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中国ビジネス最前線 ~現地企業のキーパーソンに聞く~
中国製紙業界の現状と市場戦略(1)
2013年9月24日

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「恒安集団」、「維達」、「金紅葉」は中国三大家庭紙メーカー

今回インタビューを行った金紅葉紙業集団は、インドネシアの総合製紙メーカーのAPPグループ傘下企業で、アジア最大の家庭紙メーカーである。中国では二つの製紙工場と八つの加工工場を、天津、瀋陽、成都、武漢、福州、広東、海南、清遠などに有しており、販売ネットワークは中国全土にわたる。従業員数は1万3000人を数える。年産量は原紙が48万トン、加工紙が60万トン。代表的製品は、トイレットペーパー、業務用特大トイレットペーパー、各種ティッシュペーパー、紙ナプキン、キッチンペーパー、ペーパータオル、ウェットティッシュなど。「唯潔雅」「清風」「真真」の三つがコンシューマー向けブランドだ。「心相印(恒安集団)」「維達」に次いで家庭紙メーカー第3位につけている。

  今回は同社の全国マーケティング部のシグリッド・リー総監にB2B生活用紙市場について話を聞いた。

――金紅葉紙業のB2B市場の現状を教えてください。
  B2B市場向け製品は当社売上高全体の15%前後を占めている。中国市場ではトップで、ライバルの維達を上回る。販売製品のうち、75%が「唯潔雅」「清風」「真真」の3ブランドで展開しており、残りの25%が顧客からのオーダーメイド。組織管理上では、コンシューマー向け製品は中国市場を東西南北の4地区に分けて営業展開しているが、B2B市場向けは10地区(上海、浙江、蘇皖(江蘇省と安徽省)、華中、西南、華北、華南、東北、魯豫(山東省と河南省)、その他潜在的地域(西北など))に分けている。全土に73の営業店を有し、市場を細分化している。

――B2B製品の主要販売チャネルはどのようなものですか。
  製品の70%はディーラー(取次販売商/卸売商)経由で、30%は直接販売だ。コンシューマー向け製品ではブランド力が物を言うのに対し、B2B市場では強力な(自社の)後方支援に加え、強いディーラーと組むことが末端市場まで食い込めるポイントだ。レストランの紙ナプキンを例にとると、通常はどのブランドかは重要ではなく、配送の質、価格、品揃えの豊富さなどが重視され、場合によっては営業スタッフによるアフターサービスにも左右される。そのため、営業ネットワークを広く持っておくことは非常に重要だ。このほか、政府機関や医療機関などへの販売チャネルを持っているなど、独自の強みを有するディーラーがいることにも注目したい。これらの顧客は我々だけで開拓するのは難しい。健全な卸売りと販売ルートを確保することがB2B市場では大切になる。

――どのようにディーラーを管理しているのですか。
当社は各地区で「戦略的ディーラー」を育てている。上海には1~2社の戦略的ディーラーがいて、その下に数十社の卸売商を置いている。我々はこの戦略的ディーラーを成長のための共同パートナーと見ている。彼らには販促費のようなリベートなどの優遇策を与えている。当社が自主開拓した顧客の一部がディーラーの業績にカウントされることもある。ただ我々は、戦略的ディーラーのポジショニングや取扱製品の品目及びブランドを重視する。今年から各ディーラーに対して管理システムを導入し、ディーラーの販売実績、在庫、小売商と顧客の状況を容易に把握することができるようになった。(続)

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