中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!


未開拓巨大市場の南京のビジネスチャンス
ラオックスやヤマダ電機もある南京
2012年6月27日

  先週末、端午節の連休を利用して、都市別市場レポートの取材を兼ねて南京に行ってきました。南京市は江蘇省の省都で人口は810万人(2011年末)、GDPは6,140億人民元で、都市別で第14位にランキングされています。

  南京はかつて三国志で有名な呉や六朝(東晋、南朝の宋・斉・梁・陳)、十国の南唐や明などの王朝や南京国民政府の首都で、北京、洛陽、西安とともに中国四大古都のひとつとして有名です。また重慶や武漢と並び中国最大釜のひとつで、夏はとても蒸し暑くなります。たまたまかも知れませんが、先週末はもう6月下旬にもかかわらず涼しく快適で、三大釜を体験せずに済みました。

  南京といえば、日本人にとっては歴史的事件を背景にどうしても足が遠のいてしまう傾向にあり、これまでも蘇州や無錫などと比べ日本企業の積極的な進出ラッシュがありませんでした。しかし最近では中国最大手の家電量販チェーン店である蘇寧(スニン)電器の傘下に入ったラオックスやヤマダ電機がオープンし、日本でも少しずつ注目され始めています。

  早速、今年3月に南京最大の繁華街「新街口」に開店したヤマダ電機に行きました。お店に入ると日本の店舗とほとんど同じ内装で、商品の展示もテーマや機能ごとに分類され丁寧な説明文がすべての商品についていました。また店員も笑顔で愛想がよく、開催中の会員プログラムの入会キャンペーンの勧誘に熱心でした。ただ客足は連休にもかかわらずそれほど多くはなく、蘇寧とのガチンコ勝負の厳しさを目の当たりにしました。

  一方、南京市内の他の主要な商圏では人出も多く、ローカルのデパートでは大して特別なキャンペーンをしていないにもかかわらず、多くの客で賑わっており、前回訪れた蘇州よりもより旺盛な消費マインドが感じられました。

  南京で特に気づいたことは日本のブランド商品どころか日本食レストランさえもあまり目にする機会がなかったことです。一方で至るところにスターバックスがあったことから南京市民が異文化を受け入れないわけではないことがわかります。それどころかローカル系のテイクアウト専門のお寿司やラーメン店が多くあり、実際に購入している消費者もたくさんいました。

  ついつい歴史的背景から南京を遠ざけてしまいますが、ヤマダ電機も南京に進出した理由として地元政府からの積極的な勧誘があったからと聞いたことがあります。南京政府も市民ももっと日本の商品やサービス、さらには文化などについて触れたいと思っているかも知れません。日本企業にとっての未開拓巨大市場である南京、ぜひここで再考していただきたいと思います。

 Copyright (C) CAST Consulting Co., Ltd. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
本資料に関する著作権は弊社又は弊社に所属する作成者に属するものであり、本資料の無断引用、無断変更、転写又は複写は固くお断りいたします。



このページをA4版で印刷する
 前のページに戻る

pageTop