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90後の消費性向を踏まえたマーケティング手法とは(1)
“ありのまま”の自分を表現、ブランドはストーリー性を重視
2014年7月28日

 高学歴でも就職難。自分第一で、クローズドなコミュニケーションを重視。口コミ参考にトレンドをチェック。欧米ブランドへのあこがれは限定的――。90後が徐々に社会に進出するにつれ、彼らの定義付けもある程度形になってきた。では、企業側はこの世代にどうアピールし、どのように商品を売って行けばいいのだろうか。答えは一つではないが、改めて90後の特徴を踏まえ上で、新たなマーケティング手法のヒントを探っていきたい。

「僕はただの23歳。70後でも80後でも90後でもない。僕は僕なんだ!」――。

 これは、視聴者参加型のオーディション番組「快楽男声」で2013年度のチャンピオンに輝いた華晨宇の言葉である。1990年生まれの彼は、その美しい歌声と気取らない性格やライフスタイルが支持され、今や若手歌手の代表格となっている。

 彼自身はいわば“ありのまま”の自分でいることを強調し、特に90後という世代を代表しているわけでもないとする。しかしながら逆説的なことに、このような考え方こそが90後の特徴と捉えられている。「自分を大事にするナチュラル志向の若者」といったところだろうか。

 中国には90年代生まれの90後が約1億4000万人いるとされる。全人口に占める割合は12%弱。年代的には彼らの半分程度が大学生の世代だが、今後は毎年1000万人規模で90後が社会に出てくると見られる。

 中国では今、この世代をターゲットとしたマーケティング戦略の議論が数多く行われている。背景には、不惑を迎えて生活に落ち着きが出始める70後、結婚などの人生のイベントを迎えて貯金や節約志向などもうかがえる80後に代わり、90後が中国消費市場の主役に躍り出ていることがある。

 我々は2013年に90後を「リツイート世代」と名付け、口コミマーケティングなどの重要性を取り上げた。また、「志向は独創的、消費は現実的」とも表現し、他世代との違いをあぶり出してきた。今回は改めて90後の特徴とマーケティング手法や考え方について、中国の最新動向を踏まえながら紹介する。(続)

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