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アプリ経由の出張サービス、顧客重視が人気の秘訣(1)
O2Oで出張ネイル
2015年3月2日

 今、中国の女性の間でネイルが流行っている。化粧はしなくてもネイルの手入れは欠かさないという人もいるほどだ。街には雨後の竹の子のようにネイルサロンが乱立し、同産業の隆盛を感じることができる。上海や北京、杭州、成都などの大都市だけでなく、二~三線級都市にも安価なネイルサロンが多数出現し、どこもお洒落な女性客で賑わっている。2014年のネイル業界の市場規模は300億元程度になったようだ。

 ところが、実店舗は大きな壁にぶち当たっている。ネイル好きの筆者の知人たちは皆、ネイルサロンに行くのではなく「出張ネイルサービス」を利用しているのである。わざわざ店に赴かなくてもネイリストを家に呼んでサービスを受けることができ、また時間的制約もなく、価格も比較的安い。忙しい生活を送る女性のニーズに合致している。既に数多くの出張ネイルサービス業者が現れているが、その中でも人気が高いのは「河狸家」だ。

14年に成立したばかりのこの出張ネイル事業者は、スマートフォン(スマホ)用のアプリを中心にビジネス展開している。利用者はアプリ上で各ネイリストの作品を見て参考にし、気に入ったネイリストをネット上で予約する。典型的なO2O(オンライン・ツー・オフライン)のビジネスモデルだ。サービス開始からわずか1年弱で北京、上海、杭州、深セン、成都まで事業範囲を広げ、常時1000人超のネイリストを抱えている。サービス価格は高級ネイルサロンの半額程度だが、街中のネイルサロンよりは高い。1日当たりのオーダーは7000件超、売り上げは100万元超を誇る。出張ネイル業界の最大手だ。
河狸家はミドル~ハイエンド層をターゲットにしている。25~35歳で月収1万5000元以上の女性が顧客モデルだ。このセグメントの女性は「美」の追求を重視しており、消費能力も高く、価格よりもクオリティーを求める傾向がある。同社が提供するきめ細かなサービスが好評を得ており、口コミ効果により顧客ロイヤリティーも高い。(続)

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