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住民の可処分所得高く、商品認知度も高い台湾
台湾市場の活用法は?
2012年5月2日
  先週は香港進出のメリットをとりあげましたが、台湾はどうでしょうか。
 
  2011年1月1日より発効した台湾・中国間の自由貿易協定であるECFA(エクファ)により、台湾経由での中国進出が日本でも脚光を浴びるようになりました。しかしこれはあくまでも台湾人や企業と手を組んで中国市場を攻略するための作戦であり、台湾市場そのものはどうなのでしょうか。

  確かに中国大陸と比べると、2,300万人強(2011年末)程度の人口しかいない台湾では、将来性含め魅力のある市場とはいえないでしょう。日本企業にとってもこれから海外進出する場合、当然台湾ではなく中国大陸へということになりますが、台湾への進出もいくつかの点で検討に値するところもあります。

  まずは大卒の初任給を比べてみましょう。智聯招聘薪酬データセンターの調べによると、中国では大学本科生卒業者の初任給は平均月収2,321人民元(約2万8,000円)でした(2010年12月29日付「NNA中国版」より)。一方、就職仲介サービスの104人力銀行によると、台湾での大卒初任給は2万7,652台湾元(約7万円)です(2010年6月22日付「NNA台湾版」より)。台湾の食費や家賃などの物価は上海と比べると若干低いくらいなので、20代台前半の若者を見ても、可処分所得は中国人よりも台湾人のほうが多いということになります。

  また、台湾はご存知のとおり親日家が多く、日本の商品や文化を好む消費者が多数います。日本の最新情報がインターネットだけでなく、テレビ、ラジオ、新聞など連日報道しているので、日本のブランドや商品がある程度認知されている状態から事業をスタートできます。実際にある通信販売のクライアントから、台湾での業績のほうが中国大陸よりも上だったと聞いたこともあります。

  単に市場規模が小さいからという理由で台湾を海外進出先候補から除外せず、台湾を別マーケットとしながらも、中国マーケット全体の発展戦略の一部分として、台湾進出及び事業展開も視野に入れることが必要なのではと考えます。

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