中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!

【中国消費洞察メルマガ 第522号】~中国でイヌとネコ、どちらが多い?~

中国ビジネスをマーケティング視点から再構築しよう!
「キャスト中国ビジネス」中国マーケティング会員コース
http://www.cast-marketing.com/

================================
2022年6月1日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第522号】
================================

 こんにちは。キャストグローバルの大亀です。

 都市封鎖(ロックダウン)がここまで長引くと、困るのが食糧確保のほかに散髪です。普段は1.5〜2ヶ月に1回のペースで行っていたのですが、今回ちょうど封鎖された頃がそのタイミングで、そのまま1.5ヶ月が経ったので、前回の散髪からもう3ヶ月になります。

 そうしたなか、“ご近所”同士の微信グループチャットで“青空散髪”の案内が届きました。同じマンション区に美容師が住んでおり、散髪のボランティアに名乗り出たとか。元々、感染拡大の原因になることを恐れお断りされていたそうですが、周りの声に背中を押され、引き受けてくれることに。一気に何人もの希望者が集まり、ついには整理券が配られるほどの大盛況となりました。

 この“青空散髪”を取り仕切っているリーダー格の人が、「散髪代は不要だが、各自で紅包(お礼)をあげましょう」と投稿したところ、当の本人からは、紅包は断固として断ると。「自分にとっては、散髪はたいそれたことじゃないし、自宅でじっとしているだけだし、こんなときだからこそ、何か皆さんのお役に立てればそれでいい」と…。

 すると、住民の間から「であれば、ロックダウンが明けたら、みんなでお店に応援に行こう!そしてそのお店を“網紅”(ワンホン)店にしよう!」と支持する声が上がりました。中国でこれほどまでにコミュニティの温かさを感じるのは、上海歴18年にして初めてかもしれません。中国でもまさに「損して得取れ」(吃亏就是占便宜)ですね。

 今週のコラムは 若い世代が牽引する中国ペット市場についてです。では、中国消費洞察メルマガ第522号をお送りいたします。

────────────────────────────────
■大亀浩介の中国消費洞察ブログ >> http://okamekosuke.jugem.jp
────────────────────────────────
上海を中心に現地から中国消費&マーケティング情報を随時アップデート。
2011年末からの週刊メルマガも収録。中国市場攻略にぜひお役立て下さい。

================================

【目次】
 1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第522回)
   ◆若い世代が牽引する中国ペット市場の急成長
    ~中国でイヌとネコ、どちらが多い?~

 2. 新着コンテンツ一覧

 3. 新着統計データ一覧

 4. お知らせ
     会報誌「中国消費洞察」2022年4月号(vol. 93)発行
     (詳細)http://www.cast-marketing.com/newsletter/

■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第522回)
■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

【第522回】 若い世代が牽引する中国ペット市場の急成長
 ~中国でイヌとネコ、どちらが多い?~

 中国ではイヌとネコ、どちらが好まれているのでしょう?答えはネコです。

 中国畜牧業協会ペット産業分会とPethadoop(派読寵物行業大数据)が共同で公表した「2021年中国ペット業界白書」によると、2021年に、中国の家庭で飼われているペットで、ネコがイヌを初めて上回ったようです。2020年まではイヌのほうがネコよりも多かったのですが、2021年にネコがついに5,806万匹で、イヌの5,429万匹を上回りました。

 イヌとネコを合わせて1億匹を超えていますが、それでも全人口に対するペットの普及率は、大雑把な計算ですが8%のみで、アメリカの68%、日本の28%には遠く及びません。

 中国のペット関連の市場規模は、2020年にコロナ禍にもかかわらず、前年比33.5%増の2,988億元。2021年も16.7%増の3,488億元となり、2023年には6,000億元近くに達すると、中国調査会社のiResearch(艾瑞諮詢)は「2021年中国ペット消費トレンド白書」で予想しています。

 飼い主を年齢別で見ると、1990年以降生まれの若い世代が全体の46.3%を占めています。なかでも中国で「95後」と呼ばれる1995年以降生まれの世代が増加しており、全体の22.9%に達しています。

 若い世代が牽引する中国ペット市場ですが、ペットを飼っている人の90%が、精神面でのニーズからペットを飼いはじめたと言っています。若者たちはペットを家族の一員や心の友と見なし、ペットのために時間や金銭を費やすことを厭(いと)わない傾向が強まっています。最近ではイヌやネコの心を読む霊能力や言語翻訳などのサービスも登場。ペットを連れた家族旅行や、診療、ワクチン、健康診断など、商品やサービスがますます多様化しています。

 ペット関連の消費では、ペットフードやスナックが多くを占めているのですが、自動化されたネコ用トイレや水飲み機、ペット服、洗浄・美容グッズなども人気で、最近では、ペットトイ(玩具)がホットになっています。

 2021年の天猫双11(ダブルイレブン)セールで、ペットトイが、取引額が最も大きく伸びた商品ジャンルの一つとなりました。音の出るおもちゃ、ネコ用のマジックボックス、ターンテーブル、毛糸だま、キャットタワーなどが注目を集め、トップブランド「未卡(VETRESKA)」の「サボテン型キャットタワー」が、取引額100万元を超える人気商品となりました。

 中国で「雲養寵」という言葉が流行っています。これは、ネット(クラウド)上でペットを飼うこと、つまり抖音(ドウイン・TikTok)などショート動画アプリで、ペットの動画を楽しみながら、ペット飼育を疑似体験する人々が増えているようです。

 こうしたクラウドペット飼育ですが、単に動画を視聴するだけでなく、実際に“里親”になって育てる人もいます。中国調査会社のiResearch(艾瑞諮詢)が、「雲養寵」ユーザーにアンケート調査したところ、回答者の71.8%が、オンライン上でペットの里親となり、毎月一定額の飼育費用を払ったことがあると回答。また60.8%が何らかの網紅(ワンホン)ペットをフォローし、関連グッズを買って“推し活”したことがあるとも…。

 子供は産まなくてもペットは何匹か飼うといった若者が、中国でますます増えていきそうです。まだまだ伸びしろが無限大ともいえる中国のペット市場ですが、日本企業もこのビジネスチャンスをぜひとも掴み取っていただきたいと思います。

バックナンバー一覧はこちら >> http://www.cast-marketing.com/okamekosuke/

■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
■新着コンテンツ一覧
■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

※下記コンテンツの全文を閲覧するには「中国マーケティング会員」のログインIDとパスワードが必要です。「フル/法令/Q&A会員」のログインIDとパスワードではログインできません。
(お試しID発行 >> http://www.cast-marketing.com/trial/)

◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(19)
 ~私域運営ケーススタディ② 林清軒(Forest Cabin) 店舗スタッフ起点に、オン・オフを連動

 中国国産スキンケアブランドの林清軒(Forest Cabin)は、セールススタッフが私域発展の起点として機能している。セールススタッフが、オフラインの店舗を訪れた消費者にQRコードを読み込ませたり、公式アカウントや企業微信をフォローさせることで、新規のトラフィックを呼び込んでいる......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=4438

◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(18)
 ~私域運営ケーススタディ① イブ・サンローラン 会員システムで顧客と交流強化

 仏コスメブランドのイブ・サンローラン(YSL)が、私域運営の中心に置いているのは会員制システムだ。公域トラフィックと連動させ、オフラインのリソースも活用しながら、様々な会員特典を提供し、ブランドに対するロイヤルティアップに努めている。イブ・サンローランの会員になる方法は2つ。1つはオンラインかオフラインで何らかの消費をするパターン。もう1つは、公式アカウントをフォローするか、ミニアプリで会員登録を行う方法だ......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=4437

◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(17)
 ~品目別私域運営モデル④ 買い物アドバイザー型 食品・飲料、レストラン、日用品

 食品・飲料、レストラン、パーソナルケア・日用品など、高頻度かつ低単価で、専門知識が不要な品目の場合、消費者はブランドの知名度を重視する傾向が強く、ブランドに対するロイヤルティ(忠誠度)はあまり高くない。また購入の際の利便性も重要となる。これらの商品にふさわしいのは、「買い物アドバイザー」型の私域運営だ。セールススタッフのきめ細かいアドバイスにより、顧客獲得と販売転換(コンバージョン)を推進する......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=4436

◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(16)
 ~品目別私域運営モデル③ 趣味同好型 ファッション、旅行、白酒

 ファッションやコスメなど高頻度かつ高客単価の品目や、旅行や中高級白酒(中国を代表する蒸留酒)など低頻度かつ高客単価の品目は、個人の趣味嗜好によるところが大きく、専門知識に対する要求はそれほど高くない。消費者の購入意思決定までのプロセスも比較的短かく、商品は品質が重視され、SNSやシェアが好まれるジャンルでもある。これらの商品には「趣味同好」型の私域運営モデルを通して、親しみが感じられる情報シェアにより販売転換(コンバージョン)を実現......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=4435

◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(15)
 ~品目別私域運営モデル② 専属顧問型 高級ブランド、自動車、家電

 高級ブランド品、自動車、3Cデジタル、家電、不動産、保険、家具、ウェディングフォトなど購入頻度が低いながら、客単価が高く、購入時に専門的なサポートを必要とする品目の場合、消費者は商品だけでなく、サービスや体験を重視する傾向が強く、ブランドの動向に注目するロイヤルティ(忠誠心)の高いフォロワーも多い。これらの商品は「専属顧問」型の私域運営モデルにより、消費者ときめ細かいコミュニケーションをとりながら、購入をサポートする手法がふさわしいだろう......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=4434

◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(14)
 ~品目別私域運営モデル① 知識スペシャリスト型 ベビー、健康食品、教育・資産運用

 ベビー・マタニティ用品や健康食品、高級コスメ、教育関連や資産運用など、使用頻度が多く、客単価が高く、専門知識を必要とする品目は、消費者が関連知識を調べ、購入の意思決定するまでに比較的長いプロセスを必要とする。一方で一旦使い始めれば、ロイヤルティ(忠誠度)も高い分野といえる。これらの商品は「知識スペシャリスト」型の私域運営により、ユーザーを獲得することが望ましい......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=4433

◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(13)
 ~私域ユーザーの典型的な特徴とは? 私域での消費行動分析から5タイプに分類

 ボストンコンサルと騰訊営銷洞察の共同レポート「2021中国私域マーケティング白書」は、私域における消費行動に応じて、消費者を①アクティブシェアラー、②熱烈“推し”派、③賢明消費者、④品質志向生活者、⑤隠れフォロワーの5つに分類している。それでは、以下でそれぞれの特徴について考察していこう......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=4432

◆中国「私域」マーケティング調査分析レポート(12)
 ~私域アクティブユーザー層のニーズとは? コンテンツや販売への利便性に支持

 ボストンコンサルと騰訊営銷洞察の共同レポート「2021中国私域マーケティング白書」によると、私域のアクティブユーザーはコンテンツに対するニーズが高く、また品質にこだわる傾向が強い。また利便性を重んじ、サービスを重視するようだ。私域ユーザーへのアンケート調査から、コンテンツに高いニーズありの回答者が全体の56%に上り、私域内で様々な面白いコンテンツを楽しみたいと考えている......

(全文はこちら) ※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=4431

■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
■新着統計データ一覧
■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

◆大学生が最もよく使用する娯楽系アプリ

 校果研究院が公表した「2021大学生消費行為洞察報告」によると、大学生がよく使う娯楽系アプリは、動画、音楽、ゲーム、二次元(アニメ、漫画など)、及びライブ動画など。なかでも抖音(中国版TikTok)、騰訊視頻(Tencent Video)、王者栄耀(Honor of Kings)が人気トップ3を占めている......

(詳細はこちら)※『中国マーケティング会員』IDにてログインの上ご覧ください。
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=Marketing&Cmd=DataList&Action=Detail&MRid=4329

統計データ一覧はこちら >> 
http://www.cast-marketing.com/statistics/

■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
■お知らせ
■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

◆会報誌「中国消費洞察」2022年4月号(vol. 93)発行

 会報誌2022年4月号(vol. 93)の巻頭特集では、中国で「国民種草機」と称されるほど、若者を中心に、何らかの購入を検討する際の重要な情報源として人気の「小紅書(RED)」を取り上げました。

 中国でのマーケティング手法として、影響力をますます強めている「種草」(ジョンツァオ)。種草とは、中国語の直訳では「草を植える」という意味なのですが、ウェブやSNSマーケティングでは「シーディング」(Seeding)という専門用語が当てはまります。シーディングは元々、英語で種まきや種植えの意味ですが、大きな花を咲かせる(商品の売上増)ための下準備ともいえるでしょう。

 具体的には、KOL(キーオピニオンリーダー)やKOC(キーオピニオンコンシュマー)などのインフルエンサーが、ユーチューブやインスタグラムなどのコンテンツプラットフォーム上で画像や文章、動画などにより、自身がレコメンド(推薦)する商品情報を発信し、フォロワーたちの消費欲を刺激する行為のことです。

 ここでいう刺激はあくまでも控えめな“プル”型で、購入をあからさまに促したり、ディスカウントなどで誘導するといった“プッシュ”型の内容は含みません。面白い、楽しい、役に立つといった感情を刺激し、他人と共有したいという感情を喚起させる内容がメインで、広告や宣伝の要素は極力含まないのが一般的です。

 もちろんこうした種草(シーディング)の最終目的はコンバージョン(販売転換)となります。コンテンツ内に商品を購入するためのEC(電子商取引)サイトへのリンクを設置したり、プラットフォーム内にEC機能を設けておくことで、興味から購入までのサイクルを短縮化し、コンバージョン率を高める効果も期待できるでしょう。

 マーケティング調査会社の秒針営銷科学院は「2022中国デジタルマーケティングトレンド」で、中国では種草(シーディング)がソーシャルメディアマーケティングの重要な目標の一つになっていると主張しています。KOLマーケティングを展開している広告主のうち、商品に関する種草(シーディング)を実施したいと考える企業の割合は、2022年に54%に達し、前年から14%も上回っているようです。

 この種草(シーディング)を行う場として、中国の若者を中心に圧倒的な影響力を誇り、かつ絶大な信頼を集めるのが中国版インスタグラムと称される小紅書(RED)です。特にコスメ業界では、2020年の広告投入額で、微博(ウェイボー)、抖音(ドウイン・TikTok)、微信(ウィーチャット)を押さえてトップに躍り出るなど、いまや企業が最も重視するマーケティングチャネルとなっています。

 小紅書(RED)はいかにして若者の心を掴み、その消費行動に影響を与えるようになったのか?企業は今後、小紅書(RED)上でどのように種草(シーディング)を活用していくべきなのか?という視点から、コンテンツ制作や形態、トラフィックの配分アルゴリズムのほか、広告管理プラットフォーム「蒲公英」や公式アカウント「専業号」、トラフィック誘導課金ツール「薯条」などを活用したプロモーション方法、さらには小紅書商城(EC)への出店、ユーザー像、人気ジャンルなどについて詳しく分析しています。

 次にトレンドウォッチとして、最近中国で人気のディスカウントチェーン店に迫りました。賞味期限間近のスナック菓子や飲料、また使用期限間近のシャンプーやフェイスパックなど、各種商品を破格の値段で特売するディスカウントチェーン店を、最近モールなどでよく見かけるようになりました。

 賞味・使用期限間近とはいっても、期限まで通常2~3ヶ月、多い時には半年以上残している商品が多く、特にシャンプーなどの日用品はさらに長くなっています。商品の多くは、メーカーやディストリビューターからの売れ残こりや期限が迫った“訳あり”の在庫品で、だからこそ低価格が実現できているのでしょう。

 こうした “訳あり”商品を販売するディスカウントチェーン店ですが、中国では別に真新しいビジネスモデルではありません。中国の各都市には、期限間近の食品や日用品を扱う「尾貨店」と呼ばれる店が、必ずいくつか存在します。輸入品を専門に扱う店のほか、乳製品など特定の商品のみを扱う店舗もあります。

 リアル業態だけでなく、淘宝(タオバオ)などECサイトにも、この種のショップは数多くあり、それぞれ一定の顧客層を有しています。こうしたディスカウント業態の主要顧客は、以前は価格に敏感な中高年の消費者層が中心でした。しかし近年は、若年層が新たなメイン顧客層となりつつあるようで、ベンチャーキャピタルからも多くの関心を集めるようになっています。

 現在、中国には期限間近の商品を扱うディスカウントチェーン店が十数社あります。代表的なのは「Hot Max・好特売」、「HitGoo・嗨特購」、「Boom Boom Market・繁栄集市」、「小象生活」、「食惠邦」、「hokido・禾其多」など。それぞれが立地や商品の取り揃え、フランチャイズか直営かなどの点で違いはあるものの、ビジネスモデル自体はほぼ類似しています。

 日本のディスカウント店「ドン・キホーテ」のテイストを模倣したようなブランドロゴや店内のPOP広告などで、ビジュアル効果をアピール。またマンションが多く集まる住宅街や路面店ではなく、オフィスビルやショッピングモールの中にテナント店舗を構えるというのも共通点といえます。

 各社ともインフルエンサーによる情報拡散を活用し、小紅書(RED)や抖音(ドウイン・TikTok)などSNSアプリでのマーケティングにも力を入れています。期限間近の“訳あり”商品の人気は、中国で近年、存在感と影響力を高めつつある「新消費」トレンドにも大きく関係しており、同時に、中国人の消費性向の変化も色濃く反映しています。

 そこで今号では、中国でこのようなディスカウントチェーン店が人気を集める背景に触れながら、特売品を専門に扱うディスカウント店の代表的チェーンである「Hot Max・好特買」にフォーカスして、同店の人気の背景やビジネスモデル、商品構成、今後の動向について深堀りしています。

 最後に、これまで中国国内の日本語タウン誌「ウェネバー」で連載していたマーケティングレポートを今号から刷新します。第一回目は、上海の都市封鎖(ロックダウン)下の買い物事情について。ネットスーパーが注文殺到と配送スタッフ不足により全く機能しなくなるなか、食糧確保に不安を覚える市民を救った「団購」(トゥアンゴウ)と呼ばれる共同購入についてレポートしています。

 そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータが盛りだくさんです。

================
会報誌『中国消費洞察』 
2022年4月号(vol. 93)  もくじ
================

【巻頭特集】SNSアプリ「小紅書(RED)」調査分析レポート
「種草」(シーディング)情報発信の聖地に
中国版“インスタ”「小紅書(RED)」攻略指南

【トレンドウォッチ】中国ディスカウントチェーン店業界分析レポート
デフレ?フードロス削減?で人気急上昇
“訳あり”品特売チェーン店「Hot Max・好特売」

【マーケティングレポート】上海ロックダウン下の買い物事情①
ロックダウンも新たな“商機”に?
共同購入が“救世主”のごとく市民の食糧調達を救う!

※詳細はこちら:http://www.cast-marketing.com/newsletter/

────────────────────────────────
【中国マーケティング会員コース クイックリンク】
────────────────────────────────
■ サービス詳細 >> http://www.cast-marketing.com/service/
■ お試しID発行 >> http://www.cast-marketing.com/trial/
■ お問い合わせ >> http://www.cast-marketing.com/inquiry/
■ メルマガバックナンバー >> http://www.cast-marketing.com/e-zine/
■ 会報誌バックナンバー >> http://www.cast-marketing.com/newsletter/

pageTop