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絶妙な価格設定が人気の85度C
中国で拡大する台湾系ベーカリーチェーン
2012年5月16日

 85度C店舗写真
  最近よく飲食や健康食品含む食品企業からの相談を受けます。いずれも所得が上がりより高い生活水準を求める中国人をターゲットにしたものだと思いますが、上海でも日本食レストランが毎月数軒オープンし、現地の日本人向けフリーペーパーでも所狭しと紙面を賑わせています。

  これまで上海に進出する日本食レストランは、味千ラーメン、吉野家、サイゼリアなどを除き、多くが上海在住の日本人を相手にした個人経営のお店がほとんどでした。しかし2010年の上海万博以来、日本の庶民の食文化に触れた中国人のニーズを背景に、道頓堀くくる、はなまるうどん、丸亀製麺、サンマルクカフェ、大戸屋など急に日本でチェーン展開している企業の進出が目立つようになりました。

  このようにこれから中国でチェーン展開をと意気込んでいる日本企業を尻目に、短期で一気にチェーン店舗を拡大している台湾系飲食企業があります。それはベーカリー喫茶の「85度C」です。2003年に台湾台中市の大学構内でオープンした一号店を皮切りに、お手ごろ価格と豊富な種類のケーキが話題を呼び、2006年末には店舗数が237店、売上が23.6億台湾ドル(約65億円)となり、スターバックスを抜き台湾地区最大のコーヒーケーキショップになっています。

  現在全世界に566店舗展開している85度Cですが、そのうち売上の2/3に貢献しているのは中国で、2010年11月に上海で中国一号店をオープンして以来、わずか1年あまりで234店舗にまで拡大し(2011年末時点)、2015年には1,000店舗を目標としています。全世界の従業員数約1万2,000名強のうち約8割以上が中国で、全店舗の90%が24時間営業しています。

  ある台湾の投資家から聞いた話ですが、85度Cが中国で成長した原因のひとつは巧みな価格戦略です。彼らがスターバックスのコーヒー一杯の値段でコーヒー一杯とパンが1個買えるように値段を設定したところ、一気に人気と売上が爆発したとのことです。

  このように急成長する85度Cを中心に、来月5日に東京で開催する「チャイナマーケットインサイト第4回」で、台湾系飲食チェーン企業の内実を徹底研究したいと思います。85度Cがどのように店舗立地を判断し、パン職人や従業員を教育管理し、商品開発しているかについて実態に迫りたいと思います。

【チャイナ・マーケット・インサイト】第4回 2012年6月5日(火)開催
中国外食ビジネスでの急成長の秘訣に迫る「台湾系外食チェーン徹底研究」
http://www.cast-marketing.com/index.php?Mod=ECNews&Cmd=DataList&Action=Detail&ECid=54

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