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若者世代の会社選び、希望と現実を求めて
80后は「銭途」、90后は「前途」を重視?
2013年8月1日

 社会の中心になりつつある「80后(1980年代生まれ世代)」と「90后(1990年代生まれ世代)」。近い世代ではあるが、思考やライフスタイルには微妙な違いがある。仕事や職場に対する考え方も異なるようだ。中国現地紙がまとめた、合同会社説明会での両世代の様子を見てみる。

 一番の大きな違いは、80后は「銭途(おカネ)」や「安定」を、90后は「前途」を求めていることだろう。これはもちろん、年齢や社会経験の差から生まれてくる。20代半ばから30代前半が中心の80后は、ある程度の社会人経験を有し、また結婚や出産などプライベートでの大きな変化もある者が多く、安定した仕事と給料が優先事項となる。

 80年生まれの王さん(男性)は、02年に大学を卒業後、旅行ガイド、デザイナーなどを経て、ある企業の人事関係部門で5年間働いた。今回はより良い待遇を求めて転職活動をしているという。「私たちぐらいの世代になると、家を養わなければならない。物価は上昇しても給料は上がらない。生活水準は下がる一方。待遇面での要求を低くするわけにはいかない」と語る。彼の希望給与は4000元以上。条件に合う仕事があれば安定的にずっと続けて行きたいとし、「将来の職務に対しては大きな期待は持っていない。落ち着いて仕事ができることが一番」としている。前職を辞めたのも、じっくり考えてからの苦渋の決断だったという。

 82年生まれの牛さん(女性)は会計部門で5年間の職歴を持つ。新しい仕事に対しては給与3000元以上の他には特別な要求はないという。8歳になる子供がいるため、職住近接を希望。できるだけ家にいて子供の勉強を見てあげたいため、通勤時間を無駄にしたくないとのことだ。

 一方、90后は会社の展望や自身の前途を重視する。今年大学を卒業したばかりの張さん(女性)は、家族が勧めてくれた銀行職を蹴り、会社説明会にやってきた。彼女が求めているのは高い給与ではなく、会社の発展の方向性や、その中で自分がステップアップできるかどうかということ。80后に比べて生活上のプレッシャーが少なく、自分なりの夢や希望をより優先していると言えよう。

 92年生まれのもう1人の張さん(女性)は現実的な要望も口にする。「新卒なので給与水準は2000元前後」とする一方、保険や宿舎の提供を重視している。ただ、「実力のある会社を見つけられればいい。自分の能力を高める保証になるから」と語り、まずは安定感のある会社に入り、自身のレベルアップを図っていきたいという希望を強調していた。

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