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浙江省と江蘇省の中堅都市の消費動向を探る(1)
紹興(1)市民のライフスタイルが向上中
2015年6月25日

 省内の地域格差が小さいことで知られる浙江省。1人当たりの可処分所得は中国の省の中で最大で、都市部では3万7851元、農村部では1万6106元となっている。ほとんどの都市が「相当程度に富裕」となっているわけだが、紹興市もその一つに数えられる。

 紹興といえば紹興酒が真っ先に思い浮かぶが、経済規模はそれほど知られていない。実は同市の2013年GDPは3967億2900万元で、浙江省では杭州、寧波、温州に次ぐ第4位の規模。中国全土では第37位だ。13年の社会消費品小売総額は1318億元で、各都市のトップ30クラス。経済発展が進み、消費の実力もある都市だ。

 紹興は浙江省の中北部、杭州と寧波の間に位置し、京杭大運河にもつながる河川や湖を多く有する水郷だ。2000年を超える歴史を持ち、紹興老街、倉橋直街など歴史的建造物が保存されたエリアもあることから、古くて優雅な趣が漂う。筆者は宋の時代に作られた八字橋を訪れたが、運河の両側には古い民家が立ち並び、住民は水辺でお茶を飲みながらおしゃべりを楽しんでいた。洗濯や皿洗いも直接運河の水を使い、洗濯物はそのまま運河沿いに干す。その生活様式を見て、まるで過去にタイムスリップしたかのような感覚だった。ただ、1000年以上の歴史を持つ八字橋に立つと、遠くに立つ高層ビルが目に入り、過去と現在が交錯した景色が広がる。(続)


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