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80後と90後が消費市場の主役に躍進(3)
90後はお金への執着心が薄い?
2015年3月26日

 一方、90後はどうだろう。彼らは「E世代(Electronic Generation)」と呼ばれ、家電製品やインターネットの発展と共にライフスタイルを構築してきた世代だ。小さいころからPCや携帯電話に触れ、それらが日常生活の一部になっており、自分の情報の発信と他者とのつながりを自然と意識するスタイルが形成されてきた。
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消費に旺盛な若者層



 物質面での不自由もなくなってきたため、逆説的なことにお金への執着心も前の世代よりは薄くなってきていることも特徴だろう。楽しい生活を「享受」することこそが彼らの人生の目標と言える。彼らが心の中に抱いている「好き」「嫌い」の感覚は、「自分自身に合うかどうか」というのが基本。他人の意見や見方は気にせずに、あくまで自分のテイストで選ぶというスタイルを貫く傾向にある。理性的な消費と言うよりも、エモーショナルな消費という表現が合っているだろうか。

 さて、細分化すれば80後と90後の間にも「85後」という世代があり、いくつかの分析ではこの世代も話題になっている。前後の世代と大差はないと思われるかもしれないが、参考までに記しておく。

 85後は中国の経済発展が深化した時代に青春時代を送ったこともあり、80後に比べてより開放的と言われる。消費性向も80後と比べてはっきりしており、実務的だ。服を買う時も、80後はどこに行けば自分に合った服を買うことができるかを理解しており、その考えに基づいてショッピングをするが、85後は店で気に入った服があればそのモデルと価格を覚え、後からPCやスマホで「より安い価格の同じ服」を探す。ネットとリアルが融合した消費行動を身をもって体験し、実行しているのである。また、テレビを見る機会は少なく、自分の趣味に合致した情報を自分でネット上で収集する。受動的ではなく、能動的にトレンド情報をキャッチしていく姿勢が強まっている。(続)

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