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香港から攻める中国市場
華南市場を見据えた香港進出のメリット
2012年4月25日
  先日、化粧品や健康食品を販売しているクライアントから、中国で商品の販売許認可が下りるのに時間がかかるので、まずは香港で事業をスタートさせるのはどうかという相談を受けました。確かに中国では、化粧品や健康食品などの販売許認可取得に年単位の時間がかかる場合が通例で、会社を設立したものの正式な販売スタートがその1年、2年先になってしまったということでは話になりません。

  中国の巨大市場と比較して、香港の人口は707万人(2011年末)に過ぎず、香港市場単体で見ると将来性は感じられませんが、お隣の1億人以上の人口を有する広東省はじめ華南マーケットを見据えたうえでの香港進出は一考に値すると考えます。

  これまでもファンケルや味千ラーメンなど香港で成功した日系企業が中国本土でも成功している事例があるとおり、香港でまずは経験とノウハウを蓄積したうえで中国進出という戦略もあっていいのではないでしょうか。

  香港での会社登記は、1香港ドルの資本金から可能で、中国のように、原則、貿易、卸売、小売等のライセンス取得に規制がなく、設立申請も1ヶ月程度で完了します。また通信販売についても、中国のように特別な規制は存在しません。

  また化粧品や健康食品に関しては、基本的に医薬や漢方薬の成分を含まない場合は一般商品として許認可なしで輸入及び販売できます。さらに、通関等の手続きも原則不要ですので、物流面でもまずは香港で事業をスタートさせるメリットは大きいといえます。

  中国で化粧品や健康食品を販売したいという企業はたくさんありますが、まずは香港で事業を展開し、香港人や本土からの中国人観光客をターゲットに情報発信し、一方で、中国での許認可手続きを進めながら、個人向けの越境販売の形で、本土の中国人消費者に対しても少しずつブランディングしながら顧客ベースを広げていくという戦略も考慮すべきではないでしょうか。

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