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急成長の百麗国際、靴からアパレルへ多角化目指す(1)
婦人靴で圧倒的シェア、徹底したマルチブランド戦略
2014年3月17日

 「BeLLE」と書かれた赤いロゴ、整然と並ぶバラエティに富んだ靴……。中国の百貨店やショッピングモールに行けば必ずと言っていいほど見ることができる光景だ。これらの店舗を運営するのは婦人靴最大手の百麗国際(ベル・インターナショナル)。製造から販売までを手掛ける、いわば「婦人靴SPA」である。

 中国で婦人靴と言えば百麗だ。2012年における婦人靴ブランドの販売ランキングでは、トップ10のうち百麗傘下のブランドが6つを占めた。トップ3を「百麗(Belle)」「天美意(Teenmix)」「他她(Tata)」の順で独占し、4位が「思加図(Staccato)」、8位が「百思図(Basto)」、9位が「森達(Senda)」と続く。トップの百麗はなんと17年連続で中国販売額No.1という「最強ブランド」だ。

 同社は1991年に靴製造業に進出し、中国の経済発展と共に右肩上がりの成長を遂げてきた。拠点は香港にほど近い深センに置き、大量生産と店舗展開のスピードが大きな武器。00年前後からスタートしたマルチブランド戦略が成功し、各ブランドは特に都市部に住む女性から大きな支持を受けている。

 13年12月期の売上高は362億4910万元(約6160億円)。04年の8億7000万元と比べると、ここ10年で売上規模は40倍以上に成長した。直営店舗数は13年12月末時点で1万9233店(中国・香港・マカオ)。07年に香港証券市場に株式を上場後、急速に出店ペースを速めている。

 前述のように、同社の特徴としては複数のブランド展開が挙げられる。20~30代をターゲットにした「Tata」、OL向けの「Staccato」 、低価格の「Basto」など、それぞれが個性豊かな特色を持ち、さまざまなターゲット層に訴求している。これらの自社ブランドのほか、「Bata」「Clarks」「Hush Puppies」「Mephisto」「Merrell」「Caterpillar」などの販売も一部行っている。価格帯は300~1800元とさまざま。女性が自分のライフスタイルに合った靴を選べる仕組みだ。

 この靴事業が百麗の売上高の61.46%(13年)を占めるが、残りの38.54%はスポーツ用品の販売代理店事業だ。実は同社はナイキの中国における最大の代理店。ナイキは中国で6000店以上を展開しているが、そのうち2000店以上は百麗が経営しているという。このほか、アディダス、プーマ、コンバース、ミズノなどの製品も取り扱っている。(続)

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