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ライブコマース市場分析 (3)
中国ライブコマースの主要アプリ
2021年1月7日
中国ライブコマースの主要アプリ
淘宝、京東を追う動画投稿の抖音、快手

  現在、中国のライブコマースのプラットフォームは大きく2つに分類できる。

  1つはEC(電子商取引)プラットフォームだ。ライブ配信専用の「直播間」と呼ばれるライブルームを開設し、コンテンツ制作者と提携するパターンだ。淘宝(タオバオ)、蘑菇街、京東(JDドットコム)、拼多多(ピンドウドウ)などがこれにあたる。

  もう1つはコンテンツ配信プラットフォームだ。外部のECプラットフォームとリンクして、「ライブ+Eコマース」を提供。人気のショート動画投稿アプリの抖音(ドウイン・TikTok)や快手(クアイショウ)などがその代表例だ。

  中国調査会社のiiMedia Research(艾媒諮詢)の統計によると、消費者がよく利用するライブコマースプラットフォームのトップ5は淘宝、京東、抖音、小紅書、快手の順で、それぞれ48.18%、47.45%、32.85%、22.63%、18.98%だった。蘑菇街、網易考拉、唯品会、拼多多、蘇寧易購が6~10位でこれに続いた。(図3:2019-2020年 中国ライブコマースプラットフォームトップ10)
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ライブコマースの先駆者
淘宝直播(タオバオライブ)

  中国のライブコマースを先導するのが淘宝(タオバオ)だ。ライブコマース専門の「淘宝直播」は、2018年のGMV(Gross Merchandise Volume:流通取引総額 ※プラットフォームで消費者が購入した商品の売上の合計額)が1,000億元を突破。前年比400%増の大幅成長を記録した。

  配信動画からEC店舗へのコンバージョン率は65%超。1日のライブ配信回数は6万回で、延べ15万時間に達している。

  取引額が1億元を超えたライブ配信者は81名に及んだ。2019年のGMV(流通取引総額)は2,000億元を達成。2020年には3,000億元を超える可能性もある。その発展戦略については、後ほど詳しく紹介する。

女性ファッションEC
蘑菇街(モグジェ)

  蘑菇街は最も早くからライブコマース配信を開始したプラットフォームの1つだ。2020財政年度第1四半期のGMV(流通取引総額)は41.72億元。そのうちライブコマース関連が13.15億元で、前年同期比102.7%増だった。

  ライブコマースがGMV(流通取引総額)全体に占める割合は31.5%。2019年6月末時点での過去1年間のアクティブバイヤー数は約270万人。前年比90.4%増を記録した。

中国EC 2位
京東(JDドットコム)

  京東は2019年12月にライブルームの支援に対して1億元規模の資金拠出を発表。

共同購入トップ
拼多多(ピンドウドウ)

  拼多多は2020年1月19日に「多多直播」の運営を正式にスタートした。

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