吉林省・延吉のスーパーでは犬肉スープ(狗肉湯)のレトルト食品も |
上海虹橋地区にある自宅マンションの敷地内に3~4匹の野良猫が生息しています。飼い主である住民が捨てたのか、どこからともなく住み着いたのかは分かりませんが、植木の陰に潜んでいたり、ごみ収集所で残飯をあさっている姿を見かけます。
最近中国で野良猫が特に増えてきているような気がします。一方、野良犬をあまり目にすることはありません。一昔前までは、野良犬は捕まえられて食べられてしまうからという「都市伝説」的な噂もよく耳にしましたが、真相は不明です。
私もこれまで中国で2回、犬肉鍋を食べたことがあります。一度目は白酒(バイジウ)の「茅台(マオタイ)」で有名な貴州省・遵義、2度目は朝鮮族自治州の吉林省・延吉。延吉では犬肉料理専門店の看板を至るところで目にし、市場では食用の犬肉が店頭にたくさんぶら下がっていたのに度肝を抜かれましたが、それほど東北地域における犬肉の食文化は健在ということなのでしょう。
しかし、犬をペットとして飼う延吉人も多く、一緒に食事をした地元の大学関係者の人は、「昔は好んで食べていたが、ペットとして飼い始めてからは家族同様になり、犬肉が食べられなくなった」と言っていました。中国全土で犬をペットとして飼う人口が増えるにつれ、犬肉の食文化に対する攻撃も増しているようです。
浙江省の金華でも毎年犬肉祭を開催していましたが、こうした風潮を背景に2011年から中止しています。また、広西省の玉林の犬肉祭を開催すべきかどうかという議論がネット上で激しく繰り広げられました。
中国ペット業界研究報告によると、13年末のペット犬の数が2.68億匹、猫が1.07億匹となっており、ペットとしては犬のほうが好まれていることが伺えます。ペットの数は04年から14年の10年間で実に900%増加。ペットを飼う年齢層は50歳以上の中老年層と30歳以下の若年層に集中しており、30~50歳の世代は仕事や生活でのプレッシャーが多いせいか相対的に少なめとのことです。
経済発展とともにペット犬が増え、犬肉文化が廃れてしまう可能性のある中国。もし仮に冒頭の「都市伝説」が正しいのであれば、いずれ野良犬が町をはびこるようになってしまうのでしょうか。
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