中国ビジネスをマーケティング視点から再構築しよう!
「キャスト中国ビジネス」中国マーケティング&データ会員コース
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2021年9月29日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第489号】
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こんにちは。キャストグローバルの大亀です。
2~3年くらい前から人気のインスタント火鍋。レトルト袋に入ったスープと、密封包装の具材を器に入れ、二層構造の下の方に発熱剤を置いて水を注ぐと、ものの5分くらいで熱々の湯気が吹き出る火鍋が完成。中国で近年広がる「お一人様」や「怠け者」経済など消費トレンドの象徴にもなっています。
中国でも大人気の博多ラーメンの一風堂。中国では豚骨だけでなく、醤油や味噌ラーメンもメニューにあり、さらにはお好み焼きやポテトフライ、うなぎ丼なども提供。もはやラーメン店というよりは、一種のファミリー居酒屋レストランと化しています。
一風堂、もちろん外売(フードデリバリー)にも対応しているのですが、外売向けのラーメンに、なんとこの発熱剤を活用。インスタント火鍋と同じようにスープと具材を器に入れ、発熱剤に水を注ぐと、5分くらいでお店と同じように熱々のラーメンが自宅でも食べられるのです。
外売でいつも困るのが麺類。麺好きの私は、外売のアプリでつい麺を注文してしまいます。麺とスープを分けた包装ながら、到着する頃には必ずと言っていいほど“のびた”状態でやってきます。それを見事に解決してくれた一風堂。外売でも熱々の美味しいラーメンを食べてほしいという“熱い”思いがひしひしと伝わってきます。
今週のコラムは、会報誌9月号で取り上げた動画配信・共有サイトのbilibili(ビリビリ)についてです。では、中国消費洞察メルマガ第489号をお送りいたします。
※次週の当メルマガは国慶節休暇のため休刊とさせていただきます。次号の配信は10月13日の予定です。
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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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上海を中心に現地から中国消費&マーケティング情報を随時アップデート。
2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。
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【目次】
1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第489回)
◆日本企業も積極活用を検討すべし!!
~若者への訴求には必須のツール??動画サイト「bilibili」~
2. 新着コンテンツ一覧
3. 新着統計データ一覧
4. お知らせ
会報誌「中国消費洞察」2021年9月号(vol. 87)発行
(詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/
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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第489回)
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【第489回】 日本企業も積極活用を検討すべし!!
~若者への訴求には必須のツール??動画サイト「bilibili」~
会報誌9月号で、動画配信・共有プラットフォームの「哔哩哔哩(bilibili)」を取り上げました。2010年に「bilibili」という名で誕生。もちろんその存在はずっと知っていましたが、正直、馴染みが深いとは決して言えません。
bilibiliと聞いてすぐに思い浮かぶのは、アニメ動画です。初音ミクなど日本のアニメや漫画、ゲームなど「二次元」と称される類が好きな方々が多く集まる動画サイトのイメージです。プロによる二次元だけでなく、同人誌やコスプレなど、素人のアニメオタクが交流する場にもなっているのでしょうか。
実際にbilibiliを訪れると、その多くの動画に「弾幕」と称される視聴者からのコメントが、画面上にたくさん流れてきます。まさに日本のニコニコ動画と同じ仕組み。私自身、アニメやゲームとはほとんど無縁なので、bilibiliを愛用することはありません。
先日上海で訪れた「Manner Coffee」。最近上海の至るところで見かけるようになった新興のコーヒースタンドチェーン店です。ラッキンコーヒー同様に、注文はスマホからのみ。QRコードを読み込もうとパネルを眺めると、そのコードの横にフォローを促すプラットフォームのロゴがあります。
微信(ウィーチャット)に微博(ウェイボー)、淘宝(タオバオ)、さらにはインスタグラムまであります。最近ではソーシャルコマースの小紅書(RED)もあるケースがありますが、なんとそこにbilibiliのロゴも掲載されています。企業やブランドの情報発信プラットフォームとして、いよいよbilibiliもその名を連ねるようになったのかとびっくりしました。
また別のモールでは、ベルギー発の高級チョコレートのゴディバ店で、bilibiliとのコラボ企画を宣伝するパネルも目にしました。一昔前のブラウン管テレビのようなキャラクターと可愛いアニメ少女が、ソフトクリームなどを宣伝しています。
前号の中国新消費ブランドで取り上げた、無糖フレーバー炭酸水の「元気森林」。ターゲット層である若者を意識して、“日本式”を前面に出しながら、bilibiliでのプロモーションを設立当初から積極展開し、見事メジャー化に成功しています。
このように、bilibiliが単なるアニメサイトから、Z世代含む中国の若者を取り込むために欠かせないマーケティングツールになりつつあるのではないか?という思いを強く抱くようになりました。私にとっては馴染みのないbilibiliですが、その実態とともに、日本企業にとって把握・活用すべき点はなにかについて、調査・分析してレポートすべきと感じた次第です。
バックナンバー一覧はこちら >> http://www.cast-marketing.com/okamekosuke/
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■新着コンテンツ一覧
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◆アフターコロナの中国消費分析レポート(7)
~複数のアプリから情報収集 SNSからコンバージョン
ソーシャル(SNS)メディアの重要性も高まっている。若年消費者は、ソーシャルメディアを通して自身のキャラクターを設定し、情報のシェアや交流などを行う。またソーシャルメディアや微信のモーメンツ(朋友圏)などの影響も受けやすい......
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◆アフターコロナの中国消費分析レポート(6)
~高級ブランドもOMOの波が 接客もデジタルツール活用
消費者はネットでデザイナーやブランド、商品情報に関する情報を取得し、流行のコーディネートを学び、最終的にオンラインとオフラインのどちらかで商品を購入する。様々な場所で「種草(ジョンツァオ)」の影響を受け、購入場所も多岐にわたっている。各種販売チャネルの融合性がますます高まりつつある......
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◆アフターコロナの中国消費分析レポート(5)
~高級ブランドのデジタル化進む 微信、抖音、小紅書を活用
現在、150を超える国際的高級ブランド品ブランドが天猫で旗艦店を運営している。ブルガリ、カルティエ、プラダなどはその一例だ。微信(ウィーチャット)のミニアプリ(小程序)商城(EC)や、微信のエコシステムを活用したソーシャルコマースも、高級ブランド品の新たな販売チャネルとして定着しつつある......
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◆アフターコロナの中国消費分析レポート(4)
~国内の免税市場に熱視線 海南島の免税品売上急増
「旅行+免税」を特色とする海南省も、離島の免税政策をアップグレード。旅行者招致の努力を続けている。7月1日から、海南省の離島への旅行者の毎年の免税限度額を10万元に引き上げ、商品1件当たり8,000元の免税限度額を取り消した......
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◆アフターコロナの中国消費分析レポート(3)
~コロナでも衰え知らずの消費力 中国高級ブランド市場の急成長
中国消費者の海外での高級ブランド品消費が、一時は国内を含めた消費全体の7割を超えたこともあった。しかしコロナの流行で海外旅行が制限され、海外での“爆買い”ができなくなった。海外のコロナの状況も好転せず、物流が滞り、海外通販(越境EC)も困難になるにつれ、高級ブランド品消費の国内回帰が始まった......
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◆アフターコロナの中国消費分析レポート(2)
~消費回復の二大注目ポイント 高級ブランド品とEコマース
消費分野で、最も注目に値するのは高級ブランド品とEコマースだ。世界の高級ブランド品市場が惨憺たる状況なのに対して、中国では新型コロナウイルスの影響で海外旅行や旅先での“爆買い”ができなくなった消費者が、その矛先を国内に移した結果、国内の高級ブランド品市場が活況を呈している......
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◆中国動画市場規模
極光大数据(Aurora Mobil)の統計によると、2021年の第1四半期における1人あたりの1日平均アプリ使用時間のうち、ショート動画が29.6%とトップシェアを更に更新......
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◆中国の主要EC企業のGMV(商品取引総額)及びユーザー数比較
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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2021年9月号(vol. 87)発行
会報誌2021年9月号(vol. 87)では、巻頭特集で動画配信・共有プラットフォームの「哔哩哔哩」(bilibili・ビリビリ)を取り上げました。
中国の消費市場で、ますます主力層として存在感を増す「Z世代」。中国では一般的に1995~2009年生まれの若者を意味します。中国統計局の統計データによると、現在中国のZ世代の人口は2.6億人を突破し、総人口の約19%を占めているもよう。2021年の中国Z世代の消費支出は、5兆元を超えるとも試算されています。
この驚異的な消費力と旺盛な消費意欲により、Z世代は企業にとって新たな重要ターゲット層となりつつあります。インターネットの時代に生まれ育った彼らは、メディアに対する態度も、以前の世代の消費者層から大きく変化。Z世代といかに意思疎通を図るかが、今後、企業のマーケティングの大きな課題といえるでしょう。
数多に存在するメディアのなかでも、Z世代を中心とした若者に特に強く支持されているbilibili。中国で「B站」(Bサイト)と称されるbilibiliは、今まさに多くの企業が注目するマーケティングの舞台となっています。
多くの人が、bilibiliと聞いてまず思い浮かべるのは、日本のアニメや漫画などの動画配信サイトでしょう。2009年の運営開始当時、中国語圏でアニメ(Anime)、漫画(Comic)、ゲーム(Game)の文化を反映した「2次元」の総称であるACGコンテンツの制作と配信を中心に行っており、ユーザーもアニメオタクを主体としていました。
しかし12年の時を経て、現在は音楽、ダンス、デジタル、生活、グルメ、鬼畜(音MADのことで、音楽をベースに既存動画を再加工した疾走感ある動画のこと)、ファッション、映画などの領域に対象範囲を拡大。業務も単なるコンテンツ制作からライブ動画の配信やゲーム、Eコマースなどへと拡がりを見せています。
現在コンテンツは、7,000あまりのジャンル、200万以上のカルチャーキーワードに及び、中国Z世代の好みやニーズを強く反映したものとなっています。当初のマニア向け二次元サイトから、中国の若年層が高度に集中するカルチャーコミュニティ兼動画プラットフォームへと急成長を遂げました。
中国調査会社のクエストモバイルが2019年に公表した「Z世代が支持するアプリトップ20」及び「Z世代が支持するエンタメアプリ」でのランキングでも、bilibiliがトップに。同社の出資公募書類によると、Z世代ユーザーの割合は81%に達し、ユーザーの平均年齢は21歳前後。Z世代が成人し、購買力や消費意欲が高まるのに伴い、bilibiliの影響力は今後、さらに高まっていくことが予想されます。
若者を中心に影響力を強めつつあるbilibili。今号では、同社のこれまでの発展経緯を振り返るとともに、その特色や強みにスポットライトを当てました。また中国で事業を展開する企業にとって、今後bilibiliを通じていかにZ世代の消費者にアクセスするべきかについても考察しています。
次に、新たなテーマの「注目企業ピックアップ」で、前号で取り上げた中国新消費ブランドの中から注目企業をピックアップして紹介していきたいと思います。まず第一弾は、高級ティーバッグブランドの「CHALI(茶里)」です。
今から30年ほど前に、中国に進出したイギリスのリプトン(立頓)。ティーバッグ(茶包)が中国に普及するきっかけとなりましたが、1個0.1元(約1.7円)という低価格が、ティーバッグは安くて質が悪いというレッテルを貼る結果も招きました。
2014年頃から、ネスプレッソのようなカプセル入り高級茶葉ブランドの「小罐茶」(XIAO GUAN CHA)が、大規模な宣伝・マーケティングを展開。世間から多くの注目を集めましたが、気軽に楽しめるティーバッグ市場では、“安かろう悪かろう”の傾向が続いていました。
悠久の歴史を誇る中国の茶文化。しかし中国国内の茶市場には、一般大衆向けの大手ブランドが久しく存在しませんでした。そうした中、ここ数年のデジタル化の急速な発展に伴い、新しいタイプのティーバッグブランドが相次いで誕生。市場の空白と膨大なトラフィックを背景に急発展を遂げています。
2013年に設立された「CHALI(茶里)」は、まさにその代表的存在でしょう。CHALI(茶里)のポジショニングは、高級ティーバッグブランドで、主力商品は、テトラ型のティーバッグ。新しい商品理念やマーケティング手法、チャネル運営を導入。ティーバッグに対する安物のイメージを払拭し、新世代消費の代表的茶葉ブランドとして定着しています。
2021年の「618」(6月18日)の大型ネットセールでは、天猫(Tモール)の茶商品類、京東(JDドットコム)の花草茶類の双方で売上トップを記録。ティーバッグ業界一の飛躍を遂げました。
そこで今号では、市場環境や商品、販売チャネル、マーケティングなどの方面から、このティーバッグ業界の新消費ブランドであるCHALI(茶里)に対する分析を試みました。いかに安物のイメージが強かったティーバッグを高級品として生まれ変わらせ、若い消費者の心を掴むのに成功したかについて考察しています。
そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。
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会報誌『中国消費洞察』
2021年9月号(vol. 87) もくじ
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【巻頭特集】動画サイト「哔哩哔哩(bilibili)」調査分析レポート
二次元からエンタメ全般へと勢力拡大
Z世代攻略に不可欠の人気動画サイト「bilibili」完全解剖
【注目企業ピックアップ】新消費ブランド「CHALI(茶里)」調査分析レポート
高品質+顔面偏差値で他社と差別化!!
ティーバッグの高級化で新境地を開いた「CHALI(茶里)」
【マーケティングレポート】新ブルーカラー 完
次代の消費牽引役か アプリ利用に見る動向
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