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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【第278回】 コネが強みのビジネス環境の功と罪
経済特区のスワトウ、伸び悩みのワケは?
2017年7月12日
17年3月頃から全面的な改修工事がスタートした汕頭老街
17年3月頃から全面的な改修工事がスタートした汕頭老街
 「スワトウ」の名を初めて耳にしたのはちょうど10年前。広州勤務の同僚が休暇に「汕頭」に行ったと聞いたときです。東洋と西洋が混ざりあった建築様式がどこかロマンチックな汕頭老街の写真を見せてもらい、ぜひ一度訪れてみたいと思っていました。

 今回の視察で念願の汕頭老街に辿りついたのですが、残念ながら今年3月頃から全面的な改修工事がスタート。地区全体が緑のネットと足場の枠組みに覆われ、観光客も少なく、若干殺風景な光景でがっかりでした。

 1980年に深セン、珠海、厦門(アモイ)とともに経済特区に指定された汕頭。外国からの投資や技術を呼び込み、製造業と輸出で経済成長を促す模範として活躍が期待されましたが、結果は鳴かず飛ばず。15年のGDP比で、深セン、厦門、珠海がそれぞれ汕頭の9倍、1.8倍、1.1倍、1人当たりのGDPでは同じく4.7倍、2.7倍、3.7倍と差が歴然です。

 この凋落の理由の一つに、2001年に摘発された、多数の汕頭企業が手を染めた不正発票(領収書)発行による巨額の脱税事件があげられます。これにより汕頭企業への信用が失墜。国内外の企業がビジネスや投資を敬遠したとされています。

 また、家族や親戚など「血縁」による“関係(コネ)”を重視する特徴が強い汕頭。外地からの人やモノを積極的に受け入れることが少なく、外地の人もそうした強い結束に嫌気がさし、現地での商売を諦める傾向にもあるようです。

 “華僑の故郷”と称され、数多くの華僑がここから東南アジアを中心に海外へ移住し成功を収めています。タイの巨大財閥CP(チャロン・ポカパン)グループの創業家や香港の富豪で長江実業グループ創設者の李嘉誠、さらには微信やQQでお馴染みのテンセント(騰訊)CEOの馬化騰など、名だたる優秀な経済人を輩出しています。

 このように外地で大成功を収めた彼らもまた、地元経済への投資にはそれほど積極的ではありません。観光名所の修復や学校教育への寄付など慈善事業にとどまっていることから、いかに現地への溶け込みが難しいかを物語っているといえるでしょう。

 現在の中国経済繁栄の礎となったかつての経済特区。汕頭のケースから、国外に限らず国内に対しても、オープンで公正なビジネス環境を提供することがいかに大切かを学び取ることができます。
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