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 大亀浩介コンサルタントインタビュー


【第385回】 35歳以下の若者ユーザーが9割超の家事代行サービス
家事代行アプリ普及は商機 or リスク?
2019年9月11日
清掃グッズのEC販売も始めた家事代行アプリ「好慷在家(HOME KING)」
清掃グッズのEC販売も始めた家事代行アプリ「好慷在家」
 最近上海のオフィスビルやマンションのエレベーターでよく目にするのが「做飯家」の広告。香港の人気歌手兼俳優で、近年はシェフ顔負けの料理の腕前で話題の料理番組「十二道鋒味」にも主演する謝霆鋒(ニコラス・ツェー)がデカデカとアピールしています。

 この広告はつまり「自宅でご飯を作ってあげますよ」というサービス。これまでもシェフを派遣するケイタリング的なものはありましたが、これはシェフではなく「保姆」。小さな子供の世話をする“お母さん”的な家政婦のことで、中国で「阿姨(アイさん)」と呼ばれている“おばさん”です。

 この「做飯家」サービスを提供しているのが、ちょうど会報誌7&8月合併号の巻頭特集で取り上げた「好慷在家(HOME KING)」。最近話題の家事代行サービス会社で、スマホのアプリから1クール4時間単位で派遣してもらえる便利さがウケています。

 単にアイさんによる部屋や浴室の掃除だけでなく、床のワックスがけからエアコンの掃除なども専門のスタッフが派遣されます。我が家も毎週1回派遣してもらっていますが、ロゴ入りのエプロンと持参の清掃道具で黙々と4時間しっかりと丁寧に対応してくれ、大満足です。

 スタッフは勤務開始前に80時間の研修を受けることが義務付けられているようで、自社の研修機構「好慷国際家学院」だけでなく、英ノーランドカレッジ(「家政婦界のハーバード」と称されるナニー養成学校)や新東方厨師学校などとも提携。クリーニング、収納、調理、保育などの専門技術を学び、試験を通過すれば関連の専門業務に従事できるとのこと。

 2020年に8782億元(約1.3兆円)に達すると予測される中国の家事代行サービスの市場規模。しかし、アプリのユーザー数は1000万人強(18年10月時点)というデータもあり、その普及率はスマホユーザー全体の1%にも満たない状況です。

 一方、ある統計では、25歳以下のユーザーが72.3%で圧倒多数を占め、26歳から35歳まで含めると、実に35歳以下の若い世代が全体の94.2 %を占めているとのこと。アプリ会社から派遣されるとはいえ、赤の他人が自宅に上がり込むことに躊躇することなく、食事の準備を含む家事全般をアイさんに頼む若者が増えています。日本企業にとってどんなビジネスチャンス(リスク)がありうるか、検討していかなければなりません。

 好慷在家は、すでにアプリ上でクリーニング関連グッズの販売を開始。100種以上の家庭用品ブランドを扱い、従業員がSNS上で商品をシェアすれば、推薦した製品の売上に応じてコミッションを得ることができるそうです。近い将来、清掃関連の洗剤や道具、さらには食材や調味料など、こうした家事代行サービス会社のプラットフォームに乗っからないと売れないという事態になるかもしれません。
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