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独創性と付加価値で勝負する建築設計業界(1)
不動産市場低迷も新たな道を模索中
2015年3月9日

 2014年、中国経済は調整期に入ったと言える。マクロ経済と連動しやすい不動産業界も低迷している。14年の不動産開発投資額は前年比9.3%減の9兆5036億元、不動産新規開発面積は同10.7%減の17億9592万平方メートル、開発用土地購入面積は同14%減の3億3383万平方メートルといずれも減少した。販売面でも、面積ベースで7.6%減少、金額ベースでは6.3%減少と不調だった。
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斬新なデザインのモールも増えている


 その不動産業と関係が深いのが建築設計業界だ。市場規模は約3兆元。14年8月時点で中国には4898社の建築設計会社(事務所)がある。不動産業界が低迷する中、今後はどのような発展を遂げていくのだろうか。設計上の新たなトレンドはあるのだろうか。今回は華東建筑設計研究院(ECADI)の陳氏に建築設計業界の現状と将来像を聞いた。

――華東建筑設計研究院について教えて下さい。どのようなプロジェクトを手掛けてきたのですか。

 華東建筑設計研究院は1952年に設立された。現在は上海現代建築設計(集団)有限公司の傘下にある。中国で最も早く立ち上げられた、国内最大規模の総合建築設計院の一つ。数え切れないくらい多くのプロジェクトを手掛けており、初期の代表的建造物は上海の東方明珠塔だ。本部は上海にあり、北京、蘇州、青島、大連、天津、武漢、重慶、成都、南京、南寧に支社を置いている。従業員は約4300人。このほかに契約社員を7000人ほど抱える。14年の業績は、受注額ベースで45億元、売上ベースで33億元だった。

 米国のエンジニアリング関係の専門誌「ENR」が14年に発表した「建築設計事務所トップ150」によると、上海現代建築設計(集団)は58位にランクイン。中国系の中では常に上位3社に入っている。ライバルは、中国建築設計研究院、北京市建築設計研究院、同済大学建筑設計研究院、CCDI設計集団などだ。

 当研究院は中国国内外のリソース統合能力と設計請負管理能力を兼ね備えている。国金中心、武漢中心、中央電視台、南京紫峰大厦などの高層ビルからホテル、交通インフラ、オフィスビル、コンベンションセンター、劇場などを手掛けてきた。世博中心、世博文化中心、虹橋総合交通ハブ、武漢中心、中国博覧会会展などはデザイン全てを手掛けた「自主ブランド」プロジェクトだ。(続)

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