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【中国消費洞察メルマガ 第493号】~消費市場として“浮上”した中国10億人の「下沈」市場とは??~

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2021年11月3日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第493号】
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 こんにちは。キャストグローバルの大亀です。

 上海を本拠に、深センや南京など中国の主要都市で家事代行サービスを展開する企業を訪問しました。応対してくれたのは事業戦略の責任者。物静かながらフレンドリーさ漂う男性です。

 同社の家事代行サービスの運営状況や課題、市場全体について意見交換しました。一番の課題は家事代行スタッフの募集と採用。中国では「阿姨」(アイ)と呼ばれる中年女性がスタッフの主力ですが、その多くが地方や農村出身。都市部への出稼ぎが減る中、いかに就職してもらうかとともに、サービス意識を植え付けるかも課題になっているとか。

 打ち合わせを終え、立ち話をしていると彼の身内話に。なんと1990年生まれで30歳の若者。大学卒業後アフリカに渡り、当地の経済発展や貧困脱出のために尽力したいと考えたが、色々と調査した結果、自分の生活すら維持できないほどの厳しい状況だったようで、あえなく断念。

 そして今度は中国でより多くの人の役に立てる仕事を模索したところ、地方や農村からの出稼ぎの受け皿として家事代行業に出会う。アイさんたちの経済状況や生活、さらには勤労意識の改善に少しでも役立ちたいと力強く語っており、一昔前の一攫千金の時代から大きく変わったと感心しました。

 今週のコラムは、会報誌10月号で特集した「下沈」市場についてです。では、中国消費洞察メルマガ第493号をお送りいたします。

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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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上海を中心に現地から中国消費&マーケティング情報を随時アップデート。
2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第493回)
   ◆高額消費の伸びを牽引する中国地方都市と農村!!
    ~消費市場として“浮上”した中国10億人の「下沈」市場とは??~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2021年10月号(vol. 88)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/

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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第493回)
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【第493回】 高額消費の伸びを牽引する中国地方都市と農村!!
 ~消費市場として“浮上”した中国10億人の「下沈」市場とは??~

 会報誌10月号では、巻頭特集で「下沈」市場を取り上げました。「下に沈む」と文言通りの意味を持つ下沈。1979年頃から始まる中国の改革開放政策による経済成長から取り残された三線以下の都市と農村地区のことを指します。

 “沈んでいた”と若干侮辱ともとれる地方都市と農村が、近年、小売流通現場ではホットになっています。上海や北京のほか、成都や南京、大連など各地の主要都市での消費が飽和状態に近づく中、新たなフロンティアとして“浮かび上がる”下沈。そういう意味では「下沈」ではなく「上浮」と名称を変更してもいいかもしれません。

 これまでも会報誌やメルマガで、下沈市場について幾度となく取り上げてきました。スマートフォン(スマホ)やネット通販の普及に伴い、中国で「小鎮青年」と称される地方の若者が、高額なスマホや大型の平面テレビを購入。アリババや京東の新規獲得ユーザー数のほとんどが下沈市場からで、またこうした高額消費の伸びも彼らがかなり貢献しているとも伝えてきました。

 下沈市場をターゲットに急成長した共同購入サイトの拼多多(ピンドウドウ)。超格安の値段と友人を巻き込んでモノを安く購入しようという遊び心が、地方や農村ユーザーの心を掴み、一気に急成長。今やユーザー数では、アリババと京東を抜いて、ナンバーワンになっています。

 ここで疑問なのが、どうして彼らの所得が上がっているのかでしょう。もちろん経済全体の成長もさることながら、この会報誌でも取り上げた「新ブルーカラー」、つまりライドシェアやフードデリバリーの配達員など新興アプリによる新しい雇用の創出。さらには工場や農地から直接配信するライブコマースなどの広がりが、大都市とほぼ変わらぬ所得レベルを実現させているのでしょう。

 所得増ながら、住宅や生活費などのプレッシャーも低い。さらにはキャリアや家族を養うためにあくせく働くこともなく、のんびりとした生活リズムで消費やレジャーを楽しむ小鎮青年たち。最近では「小鎮中年」という言葉も出てくるなど、高い可処分所得と自由な時間を有する地方の生活者に注目が集まっています。

 ネット系だけでなく、小売流通業から化粧品や家電などのメーカーまでもが攻略に躍起となる下沈市場。これまで何度も言及しながら、単独で特集したことはありませんでした。そこで今号では改めてこの“上浮”市場の実態について、腰を据えて調査・分析しようと思った次第です。

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◆中国共同購入サイト「拼多多」調査分析レポート(14)
 ~リピート率向上で基礎固め コミュニティ運営にも着手

 拼多多は現在、すでに中国のECプラットフォームでトップ3の地位を確立し、戦略的にも新規顧客獲得から、より多様化したユーザー運営へと移行しつつある。コスパの良さがウリの拼多多は、ユーザー1人当たりの単価では、アリババや京東と大きな開きがある......

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◆中国共同購入サイト「拼多多」調査分析レポート(13)
 ~「百億補貼」で正規品販促 コスパ戦略で大都市を攻略

 2019年6月に、拼多多は「百億補貼」(100億元助成金)キャンペーンの展開に着手。アップルのiPhoneやダイソンのドライヤーなど、ネットで人気の高い高額商品を対象に、総額100億元分の助成金を出店企業に交付した......

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◆中国共同購入サイト「拼多多」調査分析レポート(12)
 ~「扶貧助農」で貧困農家支援 中国最大の農産物ECサイトに

 設立から5年経つが、一貫して農産物のサプライチェーンの改造にも取り組んでいる。2019年には年間取引額が1兆元の大台を突破したが、そのうち、農(副)産物は1,364億元。ネット販売総額に占める割合は2017年の8.0%から34.3%に上昇し、中国最大の農産物販売サイトとなった......

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◆中国共同購入サイト「拼多多」調査分析レポート(11)
 ~「新ブランド計画」始動 C2Mでデジタル+ブランド化を実現

 従来型のEコマースのサプライチェーンと異なり、拼多多のC2M(Consumer to Manufacturer:消費者から製造者へ)モデルの特徴は、共同購入がもたらす大量の需要をベースに、サプライヤー(メーカー)側の商品開発から生産、マーケティングを変革し、さらなる低価格とブランド化を実現させる点にある......

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◆中国共同購入サイト「拼多多」調査分析レポート(10)
 ~高級化路線で大都市ユーザーも視野に 模倣品対策を徹底、規制を強化

 2017年、拼多多は400以上のブランドと合同で、反ニセモノキャンペーンを展開。1,070万件の権利侵害嫌疑商品の販売を停止。4,000万件の権利侵害リンクを解除したほか、1.5億元の消費者保障基金を設立し、プラットフォームとの出店協議書の中にも「假一賠十」(1つのニセモノ行為で10倍の賠償)という規定を書き加えた......

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■新着統計データ一覧
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※下記の統計データを閲覧するには「中国マーケティングEC会員」のログインIDとパスワードが必要ですが、現在は「無料」で公開しています。

◆中国のSaaS業界取引規模(2021年予測)

 Eコマースビッグデータベース「電数宝」によると、2021年の中国のSaaS(Software as a Service)市場規模は710.56億元、前年比45.12%増が見込まれている......

(詳細はこちら)
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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2021年10月号(vol. 88)発行

 会報誌2021年10月号(vol. 88)の巻頭特集では、ここ数年、中国の消費市場で高い注目を集めている「下沈市場」を取り上げました。下沈市場とは、地方に広がる三線都市以下の小都市や県・鎮、農村の市場のこと。具体的には約300の地級市、約3,000の県、約40,000の鎮、66万の村が含まれ、中国の面積の約95%を占めています。

 北京、上海、広州、深圳の一線都市のほか、杭州、成都、南京など二線都市の中でも上位に位置する新一線都市では、競争が激化し、消費が飽和状態に達しつつあります。これに対して、消費の新たな成長の機会を生む場として、多くの企業から熱い視線を集めているのが下沈市場なのです。

 中国でも文言の通り「下に沈む」という意味合いで、若干蔑まれているイメージすらある下沈市場ですが、近年来、人々の収入及び消費レベルが急上昇し、都市部との格差も縮小傾向にあります。中国EC市場の成長も、今やこの下沈市場の動力に頼らざるをえない状況になっており、もはや「下に沈む」から「上に浮かぶ」で“上浮”市場と名称を変更してもいいかもしれません。

 下沈市場が特に注目なのが、総人口の約7割を占める10億人を超える人口です。三線都市に35.5%、四線都市にも38.6%を占め、都市数が多い五線都市も全体の約25.9%を占めています。つまり広大な土地と人口の多さが、下沈都市の最大の特徴といえるでしょう。

 近年、より良いモノを求める「消費昇級」(消費アップグレード)トレンドが中国国内を席巻する中、下沈市場でもその膨大な人口を背景に、消費需要が急成長を持続。メーカーや小売流通企業のほか、アリババ、京東(JDドットコム)、拼多多(ピンドウドウ)など中国EC(電子商取引)大手各社も、下沈市場の開拓に躍起となっています。

 中国政府が掲げる国内外の経済の「双循環」(デュアル・サーキュレーション)発展モデルを推進すべく、政府も下沈市場の発展に注力。下沈市場はいまや国内消費の内循環システムの支柱として、中国消費市場全体の牽引役を果たしています。

 日本企業の多くは、一線・二線都市の状況はほぼ把握できていても、下沈市場に関しては、いまだ手つかずの未知の領域でしょう。下沈市場は、人々の収入やライフスタイル、仕事、文化・娯楽など様々な面で大都市とは大きく異なっています。

 下沈市場を理解することは、企業にとって、今後の発展に欠かすことのできない重要な課題といえます。そこで今号ではこれまで当会報誌でも、何度となく提起してきた下沈市場の重要性について、改めて調査・分析しています。

 次に近年若い女性を中心に急成長する代替食品市場と、中国新消費ブランドとして一気にメジャー化したダイエット用シェイク「WONDERLAB」(ワンダーラボ)を取り上げました。

 中国には芝麻糊(黒ゴマで作った汁粉)や五穀粉(穀類や豆類、漢方薬材などを粉末状にしたもの)など、いわゆる伝統的な“代替食品”が数多くあり、特に目新しい市場ではありません。そうした中、若者が健康に気をつかうようになり、“食べても太らない”代替食需要が急増しています。

 体に負担がかからず、気軽に摂取でき、低カロリー・低オイル、低GI値の「軽食・代替食」が多くの若者から支持されています。最近人気を集めているプロテインバー、糖質制限食、食物繊維パウダーなども含めて、ニーズの増加がさらに多くの新ジャンルも生み出しています。

 中国の若者は、食事でダイエットや体脂肪減少、筋肉増強など特定の問題を解決するだけでなく、健康食品を摂ることによる全面的な予防効果も期待。満腹感のある低糖・低カロリーな食生活を続けることで、「健康+美」の全面的アップグレードを実現することが彼らの目標となっているようです。

 ネット通販の淘宝(タオバオ)でも、ライトミール・代替食は食品業界のダークホース的存在となっています。2020年の天猫(Tモール)双11(ダブルイレブン・独身の日)の大型ネットセールでも、357の新規ブランドが売上トップに立ちましたが、食品では、ライトミール(軽食)ジャンルのブランドが大半を占めました。

 インスタントシリアルの「王飽飽」、人工肉など低カロリー食品の「薄荷健康」、ダイジェスティブビスケットの「ffit8」もその一例。淘宝のライブコマースであるタオバオライブ(淘宝直播)でも、ライトミール・代替食は高い人気を誇っています。

 2020年にライブコマースを行ったライトミール・代替食関連の企業数は、前年比約80%増と上昇。消費者の数も196.2%増と大きく伸びました。ライトミール・代替食のタオバオライブでの売上は2019年に175%増だったところ、2020年には262%増を記録しました。

 ここ数年は新規参入するブランドも相次ぎ、中糧集団(COFCO)、香飄飄食品、旺旺(Want Want)といった既存の食品企業大手も、シェイクやスナックなど代替食市場でのビジネス機会を窺(うかが)うなど、競争はますます激化しています。

 現時点では、大手と呼べる企業はまだ存在しない代替食品市場ですが、2019年に設立されたばかりの新興ブランド「WONDERLAB(ワンダーラボ)」が注目です。2019~2020年で4件のベンチャー資金を調達。天猫(Tモール)で女性に最も人気のボトル入り食事代替シェークに選ばれるなど、大人気となっています。

 そこで今号では、中国の代替食市場の現状を分析し、中国の若い世代が健康消費にどんなニーズを持っているのかを探りました。またワンダーラボのような新興ブランドが、どのように市場トレンドを把握し、若者の心を掴んで成長したのかについても迫りました。

 そのほか、以下のとおり、中国消費やマーケティングに関する情報が盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2021年10月号(vol. 88)  もくじ
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【巻頭特集】中国「下沈市場」調査分析レポート
10億人の巨大マーケットがいよいよ“浮上”か?
中国消費の成長を牽引する「下沈市場」完全解剖

【注目企業ピックアップ】新消費ブランド「WONDERLAB」調査分析レポート
Z世代と女性が牽引!急成長する中国代替食市場
ダイエット用シェイク「WONDERLAB」(ワンダーラボ)が大人気に!

【マーケティングレポート】注目 KEY WORD
中国版D2C「私域」①
SNS時代の王道マーケティング

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