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中国のカフェチェーンの現状と展望(1)
カフェはここ5年で倍増、韓流の進出ラッシュ
2014年11月4日

 中国でカフェと言えば、これまではスターバックスやコスタコーヒーに代表される欧米系、上島咖啡などの台湾系が主役だった。ところがここ数年、大都市を中心に「カフェベネ」や「ホリーズコーヒー」などの韓国系カフェの進出が相次ぎ、特に若い女性を中心に人気を集めている。韓流スターを前面に出したり、デザートなどのメニューに一工夫を加えた新鮮さが受けているようだ。ビジネスユースが多かった既存のカフェに代わり、市場を席巻しつつある。
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韓国系カフェの代表格のカフェベネ


 中国商情網のまとめによると、中国の喫茶店及びカフェは2013年末時点で約2万8000店あり、5年前に比べてほぼ倍増した。このうち、チェーン店が8400店超に上る。カフェチェーンの最大手はスターバックスで、中国全土に1164店を展開する(RET睿意徳中国商業不動産研究センターの14年8月調査による。以下同)。1999年に進出してから15年が経ち、着実に店舗網を拡大してきた。同社にとって中国は米国に次ぐ2番目の規模の市場で、15年には1500店舗展開を目指している。97年に中国進出を果たした上島咖啡(台湾系)の店舗数も1016店を数える。店舗数だけで見ればこの2社がカフェチェーンの2強ということができるだろう。

 ただ、そのスタイルは異なる。おなじみのスターバックスは、世界各地の店舗と同じように木目調のインテリアや間接照明を効果的に使い、椅子席とソファ席を適切に配置し、洗練さとお洒落感をアピールしている。客層はビジネスマンから若者グループ、学生までさまざまで、異なるニーズに対応する。各都市の名称が入ったタンブラーはスタバファンのコレクション対象にもなっており、今や中国で圧倒的なブランド力を誇る。進出当時は1杯20~30元という高価格が懸念されていたが、中国の経済発展と所得向上に伴い、市民に受け入れられてきた。

 一方、黄色い看板でおなじみの上島咖啡。店内にはロータイプのソファが並び、一昔前のサロン的喫茶店といった雰囲気だ。顧客の年齢層も若干高めで、いわゆる中国の「老板(会社経営者)」が商談している場面もよく見かける。また、麺や定食といったフードメニューが充実しており、昼食や夕食のニーズにも応える。中国ではここ10年ほど、スタバに代表される都市型カフェ、あるいは上島咖啡のような喫茶レストラン風カフェが市場の主流だった。この状況を一変させたのが、カフェベネなどの韓国系カフェチェーンだ。(続)

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