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経済規模で中国第4位の天津はまだまだ高成長
異国情緒あふれる天津、消費熱も右肩上がり
2012年7月25日
異国情緒あふれる天津、消費熱も右肩上がり 先週末は都市別市場レポートの取材を兼ねて、天津に行ってきました。天津は北京、上海、重慶と並ぶ直轄市のひとつで、首都北京のお膝元として、中国北方最大の対外開放港を備えた環渤海湾地域の経済・貿易・工業の中心地となっています。市の中心部から「TEDA」の名称で知られる天津経済技術開発区が設けられた濱海新区へ流れる海河の河口に大規模な港湾やコンテナターミナル、工業地帯が形成されています。

 天津市の2011年の域内総生産(GDP)は1兆1,300億人民元(約13兆8,500億円)で、上海、北京、広州に続いて第4位で、今年上半期も昨年同期比14.1%増の5,864億9,400万元(約7兆1,800億円)とのことで、引き続き高成長を維持しています。トヨタ(一汽豊田)の一大生産拠点として有名な天津は多くの日本企業も進出し工業都市のイメージが強いですが、人口は1,000万人を超え、最近新しくショッピングモールなどの商業施設が相次いでオープンし、消費熱も盛り上がっていました。

 町並みを歩いていて特に気がついた点は、まず街の至るところでクレーンが乱立するほどの建設ラッシュであること。特に市の中心部では大規模なビルの建設があちらこちらで進行中でした。また一方では、そんな現代都市的な町の様相とは一転して、中国ではあまり見ることのない異国情緒たっぷりの洋風建築や通りがたくさんあることでした。

 天津は1858年の第2次アヘン戦争で英仏連合軍に敗北し、天津条約により開港されて以来、北京の外港として急発展し、19世紀後半から20世紀前半にかけて、欧米列国(イギリス、フランス、アメリカ、ドイツ、オーストリア、ベルギー、イタリア、ロシア)や日本が租界を設置し、中国で最も租界の数が多い都市になったそうです。

 工業中心のローカル色の強いイメージだった天津ですが、まるでアメリカのボストンを思わせるような赤レンガを基調とした西洋風建築物が数多く存在し、あたかも上海の外灘や新天地を拡大したような風景が広範囲に広がっていました。まだ上海のようにこれら歴史建造物が商業目的に利用されている様子はありませんでしたが、今後の天津市民のニーズの高まりとともに商業やサービス業への活用が急ピッチで進められるのではと思いました。
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