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毎年20~30%の成長市場、オンライン予約も始動
中国レンタカー市場にもモータリゼーションの好影響
2012年4月4日
  先日、都市別市場レポートの取材のため浙江省寧波市に行く際、上海からレンタカーを借りて運転しました。上海から寧波に行くには、杭州湾を越えなくてはならず、以前は杭州経由で杭州湾をぐるっと半周する必要があったのですが、2008年5月1日に杭州湾を南北に縦断する形で、北は嘉興市海塩県、南は寧波市慈渓県級市を結んで完成した杭州湾跨海大橋(全長35,673m)を通ることで、従来4、5時間かかっていた所要時間が3時間弱に短縮され便利になりました。

  中国は国際間の道路交通に関する条約であるジュネーブ交通条約を締結していないので、国際免許証で運転することはできません。よって運転をするためには中国国内で免許証を取得する必要があるのですが、その取得には日本での運転免許証と居留証が必要になりますので、原則、旅行者は運転できません。従前は日本の免許証を免許センター(上海では莘庄)に持っていけばすぐに中国の運転免許証を取得できたそうですが、いまは簡単な健康診断や適正検査などのほかに、筆記試験をパスする必要があります。実技試験は不要で、また日本の免許証の翻訳を資料として提出するのですが、政府公認の翻訳会社にお願いしないといけないことも注意が必要です。

  この筆記試験も、健康診断や適正検査終了後に3択の模擬問題集が日本語で100問手渡され、その2週間後くらいに再度免許センターに行き、コンピュータの画面を見ながらその100問を回答していくわけですが、それも最近では、模擬問題集が1,200問に増えているようで、少しずつハードルが上がっているようです。

  2011年の自動車販売台数が1,850.51万台となり(乗用車は1,447.24万台)、2009年から3年連続で自動車販売世界一になった中国。2011年11月には自動車保有台数が1億台を超え、朝夕の出退勤ピーク時に各都市の至るところで渋滞している光景はいまや当たり前となりました。理財週報連合新華信国際信息諮詢(北京)社がリリースした「2011年中国自動車消費ローン調査」によると、インタビュー対象者の46.6%が1年以内に自動車購入を計画しているそうです。また最新の統計によると、自動車保有者の男女比が女性51.4%、男性48.6%となり、2011年初めの女性43.1%、男性56.9%から逆転しているのも興味深い現象です。(「人民網」より)

  一方、新車販売台数が頭打ちし、特に都市部の若者の車離れが顕著になってきている日本では、レンタカーやカーシェアリングなどの人気が高まっていると聞いています。中国ではまだ車は「借りる」よりも「買う」対象になっているはずで、レンタカーの需要はまだ先の話と思っていましたが、実際には毎年20~30%で成長しており、2020年にはレンタカー車両が600万から1,000万台になると予想されています。(「中華工商時報」2011年9月2日付けより)

  実際にこれまで中国でレンタカーを3回利用したことがありますが、値段はセダン(1,600ccクラス)車の場合、1日大体200~300人民元(約2,600~4,000円)で、追加料金を払うと自宅まで配車してくれ便利です。ネット通販大手のB2Cサイト「天猫(Tmall.com)」でも最近オンラインでのレンタカー予約業務を試験的に開始するとの発表がありましたが、中国国内旅行の発展とともにレンタカー市場も今後目が離せません。

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