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SUVブームの火付け役、長城汽車の市場戦略(1)
買い替えと2台目需要が大きいSUV
2013年6月17日

 中国の2012年の新車販売台数は前年比4.3%増の1930万6400台だった。2年連続で1ケタ成長にとどまり、2000万台達成を前に減速感が強い。ただ、車種別で見ると多目的スポーツ車(SUV)の伸びが著しい。12年販売台数は前年比36.7%増の200万台あまりで、全体の伸び率を大きく上回っている。

 SUV市場はここ数年、市場での存在感を増している。自動車販売全体に占めるSUV比率は07年時点は5.6%だったが、11年に10%を上回り10.3%、12年は12.9%まで上昇した。

 騰訊(テンセント)の自動車専門サイト、騰訊汽車のまとめによると、1台目購入は87%がセダンを選びSUVは10%に過ぎないが、買い替えでは全体の18%、2台目以降の購入では同31%がSUVを購入するというデータが明らかになった。自動車需要が一巡し、また市民の所得も向上してきたことから、SUV市場の裾野が広がってきたと言える。加えて、消費者の若年化によるセダン離れ、道路整備が進んでいない内陸部でオフロード車兼用としてのSUVの使い勝手の良さなどにも後押しされたと考えられる。

 そのSUV市場で主役となっているのが長城汽車だ。12年SUV販売台数ランキングでは、同社が製造する「哈弗(Haval)」が28万1200台で堂々の首位。大手外資系ブランドを抑えての1位は価値あることだ。同社の12年販売台数は前年比28.5%増の62万4439台で、そのうちSUV比率は45.1%だった。(続)

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