中国消費洞察オンライン〜中国ビジネスをマーケティング視点から再構築!


中国O2Oビジネス最前線(6)
大衆点評網 ~グルメ情報中心の口コミサイト大手~
2014年4月18日

 大衆点評網は03年に設立された口コミサイトのリーディングカンパニーで、日本のぐるなび、食べログのような存在だ。少々古いデータになるが、13年4~6月期におけるアクティブユーザー数は7000万人超、コメント数は2600万超、紹介店舗は中国2300以上の都市の400万店近くに上る。生活情報サービスサイトの市場シェア(登録会員数ベース)は25.5%で第1位だ。

 レストランやバーなどの飲食施設を中心に紹介している点は日本の同種のサービスと変わらない。同社の特徴は、美容院やジム、ショッピングモールなども網羅していることだ。検索と評価をワンストップで済ませたいユーザー志向に沿ったサービス展開となっている。

 同社はスマホなどのモバイル端末向けサービスで業界の先頭を走ってきた存在でもある。09年末にアンドロイド端末向け、10年初頭にiPhone向けアプリを投入。13年7月におけるモバイル端末経由でのサイト及びアプリ閲覧数は全体の70%まで上昇した。

 同社の収入源及び事業は、(1)割引クーポンの配信による手数料と広告料、(2)検索エンジンの有償サービス料、(3)会員からの会費、(4)予約サービスによる手数料、(5)クーポン共同購入、などとなる。このうち、(5)のクーポン共同購入が最大の収益源で、12年は約30億元を売り上げたとされる。粗利益率が10%とすると純収入は約3億元となり。同社の12年売上高(約8億元)の半分近くを占めたことになる。

 一方、同社のボトルネックになっているのは情報の信頼性である。もっとも、これは業界全体の問題でもあるが、口コミサイトという性質上、偏った評価や不自然なコメントが多くなる傾向にある。今のところ効果的な解決方法はないため、今後は評価自体の検証やコメント投稿者の認証厳格化などが進むことも考えられる。また、2300以上の都市をカバーしているというものの。正式に支店を開設している都市は30余りに過ぎず、それも一~二線級都市に集中している。三~四線級の地方都市の開拓が今後の大きな課題になるだろう。

このほか、地図と決済(支払い)は自前ではなく、他社機能に頼っている点もウィークポイントとして挙げられている。しかし、14年2月、同社はテンセントからの出資受け入れを発表したことで様相が一変した。ネットサービス大手のグループ企業となることで、メッセンジャーの微信やオンライン決済の財付通の活用が可能になると見られ、O2Oプラットフォームの強化につながる。大衆点評網は新たなスタートを迎えたと言えよう。(続)

image014.gif

Copyright (C) CAST Consulting Co., Ltd. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
本資料に関する著作権は弊社又は弊社に所属する作成者に属するものであり、本資料の無断引用、無断変更、転写又は複写は固くお断りいたします。

このページをA4版で印刷する
 前のページに戻る

pageTop