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【中国消費洞察メルマガ 第521号】~フリーサイズブラ市場が2020年に急成長~

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2022年5月25日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第521号】
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 こんにちは。キャストグローバルの大亀です。

 3月19日から封鎖され、そのままロックダウンに突入して早2ヶ月経ちましたが、先週18日にようやく外に出られました。とはいえ、指定2日限りの外出許可で、一世帯1人、4時間のみの制限付き。家族を代表して外の世界に久々に触れてきました。

 いつも見慣れているはずの外の世界がすごく新鮮で、なおかつ空気も美味しい感じがし、解放感は半端なかったです。車一台も走っていない車道の真ん中を堂々と歩きながら、太陽、街路樹、そして鳥の鳴き声を存分に味わう…。普段気にもしなかった「当たり前」に感謝と反省でした。

 まだスーパーやコンビニが何軒か開いているだけで、あとはどこも閉店のまま。飲食店など路面店の前には鉄のフェンスも設置されており、まだ全面解除とはいえない状況ですが、歩行者やシェア自転車に乗る人たちとすれ違うだけで、なぜか心が弾みます。

 世紀公園の周りではジョギングやサイクリングしている人もいました。前回世紀公園を訪れたのは梅の花を鑑賞するためでしたが、すでに紫陽花が咲いており、2ヶ月という時間の経過を実感します。

 スーパーの店内に入り、久々にショッピングしました。食品や商品がたくさん並んでいるのを見るだけで、どこかワクワクしてしまいました。ロックダウン下では微信チャットグループによる共同購入に助けられて感謝していますが、リアルの買い物がまた復権するかもしれませんね。

 最後はシェア自転車に乗って、心地よい春の風を感じながら3時間の外出を終えました。まだ封鎖されている上海人の友人に外の様子を微信で送ったところ、今後はもう少し生活リズムもスローにしないとね!と。今回のロックダウンは多くの人に、人生とは?と考えさせられる時間になったかもしれません。

 今週のコラムは、“自分を悦ばす”トレンドを背景に急成長するフリーサイズブラ市場についてです。では、中国消費洞察メルマガ第521号をお送りいたします。

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■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
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2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

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【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第521回)
   ◆“自分を悦ばす”トレンドが消費に波及!
    ~フリーサイズブラ市場が2020年に急成長~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2022年4月号(vol. 93)発行
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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第521回)
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【第521回】 “自分を悦ばす”トレンドが消費に波及!
 ~フリーサイズブラ市場が2020年に急成長~

 景気の先行き不透明感とともに、新型コロナの影響もあり、中国で「悦己」と呼ばれる「自分を悦ばす」ための消費が注目を集めています。

 具体的には、海外どころか、省外への移動にも制限がかかる中、いまあるモノ、コト、そして行ける範囲内でいかに楽しむかが、多くの人々にとって“当たり前”のライフスタイルになりつつあります。市内の観光やレジャーを楽しむことから、近場のモールに行くとか、近所の公園で子供と遊ぶ、ジョギングする、自宅で料理するといった行為に悦びを見出す…。

 自分を悦ばせるだけで事足るわけですから、他人の目を気にする必要はありません。以前のように高級ブランド品を買って見せびらかす、海外の秘境に行って写真を投稿するといった行為が今の世相にそぐわなくなり、微信などSNS上でもジョギングや筋トレ、自炊、お洒落なカフェの写真など、さりげない生活のひと時が目に見えて多くなったように思えます。

 こうした「悦己」トレンドがアパレル業界にも波及しているのですが、それが最も色濃く反映されているのが、女性のフリーサイズブラでしょう。サイズやショーツなど下着に対するニーズが男性視点からのセクシーさではなく、自身の体験に基づいた快適さや個性の追求へと変化しつつあるようです。

 中国調査会社の魔鏡市場情報(MMI)によると、2021年の618ネットセールで、女性下着/男性下着/ホームウェア部門の予約販売で、Ubras、Bananain(蕉内)、NEIWAI(内外)という新興ブランドが売上トップ3を占めたようです。

 特に、2016年設立で、今や中国のフリーサイズブラの代表的ブランドとなった「Ubras」が、2020年に急成長し、同時に、中国の下着市場に大きな変革をもたらしました。

 Ubrasは、天猫(Tモール)での取引額が2020年に15億5,300万元となり、前年の1億7,000万元から実に900%以上増と急成長しました。2021年の天猫618ネットセールでも、取引額が前年比300%以上増の3億元を達成し、他社に大きな差をつけて、女性用下着部門でトップに立ちました。

 フリーサイズブラの主な消費者層は、中国で「85後」や「90後」と呼ばれる1985~1994年生まれ世代の女性です。また一線・二線級の大都市がメインで、高学歴の割合も高い傾向にあります。

 これまでブラジャーといえば試着が欠かせず、ネットでの販売が難しいジャンルでしたが、フリーサイズブラはこの問題を見事に解決。ネット通販でも、下着類市場でパジャマに次いで2番目に大きなジャンルへと成長し、全体の2割以上を占めるに至っています。

 着用シーンに応じて、在宅時用、出社時用、出張用、スポーツ用などとより多様化が進み、素材面でも技術改良が進み、保温性や通気性などの機能が追加されています。「いいモノを皆にシェアしたい」といった思いから、フリーサイズブラを家族や友人に贈る人も多く、ギフト熱も高まっています。フリーサイズなので、基本、誰でも着用でき、さらに店舗で周りの目を気にする必要がないことから、フリーサイズブラの “ギフト”ブームが男性の間でも広がっているようです。

 こうした“自分を悦ばす”消費トレンドは、アパレル以外にも広く波及しそうです。むしろこうしたニーズは、「失われた20年」で培ってきた日本企業のほうに一日の長があるともいえでしょう。この風潮に乗じて、ぜひともビジネスチャンスを掴んでいただきたいと思います。

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◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(11)
 ~微信エコシステム⑦ 捜一捜(検索) 検索も「微信で!」の時代到来か

 微信ユーザーの増加やエコシステム(ビジネス生態系)の改善に伴い、本来は主に公式アカウントの検索のために用いられていた「捜一捜」(検索機能)の活用シーンが増えている。以前は文章、公式アカウント、モーメンツなどに限られていた検索範囲も、現在は動画、音楽、Q&A、サービスなどに対象を拡大。エコシステムの発展に伴い、検索機能自体も進化を続けている。現在、捜一捜の月次アクティブユーザー数は5億人を突破......

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◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(10)
 ~微信エコシステム⑥ 動画アカウント(視頻号) 動画とミニアプリを連動させ、販売へ

 最近5年間で、微信のモーメンツ(朋友圏)の動画投稿数は10倍に増加した。1日に配信される動画情報の数は33倍と激増している。動画は、多くのユーザーの生活においてすでに習慣化していると言っても過言ではない。微信も2020年1月に動画アカウント(視頻号)の運営をスタート。公式アカウント、捜一捜(検索)、看一看(オススメ)、ミニアプリ(小程序)などの機能にも接続でき、微信の重点機能の1つとして存在感を示している......

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◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(9)
 ~微信エコシステム⑤ ミニアプリ(小程序) ユーザー数・取引額が急成長

 微信などスーパーアプリ上で動く“アプリの中のアプリ”ともいえるミニアプリ(小程序)は、企業のマーケティングツールや消費の場として機能している。2020年には、ミニアプリのデイリーアクティブユーザー数が4億人を突破。ミニアプリは人々の生活において習慣化しつつある。売買機能を備えたミニアプリは前年比で68%増加。実物商品の年間GMV(流通取引総額)は前年比で154%増と成長している......

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◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(8)
 ~微信エコシステム④ 公式アカウント(公衆号) 情報発信の中心で新機能も追加

 微信の公式アカウント(公衆号)は、コンテンツマーケティングやブランド運営の中心的存在といえる。複数の異なる公式アカウントを運営することで、多様なコンテンツを幅広いユーザーに届けることが可能になる。定期購読アカウント(訂閲号)では、すでに定着したユーザー層にアクセス...... 

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◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(7)
 ~微信エコシステム③ グループチャット(微信群) 紅包などグループ福利が目玉に

 微信のグループチャットは、トラフィック(ユーザー)の定着や活性化に適したツールだ。主なマーケティング機能としては、グループ福利やトピックを使ったインタラクティブ(双方向性)イベント、新商品発表・プロモーション、新規顧客紹介のボーナス付与などがある......

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◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(6)
 ~微信エコシステム② モーメンツ(朋友圏) 私域への誘導の入口に

 微信のモーメンツ(朋友圏)は、私域トラフィックの拡散型マーケティングの入口といえる。企業は企業微信や個人アカウントを使って、モーメンツ上で日々の動向やプロモーション情報をシェアすることで、ブランドイメージを確立。存在感をアピールし、ユーザーからの信頼度を高めることができる......

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◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(5)
 ~微信エコシステム① 企業微信・個人アカウント 相互接続で企業資産として融合

 微信(ウィーチャット)の法人版である企業微信(ウィーチャット・ワーク)や、微信の個人アカウントは、企業がユーザーに1対1でアクセスできる場だ。企業微信は個人アカウントとの接続も可能で、新規顧客の呼び込み、各種サービスの提供、広告・宣伝などで大きな効果をあげている。企業微信・個人アカウントを使うことで、ユーザーと日常的にコミュニケーションをとることができるほか、グループチャットへの参加を促したり、イベントの告知や宣伝などもできる...... 

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◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(4)
 ~微信エコシステムが私域運営の土台に 新規客獲得から販売までのクローズドシステム

 微信のエコシステム(ビジネス生態系)内で利用できる私域運営機能には、グループチャット、モーメンツ(朋友圏)、企業微信・個人アカウント、ミニアプリ(小程序)、捜一捜(検索機能)、動画アカウント(視頻号)、公式アカウント(公衆号)、そして電子決済(微信支付)などが含まれる......

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◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(3)
 ~私域の構造は? 公式アカウントが中核

 企業が運営する私域は、一般に「企業の公式私域」+「その他の私域」で構成されている。企業の公式私域には、微信のエコシステムをベースとした「微信公式私域」のほかに、公式アプリやウェブサイト、ミニブログの微博(ウェイボー)、ショート動画の抖音(ドウイン・TikTok)、快手(クアイショウ)などでの公式アカウントなど「微信以外の公式私域」、さらにはオンラインショップでのフォロワーグループやカスタマーサービスなど、いわゆる企業が自ら運営している「その他の顧客接点」も含まれる......

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◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(2)
 ~成長続く「私域」トラフィック 顧客接点と販売で影響力も拡大

 米ボストンコンサルティンググループとテンセント系調査会社の騰訊営銷洞察(テンセントマーケティングインサイト)が発表した「2021中国私域マーケティング白書」によると、消費者の96%が私域で何らかの商品情報を取得しているという。私域には商品に関する情報が豊富に存在し、消費者は効率的に必要な情報を得ることができる。なかでも微信(ウィーチャット)は最もよく使用される私域チャネルで、そのシェアは60%を超えている......

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◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(1)
 ~微信の検索ユーザー5億人突破で、百度を猛追 中国版D2C「私域」マーケティング最新事情

 2020年の中国マーケティングトレンドのうち、特に注目を集めたのが、チャット・SNSアプリの微信(ウィーチャット)のミニアプリ(小程序)機能とライブコマースだろう。前者はデイリーアクティブユーザー数が4億人を突破。商品取引のGMV(流通取引総額)は前年比で115%増と成長した。後者は企業各社がより優れたコンテンツで消費者に直接アクセスすることを可能にした......

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◆大学生が最もよく使用する娯楽系アプリ

 校果研究院が公表した「2021大学生消費行為洞察報告」によると、大学生がよく使う娯楽系アプリは、動画、音楽、ゲーム、二次元(アニメ、漫画など)、及びライブ動画など。なかでも抖音(中国版TikTok)、騰訊視頻(Tencent Video)、王者栄耀(Honor of Kings)が人気トップ3を占めている......

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◆会報誌「中国消費洞察」2022年4月号(vol. 93)発行

 会報誌2022年4月号(vol. 93)の巻頭特集では、中国で「国民種草機」と称されるほど、若者を中心に、何らかの購入を検討する際の重要な情報源として人気の「小紅書(RED)」を取り上げました。

 中国でのマーケティング手法として、影響力をますます強めている「種草」(ジョンツァオ)。種草とは、中国語の直訳では「草を植える」という意味なのですが、ウェブやSNSマーケティングでは「シーディング」(Seeding)という専門用語が当てはまります。シーディングは元々、英語で種まきや種植えの意味ですが、大きな花を咲かせる(商品の売上増)ための下準備ともいえるでしょう。

 具体的には、KOL(キーオピニオンリーダー)やKOC(キーオピニオンコンシュマー)などのインフルエンサーが、ユーチューブやインスタグラムなどのコンテンツプラットフォーム上で画像や文章、動画などにより、自身がレコメンド(推薦)する商品情報を発信し、フォロワーたちの消費欲を刺激する行為のことです。

 ここでいう刺激はあくまでも控えめな“プル”型で、購入をあからさまに促したり、ディスカウントなどで誘導するといった“プッシュ”型の内容は含みません。面白い、楽しい、役に立つといった感情を刺激し、他人と共有したいという感情を喚起させる内容がメインで、広告や宣伝の要素は極力含まないのが一般的です。

 もちろんこうした種草(シーディング)の最終目的はコンバージョン(販売転換)となります。コンテンツ内に商品を購入するためのEC(電子商取引)サイトへのリンクを設置したり、プラットフォーム内にEC機能を設けておくことで、興味から購入までのサイクルを短縮化し、コンバージョン率を高める効果も期待できるでしょう。

 マーケティング調査会社の秒針営銷科学院は「2022中国デジタルマーケティングトレンド」で、中国では種草(シーディング)がソーシャルメディアマーケティングの重要な目標の一つになっていると主張しています。KOLマーケティングを展開している広告主のうち、商品に関する種草(シーディング)を実施したいと考える企業の割合は、2022年に54%に達し、前年から14%も上回っているようです。

 この種草(シーディング)を行う場として、中国の若者を中心に圧倒的な影響力を誇り、かつ絶大な信頼を集めるのが中国版インスタグラムと称される小紅書(RED)です。特にコスメ業界では、2020年の広告投入額で、微博(ウェイボー)、抖音(ドウイン・TikTok)、微信(ウィーチャット)を押さえてトップに躍り出るなど、いまや企業が最も重視するマーケティングチャネルとなっています。

 小紅書(RED)はいかにして若者の心を掴み、その消費行動に影響を与えるようになったのか?企業は今後、小紅書(RED)上でどのように種草(シーディング)を活用していくべきなのか?という視点から、コンテンツ制作や形態、トラフィックの配分アルゴリズムのほか、広告管理プラットフォーム「蒲公英」や公式アカウント「専業号」、トラフィック誘導課金ツール「薯条」などを活用したプロモーション方法、さらには小紅書商城(EC)への出店、ユーザー像、人気ジャンルなどについて詳しく分析しています。

 次にトレンドウォッチとして、最近中国で人気のディスカウントチェーン店に迫りました。賞味期限間近のスナック菓子や飲料、また使用期限間近のシャンプーやフェイスパックなど、各種商品を破格の値段で特売するディスカウントチェーン店を、最近モールなどでよく見かけるようになりました。

 賞味・使用期限間近とはいっても、期限まで通常2~3ヶ月、多い時には半年以上残している商品が多く、特にシャンプーなどの日用品はさらに長くなっています。商品の多くは、メーカーやディストリビューターからの売れ残こりや期限が迫った“訳あり”の在庫品で、だからこそ低価格が実現できているのでしょう。

 こうした “訳あり”商品を販売するディスカウントチェーン店ですが、中国では別に真新しいビジネスモデルではありません。中国の各都市には、期限間近の食品や日用品を扱う「尾貨店」と呼ばれる店が、必ずいくつか存在します。輸入品を専門に扱う店のほか、乳製品など特定の商品のみを扱う店舗もあります。

 リアル業態だけでなく、淘宝(タオバオ)などECサイトにも、この種のショップは数多くあり、それぞれ一定の顧客層を有しています。こうしたディスカウント業態の主要顧客は、以前は価格に敏感な中高年の消費者層が中心でした。しかし近年は、若年層が新たなメイン顧客層となりつつあるようで、ベンチャーキャピタルからも多くの関心を集めるようになっています。

 現在、中国には期限間近の商品を扱うディスカウントチェーン店が十数社あります。代表的なのは「Hot Max・好特売」、「HitGoo・嗨特購」、「Boom Boom Market・繁栄集市」、「小象生活」、「食惠邦」、「hokido・禾其多」など。それぞれが立地や商品の取り揃え、フランチャイズか直営かなどの点で違いはあるものの、ビジネスモデル自体はほぼ類似しています。

 日本のディスカウント店「ドン・キホーテ」のテイストを模倣したようなブランドロゴや店内のPOP広告などで、ビジュアル効果をアピール。またマンションが多く集まる住宅街や路面店ではなく、オフィスビルやショッピングモールの中にテナント店舗を構えるというのも共通点といえます。

 各社ともインフルエンサーによる情報拡散を活用し、小紅書(RED)や抖音(ドウイン・TikTok)などSNSアプリでのマーケティングにも力を入れています。期限間近の“訳あり”商品の人気は、中国で近年、存在感と影響力を高めつつある「新消費」トレンドにも大きく関係しており、同時に、中国人の消費性向の変化も色濃く反映しています。

 そこで今号では、中国でこのようなディスカウントチェーン店が人気を集める背景に触れながら、特売品を専門に扱うディスカウント店の代表的チェーンである「Hot Max・好特買」にフォーカスして、同店の人気の背景やビジネスモデル、商品構成、今後の動向について深堀りしています。

 最後に、これまで中国国内の日本語タウン誌「ウェネバー」で連載していたマーケティングレポートを今号から刷新します。第一回目は、上海の都市封鎖(ロックダウン)下の買い物事情について。ネットスーパーが注文殺到と配送スタッフ不足により全く機能しなくなるなか、食糧確保に不安を覚える市民を救った「団購」(トゥアンゴウ)と呼ばれる共同購入についてレポートしています。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

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会報誌『中国消費洞察』 
2022年4月号(vol. 93)  もくじ
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【巻頭特集】SNSアプリ「小紅書(RED)」調査分析レポート
「種草」(シーディング)情報発信の聖地に
中国版“インスタ”「小紅書(RED)」攻略指南

【トレンドウォッチ】中国ディスカウントチェーン店業界分析レポート
デフレ?フードロス削減?で人気急上昇
“訳あり”品特売チェーン店「Hot Max・好特売」

【マーケティングレポート】上海ロックダウン下の買い物事情①
ロックダウンも新たな“商機”に?
共同購入が“救世主”のごとく市民の食糧調達を救う!

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