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2014年の中国奢侈品市場(1)
伸び悩む奢侈品市場、海外購入は増加傾向
2014年1月6日

 伸び悩みが続く中国の奢侈品市場。内外価格差のため海外で購入する消費者が増加したり、企業側の積極的な店舗展開が裏目に出てブランド価値が低下するなど、様々な要因が指摘されている。2014年の奢侈品市場はどのようになるのだろうか。

 13年、上海外灘のジョルジオ・アルマーニとドルチェ&ガッバーナの旗艦店が閉店した。同じ通りのパテック・フィリップとブシュロンも撤退。カルティエは中国で10店舗を閉鎖するとも伝えられた。景気低迷などを背景とした販売のスローダウンが大手ブランド店にも影響を与えている。

 ベイン・アンド・カンパニーがまとめた「2013年中国奢侈品市場研究」によると、13年の中国奢侈品市場は前年比2%程度の成長にとどまった。11年の30%、12年の7%に比べるとスローダウンが際立っている。08~12年の年平均複合成長率は27%だったが、このペースが今後弱まることは必至だ。

 各ブランドの販売状況もさえない。ルイ・ヴィトンの13年の中国市場売上高は前年比でわずか1%程度の増加にとどまったようだ。13年1~3月期のスイスから中国への腕時計輸出額が前年同期比26%減だったことも、奢侈品市場の不調を物語っている。香港の高級腕時計のディーラーによると、以前は200万元の腕時計の売れ行きが好調だったが、13年は客単価が10万元以下にまで落ち込んだという。

 ベインなどの推計によると、世界の奢侈品消費額の約13%はグレーターチャイナが占めている一方、奢侈品購入者の29%は中国人ということである。市場規模よりも購入者の方が勝っている。つまり、「域内消費」ではなく「海外消費」が盛んということだろう。実際、13年において中国人の奢侈品消費額の60%は海外で消費された分ということだ。内外価格差があるため、海外旅行時の買物、代理購入、ネット販売などを通じた奢侈品消費が伸びている。(続)

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