【第93号】歩行街からモールへ、内陸都市の消費市場

モール開発進む安徽第二の都市・蕪湖

2013年10月23日更新

　都市別レポートの視察に安徽省・蕪湖市を訪れました。蕪湖は安徽省第二の経済都市、上海からは西に約350km、車で約4時間強かかります。地理的には南京、杭州、合肥と三つの省都（それぞれ江蘇省、浙江省、安徽省）の中間に位置し、長江沿岸の港町として発展してきました。

　蕪湖の常住人口は226万人強。2012年のGDPは前年比13.8%増の1,873.63億元で安徽省第2位。成長率は3年連続で同省内トップを維持しています。

　蕪湖といえば、小型車「QQ」で有名な国産メーカー、奇瑞（Cherry）のお膝元。市内を走るタクシーもすべて奇瑞で、開発区内には自動車部品企業合わせて約100社あります。自動車関連産業のほかに、蕪湖には中国最大規模のテーマパーク「方特歓楽世界」「方特夢幻王国」などがあり、2007年には国家アニメ産業発展基地に指定されるなど、中国発のソフト・娯楽分野の発展の先頭に立っています。

　蕪湖最大の商圏は「中山路歩行街」。1912年に孫文（中山）がこの地で演説をしたことにその名を由来し、全国十大商業歩行街のひとつでもあります。鏡湖公園に隣接し、華億国際と新百百貨の地元系老舗百貨店の間約700mの両端に大小様々なお店が並び、公園とともに蕪湖市民にとって一番の「お出かけスポット」となっています。

　一方、政府が移設され都市開発が進む新区でも万達広場、聯盛広場（ロッテマート）、華億広場（大潤発）がオープンし、蕪湖市民に新しいショッピング空間を提案しています。特に万達広場では入口前の屋外スペースでトラとライオンのショーが開催され多くの見物・買い物客でごった返していました。また1階にオープンしたユニクロは、店内のフロア案内表示にも数あるアパレルショップのなかでも唯一「UNIQLO」と表示され、特に重視されていることが垣間見れました。

　こうした商業施設以外に、現在市内では星隆国際城、匯金広場、華強広場など新しい商業施設の建設が進んでいます。内陸消費をけん引する安徽省第二の都市・蕪湖の消費市場も、昔ながらの歩行街プラス老舗百貨店から現代的なショッピングモール空間へとニーズがシフトしていることがひしひしと伝わってきました。

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