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ゴージャス施設が続々登場、首都・北京の力強い消費(3)
王府井で人気の北京apm
2014年5月29日
★北京で話題のモール紹介★

【北京apm】

 北京apmの前身は、北京のみならず中国全土でも名が知れた新東安広場。香港の新鴻基地産が3億4000万元を投じて全面改装し、2008年に新装オープンした。同社が中国で初めて手がけたショッピングモールである。11年にはさらに2億元を投じて内装を一新。目抜き通りの王府井大街に面しているなど、ロケーションも抜群だ。apmという名前からも示されるように、営業時間は朝9時から夜10時までと長く取ってある。
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apmの概観は洗練され、高級感も漂う


 王府井と言えば伝統的な商業ストリートで、今でも中国を代表する買物スポットだが、地方からの客を目当てに各商業施設が半ば観光地化しており、地元北京人のニーズを完全には満たしていない状況が続いていた。また、王府井百貨など多少時代遅れの商業施設が並び、ショッピングの魅力にも欠けていた。そこで登場したのが、大きなガラス張りのディスプレー、自然光を取り入れた広々としたショッピングスペースを誇るapm。香港の明るくて清潔なモールを彷彿とさせ、その斬新なデザインと相まって、地元北京の18~35歳の消費者層を惹きつけた。GAPやForever21、H&Mの旗艦店、3フロアから構成されるZaraなどを誘致し、同消費者層への訴求にも力を入れた結果、「若者向け」「オシャレ」「トレンド」というイメージが抱かれるようになり、人気を後押しすることになった。

 3フロア構成で総面積約2300平方メートルを誇るアジア最大のアップルストアも目玉テナントの一つ。ロレックス、チュードル、ロンジン、ティソ、オメガ、ブランパン、カール F. ブヘラなどの高級腕時計ブランド、周大福、六福珠宝、太子鐘表珠宝、パンドラなどの金・ジュエリーブランドも揃う。また、GUESS、CPU 、earth, music & ecologyなどオリジナリティーのあるブランドも進出しており、バラエティー豊かな構成だ。ブランドの入れ替えやレベルアップを常に行い、北京のトレンドモールとして安定的な地位を築いている。

 他モール同様、飲食施設にも力を入れている。30以上あるレストランでは、老舗火鍋店の東来順、人気韓国料理店の火炉火、ニューチャイニーズスタイルの太興などがあり、台湾料理が味わえる鹿港小鎮や度小月、香港系寿司チェーンの元気寿司や板長寿司、日本からは讃岐うどんの丸亀製麺やとんかつのさぼてんなどが進出している。度小月や丸亀製麺は価格もリーズナブルなので、ランチタイムには周辺のサラリーマン・OLが店の前で行列を作るなど、非常に人気が高い。(続)

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