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都市部定着を目指せ! 90后の農民工(1)
貯蓄よりも消費、都市部の90后農民工
2013年8月19日

 90后(1990年代生まれ)という言葉が注目されているが、この層を語る時、これまでは都市部在住で両親が比較的裕福な家庭の子女が目立ってきた。しかしながら、90后はもちろん多面的な広がりを見せている。重慶市の現地紙「重慶商報」が「90后農民工調査」と題した記事の中で描いた農村出身の若者のライフスタイルを取り上げてみる。

 農民工は農村出身で都市部に出稼ぎに出ている者の総称。農村部から都市部へ、内陸部から沿岸部へという人の流れの中心的存在だ。ただ、「出稼ぎ」という言葉でひとくくりにするのは多少時代遅れかもしれない。これまでは都市部や沿岸部で働き、いつかは地元に帰って錦を飾るというのが一般的な農民工のスタイルだったが、90后を中心とする若者はむしろ都市の生活に同化し、その地でどうやって根を張るかを重視している。その傾向はライフスタイルにも表れており、稼いだお金は貯蓄よりも消費に向かいがちだ。

 「今月もクレジットカードで1200元使っちゃった!」。1990年生まれで重慶市江津区出身の程さん(女性)は、毎月のようにカード払いでの出費がかさむ。市内に来てから4年たち、今は子供向けの英語教師をしている。給料は3000元ほど。友人が皆、クレジットカードを使っているため、カード消費に慣れてしまったのだという。「現金を払わなくてもいいから、買物の時はそれほど『もったいない』という感覚はなくなった」と語る。

 94年生まれの徐さん(男性)は彭水苗族土家族自治県の出身。空調機器の取付業者で仕事をしている。「重慶に来て3年。仕事はきついけど、収入も少なくない」と語る彼の月給は4000元前後。「仕事がきついからこそ自分にご褒美を与えなきゃ」ということで、給料は全部使い切ってしまうという典型的な「月光族」だ。最近はサムスンのスマートフォン購入を考えるなど、アパレル、グルメ、IT製品などではブランド志向が強い。しかしながら、故郷に帰る気はなくこのまま市内に住み続けたいので、両親の消費観念に倣い、節約をしなければとも思っている。(続)

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