツの全文を閲覧するには「中国マーケティングEC会員」のログインIDとパスワードが必要です(一部お試し閲覧除外記事あり)。「フル/法令/Q&A会員」のログインIDとパスワードではログインできません。(お試しID発行 >> http://www.cast-marketing.com/trial/)

◆ネットスーパーの新業態~生鮮ECアプリ (4)
 ~【叮咚買菜】29分以内に配達、ネギもおまけ

 叮咚買菜は2017年4月に上海で運営をスタート。利便性の高さが強みの買物アプリだ。「モバイル注文+前置倉庫発送+時間内配達」というモデルで、「最低消費ゼロ、配達料ゼロ、29分以内配達」を謳い文句にしている。 アプリを開くと、200種以上の野菜に加え、40種以上の豆製品、100種以上のフルーツなどが並んでいる。肉や家禽類も200種近く、海産物も約100種あり、調味料やスナック、乾物、生活用品なども扱っている......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=2997

◆ネットスーパーの新業態~生鮮ECアプリ (3)
 ~主流は「前置倉庫」モデル

 現在、短時間での配達をウリにしているオンライン野菜市場の運営モデルは主に二つある。一つは自営の前置倉庫型。そしてもう一つはプラットフォーム型で、配達を第三者が担当するモデルだ。前置倉庫は、住宅エリアの近くに設置された小型の生鮮倉庫のこと。注文が入ると商品はこの倉庫から配送される。美団買菜、叮咚買菜、毎日優鮮などはこの方式を採用。盒馬もこの前置倉庫型の一種と言えるが、店舗として併用している部分が前者とは異なる......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=2996

◆ネットスーパーの新業態~生鮮ECアプリ (2)
 ~生鮮ECを選ぶ若年消費者層

 ホワイトカラーの多くは平日に勤務している人がほとんどで、お店で野菜を買う時間があまりない。退社時にはお店が閉まっている場合もあり、開いていたとしても新鮮な野菜がほとんど残っていないケースもある。これが生鮮EC(電子商取引)の人気の背景とも言えるだろう......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=2995

◆ネットスーパーの新業態~生鮮ECアプリ (1)
 ~盒馬に挑む「叮咚買菜」と「美団買菜」

 近頃、上海では「叮咚買菜」(以下、叮咚)という生鮮EC(電子商取引)アプリが話題を呼んでいる。各地の居住エリアで大規模な広告を展開。「最低消費ゼロ、配達料ゼロ、29分以内に配送、ネギ1本でもOK」というキャッチフレーズが、人々に強烈な印象を与えた......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング・EC会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=2994

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
新着統計データ一覧
■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

※下記の統計データを閲覧するには「中国マーケティングEC会員」のログインIDとパスワードが必要ですが、現在は「無料」で公開しています。

◆中国における健康食品のオンラインチャネル売上及びシェア(2018年)

 2018年、中国における健康食品のオンラインチャネル売上は約821億元で、前年比32.8%の成長を記録した......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2977.pdf

◆中国の健康食品市場の品目別シェア(2018年)

 ユーロモニターの統計によると、2018年にはビタミン及び栄養補助食品の市場シェアが54.3%で、健康食品市場最大となった......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2976.pdf

◆中国の健康食品市場規模(2018年)

 ユーロモニターの統計によると、2018年の中国の健康食品市場の規模は2,575億元で、前年比8.4%の成長を記録した......

(詳細はこちら)
http://www.cast-marketing.com/_file/MarketingReport/PDF_File_2975.pdf

統計データ一覧はこちら >> 
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=NewAll&Class2=29

■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
お知らせ
■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

◆会報誌「中国消費洞察」2019年11月号(vol.69)発行

 会報誌11月号(vol.69)では、巻頭特集で「抖音(ドウイン)」を取り上げました。2018年頃から中国を席巻しているショート動画(短視頻)ブーム。なかでも日本では「TikTok(ティックトック)」で知られる抖音は、圧倒的な人気を誇るアプリです。

 これまでにも大量の流行語や流行音楽、さらには多くの「網紅」(ワンホン ※ネットで人気の)商品を生み出してきた抖音。同社のデータによれば、18年12月時点の中国国内のデイリーアクティブユーザー数は2.5億人を突破。月間アクティブユーザー数は5億人に達したとのこと。19年7月の最新データでは、デイリーアクティブユーザーが3.2億人と、利用者は今も増え続けています。

 この大流行に便乗し、抖音をマーケティングに利用する企業も増えています。大手ではスポーツブランドのアディダス、国産スマートフォン(スマホ)の小米(シャオミ)、人気火鍋チェーンの海底撈など。マイナーなところでは十数元の香水から、ミルクティー、アイスクリームブランドまで様々。

 その影響力は微信(ウィーチャット)や微博(ウェイボ)を凌ぐほどに。中国で最近「二微一抖」と称される微信、微博、抖音の3アプリは、今や中国のニューメディアマーケティングの常識と目されるようになりつつあります。

 文字や静止画像を利用する従来型の方式に比べ、ショート動画を用いたSNS(ソーシャルサイト)形式の抖音は、若者の今を反映しやすいというメリットがあります。

 微信のオフィシャルアカウント同様に、抖音でも企業の公式アカウントの制度「企業藍V認証」を18年6月からスタート。ショート動画を通じて、よりダイレクトにブランドイメージや商品の良さをアピールするだけでなく、ショッピングカートや微信上で動く小程序(ミニプログラム)との連動のほか、ユーザーやトラフィックの分析などもできるようになりました。

 18年4月号ですでに特集を組んだ抖音ですが、今号では、企業としていかに活用するかという観点から再度調査・分析しています。今や中国での成功に欠かせない「網紅」の“製造マシン”として抜群の威力を持つ抖音について、まずは人気コンテンツの作成法として、数ある成功例から7つの法則を編み出しました。

 次に、インストリーム広告、オープンスクリーン広告、ステッカー広告、BGM広告、挑戦コンペ企画、網紅・達人との提携などの広告・宣伝方法。そして企業公認アカウント「企業藍V認証」の特典と申請方法(条件)。さらには活用法として、POI(Point of Interest)、ポップアップストア、ショッピングカート、抖音版ミニプログラムについて、抖音の運営代行会社の業務内容とともにまとめています。

 業界研究では、物流業界の新しい分野として最近注目度アップの「市内即時配送」について。ネット通販から出前、生鮮品などの「モノ」から、家事代行やネイルなど「コト」へと配送のカバー範囲を拡大している中国の宅配業。スマートフォン(スマホ)一つで「いつでも、どこでも」消費できるライフスタイルが日常に深く浸透し、そのニーズはさらに高まり続けています。

 そうした中、近年特に同一市内に限定したピアツーピア(P2P:個人間)タイプの市内即時配送が急拡大中。経済が発展した都市部で慌ただしい生活リズムを強いられ、お金よりも時間を優先する社会風潮が広まる中、多少お金を余分に払ってでも時間を節約したい——という人たちが増えています。

 こうした中国人のライフスタイルの変化を背景に、物流業界のニッチなニーズを見事にとらえた市内即時配送。今すぐ何かを届けたい・届けてほしいというニーズを、集配センターを通さず、かつ他のオーダーとの重複なしで「一対一」で対応。ビジネス関連の文書や証明書類、食品、生花、ギフト類の宅配のほかに、イヌの散歩やネコの世話など変わった依頼も出てきているようです。

 この分野のリーディング企業である「閃送(FlashEx)」。2014年に北京で設立されて以来、サービスの提供カバー範囲は全国222都市に拡大。ユーザー数は1.38億人超で、配送スタッフは70万人以上。1日の平均受注件数は60万件超えで、アクティブユーザー数は前期比58.9%増と急成長中の注目企業です。

 今号では、閃送の費用基準やシステム、配送スタッフの管理、給与及びインセンティブ体系などの詳細に触れながら、中国物流業の新しい市内即時配送市場の現状と今後の動向について解説しています。

 トレンドウォッチでは、中国の“白髪”世代について。2018年に65歳以上の人口が1.66億人に達し、高齢化社会が急速に進む中国。2050年には65歳以上の高齢者の割合は26%に達すると予想されています。

 一方で、高齢者人口の増加に伴い、「シニア経済」の潜在性に大きな注目が集まっています。全国老齢工作委員会が公表した「中国老齢産業発展報告」によると、2014~50年の期間、中国における高齢者の消費規模は4兆元から106兆元に激増。GDPに占める割合も33%に達する見込みとのこと。今、中国は高齢者産業の潜在性が最も高い国と言えるでしょう。

 改革開放政策による経済成長の恩恵を最も享受してきたシニア層は、心理的にも身体的にも若々しく、以前の“老人”とは一線を画しています。経済的余裕があり、価値観もよりオープンなのが特徴。消費の面でもより高いクオリティ、より良い消費体験やサービスを求め、スマート化、デジタル化した製品にも興味津々。ネット通販やスマホ決済を使いこなす高齢者も増え続けています。

 高齢者向けのアプリも多様化が進み、ソーシャルメディアの影響力も高まっています。シニア層のモバイル利用状況の把握は、シニア向けマーケティングにとって欠かすことのできない重要なステップになりつつあります。

 そこで、今号では中国のモバイル関連ビッグデータ研究のMob TechとQuest Mobileの両社が発表した「銀髪族」(※中国語で「銀髪」は「白髪」の意)と称される45歳以上のミドル及びシニア層のスマホユーザーを対象にした調査レポートをピックアップ。この両社の報告書をもとに、中国の45歳以上の“白髪”世代のスマホ利用状況と彼らの好むアプリについて詳細に分析しました。

 そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
会報誌『中国消費洞察』 
2019年11月号(vol.69)  もくじ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

【巻頭特集】人気ショート動画アプリ「抖音(TikTok)」
毎日3億人が閲覧する巨大メディア
「抖音」の作成から活用、広告まで徹底解説
 ~今や中国での成功はいかに“網紅(ワンホン)”になるかにかかっているが、その“生みの親”として圧倒的な影響力を誇る「抖音」の活用方法とは???

【業界研究】中国物流の新潮流「市内即時配送」
食品や生花からゴミ捨て、犬の散歩まで
1対1の同一市内個別宅配で急成長の「閃送」
 ~何でもかんでも「宅配」が当たり前となった中国で、今新しい物流サービスが人気となっている。その正体とは???

【トレンドウォッチ】中国ミドルシニア層の消費実態
モーメンツやTikTokも大好き!!
中国“白髪”世代のスマホ利用状況大調査
 ~中国で「銀髪(白髪)」世代とされる45歳以上のミドルシニア層のスマホ利用状況と彼らの好むアプリとは??? 

【マーケティングレポート】ナマケモノたちの家②
スマピ、出前、ペット それ本当にモノ消費?
 ~スマピ=コト、宅配=モノ、ペット=コト消費?と一見無関係な3分野だが、果たしてどこに共通点が…。

※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Periodical

────────────────────────────
【中国マーケティング・EC会員コース クイックリンク】
────────────────────────────
■サービス詳細 >> http://www.cast-marketing.com/service/
■お試しID発行 >> http://www.cast-marketing.com/trial/
■お問い合わせ >> http://www.cast-marketing.com/inquiry/

pageTop