網紅で“2度目の春”を謳歌
潤百顔とコラボした「故宫文創」の口紅 |
多くの老舗ブランドがブランドイメージの劣化だけでなく、ネットなど新しい販売チャネルへの適応不足などの理由から、淘汰の危機に瀕している。一方でこれまでの良さを生かしつつ、新たな活力を導入することで網紅(ワンホン)として生まれ変わり、二度目の春を迎えているブランドも存在する。
老舗ブランドの復活で多く目にするのが、他ブランドとのコラボレーションだ。最近の「国潮(国産ブーム)」トレンドに乗って生まれた「大白兔奶糖(中国版ミルキー)」の香水(香水ブランド「気味図書館」とのコラボ)、「故宫文創(故宮のデザインを模した文房具など)」の口紅(コスメブランド「潤百顔」とのコラボ)、虫よけの「六神花露水」味のカクテル(カクテル飲料「Rio」とのコラボ)などは、業界を跨いだコラボがSNS上で大きな話題を呼んだ。
コラボ商品の多くは限定品で、長期間販売されるわけではない。にもかかわらず、コラボがブランドの起死回生のきっかけとなり、消費者からの注目と好感度の回復に大きく寄与する例は少なくない。
上海発で86年の歴史を誇る化粧品ブランド「百雀羚(Pechoin)」は、老舗ブランドが網紅に化けた代表例だ。中国産コスメブランドとして長い歴史を誇る同社は、マーケティング面でも芸能人の起用やテレビ広告、バラエティ番組の冠スポンサーなど従来型の手法を主体としてきた。しかし2016年頃から方針をガラッと転換し、「網紅化」に着手しはじめた。
老舗から網紅コスメへ