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拡大する海淘市場、日本企業にチャンスはあるか(1)
消費意欲向上と円安で海外製品が流入中
2015年4月27日

 中国ネット通販市場の拡大の勢いは止まらない。2014年の同市場規模(B2C+C2C)は前年比48.7%増の2兆8145億元(約54兆円)となり、18年には7兆3000億元になるとの予測もある。
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上海の自由貿易区



 しかし、それ以上にもっと驚く市場予測データに注目したい。それは、中国人が日本や米国など海外のサイトから直接商品を購入する越境(クロスボーダー)ネット通販の取引規模が18年に1兆元を超えるとの予測だ。中国EC市場全体の7分の1程度を占めることになり、ユーザー数も13年の1800万人から18年にはほぼ倍の3560万人に増えるとされている。

 中国で「海淘」と呼ばれる越境ネット通販。「海外」とネット通販最大手サイトの「淘宝」からそれぞれ頭文字を取られての造語だが、中国のネットユーザーの間でも頻繁にスマホアプリ「微信」で買物情報が飛び交い、越境ネット通販は今やポピュラーな消費行動といっても過言ではない。実際、07年にはわずか4.5億元でしかなかった市場規模が11年には241億元となり、12年は483億元、13年は767億元と倍々ゲームで急成長している。

 こうした市場成長を背景に、日本でも14年末ごろから注目され始めている。そのきっかけの一つに、14年12月16日にテレビ東京系の日経スペシャル「ガイアの夜明け」で放送された「世界の“巨大セール”を狙え!」が挙げられよう。同番組内では、中国ネット通販の最大のイベント「双十一(独身節)」のキャンペーンセールが取り上げられた。ドラッグストア大手のキリン堂が11月11日のイベント単日で大きな売り上げを達成したことで、日本のネット業界のみならず、多くの企業が改めて中国ネット通販市場を再考するようになってきている。(続)

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