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西部の覇権争う重慶と成都、消費スタイルは好対照(5)
【成都】春熙路がショッピングの一大中心地
2014年10月6日

 成都の繁華街は市中心部に位置する春熙路だ。この界隈が大きな歩行街になっており、商圏は地下鉄で1駅先の天府広場まで広がっている。重慶の解放碑商圏と異なるのは、若くてお洒落な雰囲気に満ちていることだ。同商圏には、王府井百貨、伊勢丹百貨、イトーヨーカ堂、群光広場、銀石広場に加え、14年にオープンしたばかりの国際金融中心などの大型百貨店及びモールが軒を並べる。大衆的、ファッション重視、ハイエンドなど様々なタイプの商業施設が揃うことで、市民のショッピングの一大中心地として君臨している。
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春熙路沿いには小型アパレルショップも目立つ


 王府井百貨の年商は32億元超で、単体の百貨店としては中国第13位だ。エスティ・ローダー、クリスチャン・ディオール、ランコム、シャネルなどが揃う化粧品コーナーの売上高は全国でも三本の指に入る。また、イトーヨーカ堂春熙店は同社の成都第1号店で、20~35歳の消費者をターゲットとした唯一の店舗である。どの時間帯も買物客であふれている盛況ぶりだ。国際金融中心はラグジュアリーブランドが多数入居しており、ルイ・ヴィトン、シャネル、プラダ、クリスチャン・ディオールや香港のレーン・クロフォードなどがその代表格だ。このほか、春熙路沿いに並ぶ小規模なアパレル専門店の人気も高く、ファッショナブルな成都の女性がこの界隈を闊歩している姿を見ることができる。

 春熙路に隣接する塩市口商圏はいささか古く、雑然としたイメージが漂うものの、規模は目を見張るものがある。代表的な商業施設としては、Ego潮流広場、新世界百貨、茂業天地、仁和春天百貨、遠東百貨、仁恒置地広場などがある。このうち、Ego潮流広場はターゲットを若者に絞り、今が旬のトレンドブランドを数多く取り揃えている。成都の90後(1990年代生まれ世代)にとってショッピングの聖地的位置づけで、しいて言えば渋谷109に例えられよう。老舗の新世界百貨は、ブランドや雰囲気は中級レベルだが、顧客ロイヤリティは高い。バーゲン時期の混雑度はものすごく、新興百貨店をはるかにしのぐ。一方、仁和春天百貨と仁恒置地広場にはハイエンドブランドが多く進出している。前者にはグッチ、ダンヒル、カルティエ、ブルガリ、後者にはルイ・ヴィトン、プラダ、エルメネジルド ゼニアなどが店舗を持つ。

 14年9月には遠洋太古里がオープンする。数多くの高級ブランドがテナント進出するほか、60軒以上のレストラン及びカフェもオープンする。開放感がある設計を売りに、ショッピングを優雅に楽しめるスペースが新たに誕生することになる。(続)

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