特に自動車業界では、ライブコマースがすでに新たな販売モデルとして定着しつつある。2020年3月末までに、天猫汽車と淘宝で配信されたライブ動画は15,000回を超えている。
自動車の共同購入も徐々に広まりつつあるようだ。3月21日に天猫汽車でライブ動画配信された共同購入イベントに 、マセラッティ、アウディ、ボルボ、リンカーン、トヨタなど40社超の4S店(ディーラー)が10,000店以上も参加した。視聴者は29の省・直轄市・自治区の約200都市に及んだ。(図6:淘宝直播の業界別取引額トップ10)(図7:淘宝直播の業界別利用率の伸び幅トップ10)
小型ロケット販売で話題に
主役は「80後」「90後」世代
ライブコマースに取り組む業界の数が多くなればなるほど、購入できる商品の種類も増えていく。2019年末時点で、淘宝直播の1日の平均商品件数は、前年比で190%増。すでに淘宝・天猫にあるほとんどのジャンルがカバーされている。
2020年4月1日に、人気配信主の「薇婭」が動画配信した史上最高額4,000万元の商品が多くの注目を集めた。 それは、小型ロケット「快舟一号甲(A)」の発射とそのブランド利用のライセンシーだ 。驚くことに、配信からわずか5分で800人以上が50万元のデポジットの支払いを申請。最終的に、長光衛星技術有限公司が購入権を獲得した。
企業やメーカーも淘宝直播を重視しつつある。2019年末時点で、淘宝直播の1日の平均配信企業数は前年比100%近く増加。なかでも業界大手のアクティブ度が大きく高まっており、各企業の平均配信回数は1日1回に達している。
ライブ動画を自ら配信する企業も増え、ライブ中継に出演したCEO(最高経営責任者)の数はすでに100人を超えている。
動画配信者の特徴を見てみよう。その8割が「80後」(1980年代生まれ)と「90後」(1990年代生まれ)世代で、「90後」が全体の半数以上を占めている。また65%以上が女性だが、男性も増加傾向にある。男性の割合は2018年末には16.8%に過ぎなかったが、2019年末には30%に達している。(図8:動画配信者の年齢別構成)(図9:動画配信者の性別構成)