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90後の消費スタイルと最新トレンドを探る(14)
「自分撮り」需要で画像加工アプリが話題に
2014年9月19日

 90後にとって、インターネットは空気と同じで、あって当然という存在だ。就寝時を除けば、ほぼ全ての時間をネットに頼っていると言っても過言ではない。ネット利用におけるモバイルとPCの比率は、学生は50:50、社会人はモバイル経由が約8割という。
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人気アプリの天天P図


 用途は、百度などでの検索がメインとなり、それ以外では微信や微博での情報発信・収集及びコミュニケーション、動画閲覧、ニュースのチェック、淘宝(タオバオ)などのネット通販利用が多い。

 スマートフォンの人気アプリは、まずは微信と微博が基本中の基本。動画系では優酷土豆(Youku Tudou)や愛奇芸(iQiyi)、グルメ情報では大衆点評の人気が高い。決済の支付宝手機銭包やタクシー配車アプリの嘀嘀打車もよく使われている。SNS系では、QQや人人網の利用率が特に学生の間で高い。しかしながら、社会人はこれらをほぼ使用せず、微信を活用しているという。

 その中でも一番話題のアプリとしては、画像加工の天天P図や美顔相機、アバター作成の臉萌などが挙げられる。いずれも自分自身を写真や似顔絵でアピールし、ネットで公開したいという90後のスタイルに合致したものだ。中国の若い女性たちの間では「自分撮り」が流行中。回転するフレームを採用し、液晶モニターを見ながら自分を撮影できるカシオのTRシリーズカメラもヒット商品となったが、背景にあるのは「自分の写真はきれいに撮って見せたい」という美意識である。

 このほか、Instagram、Instawether、Snapseed,、Afterlightなどの画像投稿系アプリ、モバイル向けブラウザのUC瀏覧器に加え、スタンプが評判のLINEも人気がある。

 今のところ、無料アプリやコンテンツを主に使う90後。ただ、画像加工のAfterlightや旅行目的で使うLonely Planetなどの有料アプリの購入に加え、ゲームの課金アイテムを積極的に使う者も増えてきた。日本ほどではないが、有料アプリ及びコンテンツという概念が徐々に浸透してきているとも言えよう。

 情報収集に関しては、微博と微信の朋友圏が主要チャネルとなっている。微博ではニュース、ジョーク、トレンド情報などを主にチェックする。微信はクローズドな空間でのコミュニケーションなので、友人同士で比較的信用できる情報を交換し合うのに用いられる。新製品の評判や口コミ情報の交換にはもってこいのツールだろう。

 微博や微信における景品キャンペーンへの興味も高い。情報や広告の転送やフォローを行うことでプレゼントがもらえるという類のサービスだ。もっとも、大部分の広告がウソだと知った上で「やっても損はない」という程度のスタンスで気軽に行っている。中国のネット上では広告宣伝情報が蔓延しているが、その一因として90後が興味本位で情報を拡散していることも挙げられるだろう。(続)

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