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低価格と高品質で勝負、台湾のcama café(1)
サラリーマンとOLに絶大な人気のコーヒー店
2015年7月23日

 台湾・台北のメインストリート、忠孝東路を歩くと、どこからともなくコーヒーの香りが漂ってくる。それを頼りに歩いて行くと、「cama café」という小さなコーヒー屋にたどり着いた。8坪ほどの小さな店舗で、店頭には麻袋に入ったコーヒー豆が置かれ、店員は焙煎機を動かしている。全身真っ白のキャラクター「cama baby」がいやがおうにも目立っている。香ばしいコーヒーの香りに我慢できず、1杯40台湾元(約160円)のアメリカンコーヒーを注文した。良心的な価格の割にはしっかりとした味で、さすが専門店といった感じだ。
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台北で人気のコーヒー店


 店舗は基本的にウッドテイストの作りで、シンプルかつモダンな雰囲気となっている。店舗面積は小さく、席が2~3人分しかないところもあるので、テイクアウトがメインだ。忙しい台北人のライフスタイルには持ち帰り方式が一番合致する。現地の知人に聞いてみたところ、cama caféは今、台湾で一番人気のあるコーヒーチェーンで、「テイクアウト」「高品質」「低価格」などのキーワードが特にホワイトカラー層に人気とのことである。

 同カフェは「テイクアウト専門、小規模店、新鮮焙煎」などを経営方針に掲げ、2004年に誕生した。10年からはフランチャイズ形式を採用し、台湾の北部から中部、南部まで展開を開始。特にオフィスエリアへの進出をメインとした。1杯平均50~70台湾元と低価格で、特にサラリーマンやOLの間で人気を博している。テイクアウトのほかデリバリーサービスにも乗り出した。現在、台湾に70店舗を有し、年商は3.5億台湾元を誇る。1顧客当たり平均単価は55台湾元、1店舗当たり1日で500~600杯を売り上げ、月商は50万~100万台湾元ほど。店舗面積が50坪ほどのスターバックス(スタバ)と比べると効率が高い。1坪当たり売上高はスタバの3万4000台湾元に対し、cama caféはその約1.8倍に当たる6万2500台湾元だ。(続)

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