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80後と90後が消費市場の主役に躍進(1)
80後と90後は全人口の32%
2015年3月23日

 「80後(1980年代生まれ)」と「90後(1990年代生まれ)」の消費性向や中国消費市場への影響などが話題になって久しい。当誌でもこれまで、複数回にわたって若者消費の中心となるこれらの世代の調査と分析を行ってきた。今回は改めて80後と90後の最新トレンドやライフスタイルを実例を挙げながら紹介し、今後の趨勢についても予想してみたい。
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若者消費が中国を引っ張る


 80後と90後は2015年に16~35歳を迎える層を指す。14年3月時点で、80後は2.34億人、90後は1.99億人いるとされ、合計4.33億人。中国の総人口13.6億人の約32%を占めることになる。

 これまでは概念的な枠組みで語られることが多かったこの層だが、ここ数年は彼らのリアルな生活が社会で認知され、その実態への理解が深まっている。特に影響が大きかったのがテレビドラマだ。07年に放送された「奮闘」は、新入社員の若者の仕事や生活、恋愛事情が軽快なタッチで描かれ、若者特有の人生観が反映されていると好評を博した。また、08年放送開始の「蝸居」は、大卒サラリーマンのローン生活がテーマだ。中国語ではマイホーム購入のローン返済で苦しむ者を「房奴」と表現するが、ドラマの中では毎月6000元のローンを抱えた若い夫婦の「房奴」生活を描いている。タイトルの「蝸居」は「カタツムリの殻」という意味で、転じて小さな家を表している。

 このほか、バラエティー番組の「爸爸去哪儿(パパ、どこ行くの?)」は、芸能人の「パパ」が息子や娘たちと旅行に出かける姿を追ったものだ。旅先で繰り広げられる珍騒動や、それに対応する新米パパの奮闘ぶりがリアルに、かつユーモラスに描かれた密着ドキュメンタリー。若者の行動様式や思考パターンが前面に出され、人気番組となった。

 80後と90後の社会進出やその注目度と重要性の高まりはこれらのテレビ番組の人気からもうかがい知ることができる。(続)

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