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市中心部に集中する南京の代表的商圏(1)
南京の中心は新街口商圏、周辺都市にも大きな影響
2013年3月7日
ヤマダ電機は南京を代表する新街口商圏に旗艦店をオープンした
ヤマダ電機は南京を代表する新街口商圏に旗艦店をオープンした
 南京市は中国で最も裕福な江蘇省の省都かつ最大の都市として発展を遂げており、消費ムードも盛り上がっている。小売売上高を1人当たりで換算すると全国第5位の3万3357.9元に上る。1人当たりの平均消費支出は2万763元で、長江デルタ地域において第5位だ。同市が消費大都市であることをよく表しているデータと言えるだろう。

 南京の商圏の特徴点としては「集中」というキーワードが挙げられる。重要な商圏は、新街口、鼓楼(湖南路)、夫子廟の三つである。これらは全て市中心部に位置し、新街口を中心として南北に伸びている。その新街口は南京を代表する一大商圏。市の小売総額の約13%を占めている。

 新街口の中心地は0.275k㎡ほどと小さいが、売場面積1万㎡以上の大中型商業企業は30社を超え、1日当たり70万人の買物客が訪れる。地元南京のほか、周辺都市の蕪湖、馬鞍山、揚州、鎮江などの市民が週末になると新街口まで出てきて買い物をするというのが、今や当たり前の光景となっている。同地区の消費の30%は周辺都市から来た市民によるものというデータもあり、周辺地域に対して大きな影響力を持つ商圏と言えよう。ヤマダ電機は、瀋陽と天津に続いて中国で3番目の店舗となる南京店を同商圏内にオープンした。7フロアで総売場面積が1万6000㎡に上る大型店だ。

 新街口にある商業企業はミドル~ハイエンドの百貨店が主である。徳基広場、金鷹購物広場、東方商城がその代表格だ。このほか、トレンドファッション路線として中央商場、大洋百貨、金輪新天地、大衆路線では南京新百、万達商場などがある。それぞれの商場が十字路の四つ角に位置し、上海の徐家匯を彷彿とさせる。2010年の地下鉄2号線の開通で、各商場が地下鉄駅を通じて全てつながり、ショッピングはさらに便利になった。

 徳基広場は南京を代表するショッピングセンターだ。ルイ・ヴィトン、エルメス、カルティエ、ティファニー、ブルガリ、シャネル、ディオール、トッズ、ヒューゴ・ボス、アルマーニなどの高級ブランドがテナント進出している。地階に出店しているユニクロは、ビル自体が地下鉄駅と直結していることもあり、買物客の流れが驚くほど多い。

 一方、中央商場と南京新百都はいずれも南京の老舗店舗。大衆向けの流行ブランドがメインである。地元南京人の受けがよく、年商はそれぞれ30億元、20億元となっている。

徳基広場は高級ブランドが集まる、南京で最もハイエンドな商業施設
徳基広場は高級ブランドが集まる、
南京で最もハイエンドな商業施設

 金鷹は地場系百貨店だ。VIP 顧客を10万人以上持ち、年商は15億元を超える。ファンケル、コーセー、シュウ ウエムラなどの化粧品ブランドが揃っていることが売りの一つだ。このほか、金輪新天地はH&MとSephoraが出店していて、若者に人気がある。

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