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キーワードで読み解く2014年の中国消費トレンド(6)
ニッチ分野のヒット商品を探せ
2014年2月14日
【消費財】 ~ニッチ分野のヒット商品~

 中国の消費者は価格だけではなく品質を重視する傾向にある。また、環境問題の深刻化などを背景に、安全性や安心面も大きなポイントになってきた。消費者トレンドをうまく捉えたヒット商品が出てくる可能性が高い。 ⁞

零度果坊の果汁飲料はシンプルで健康的なイメージ
零度果坊果汁飲料はシンプルで健康的なイメージ



◆商品価値を重視、価格は二の次

 商品選択の幅が広がるにつれ、消費者は高品質な物を求めるようになっている。もはや価格は商品選択時の最優先ポイントではない。品質はもちろん、商品の信頼性や評判を重視するようになっているのである。

 その好例がヨーグルト市場で見られる。上海光明乳業が発売する高級品「如実」が人気を集めているのだ。中国ではまだ珍しい無糖タイプで、「天然原料」「無添加」「新鮮」などをアピールしている。価格が他製品の2倍近くなのにもかかわらず、上海の消費者には好評だ。食の安全性を求める消費者心理や、ライフスタイルの変化に伴うヘルシー志向などに合致したのだろう。バス・トイレタリー分野でも同じような現象が見られる。シャンプーではいわゆる大衆ブランドのP&Gに加え、ドイツのシュワルツコフが販売するハイエンド製品の人気が上昇している。

 果汁飲料では零度果坊の躍進が目立つ。同社は、ピンクグレープフルーツ、キウイフルーツ、マンゴーなどのフルーツジュースを販売。フルーツの写真が鮮やかにプリントされているカラフルでシンプルな容器も人気だ。販売価格は300mlタイプで16元とかなりの高級品。しかしながら、こちらも健康志向のブームに乗り、売れ行き好調だ。成都発のこのブランドは、販売開始から1年間で40都市以上に進出し、毎月2割以上のペースで売り上げを伸ばしていった。同社の孫雋総経理は、「中小企業は康師傅や統一のような大企業にはかなわないので、差別化を図るしかない。市場を細分化し、我々(の商品)が『満足させられるセグメント』に集中する」と語る。大きな広告は打たず、口コミで市場をじわじわと拡大しているのも同社の特徴だ。統一のチルド事業部総経理によると、単価15元以上の飲料品及びスイーツ市場は14年も伸びていきそうだ。

◆食の安全問題が頻発、「天然無添加」重視

 13年、中国の消費者の関心は理財商品などの投資や医療コストの上昇などに向かったが、それと同じくらい自分や家族の健康への興味が高まった。前項でも見たように、食の安全は中国社会の大きなテーマの一つ。健康重視はまず安全な食品から、ということなのだろう。所得水準の向上もこの傾向に拍車をかけている。

 食の分野では有機栽培の野菜が人気だ。有機野菜販売のインターネットサイトも登場した。また、保健飲料や天然素材の化粧品市場も拡大している。現地では、ホワイトでもブルーでもない、環境に優しい層がけん引する「グリーンカラー経済」の勃興を伝えるメディアも目立った。(続)

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