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人気の出前アプリ、各社がサービス合戦(1)
ランチ難民から解放される日
2015年9月3日

 「ランチは何を食べようか」――。サラリーマンやOLにとってこの悩みは、ラッシュアワーの地下鉄に次いで頭が痛い問題だ。オフィス近くのランチはすでに食べ飽きており、遠くには出かけたくない。うだるような暑さや雨が降り続く天気ではなおさらだ。ランチのことを考えるだけで神経が疲れてしまうほどである。
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出前アプリは今や生活必需品


 ところが、この状況に変化の兆しが現れつつある。ランチタイムになるとオフィスワーカーが皆、どのレストランのどの料理を食べようか、真剣に、しかも楽しそうに考えるようになったのである。今日は四川料理、明日は韓国料理、明後日は……。

 この変化はどのように起こったのだろうか。休憩時間が長くなったわけでもないし、近くに新しいレストランができたわけでもない。理由は「出前アプリ」の隆盛である。流行の最先端ともいえるこのアプリを使い、1000軒以上のレストランから好きな料理を選ぶことができる。オフィスワーカー向けにはランチセットが用意され、団購(共同購入)割引もある。アプリ運営者は複数あるため価格競争が激しく、消費者はそのメリットを受けることができる。「一律8元割引」「20元の注文で10元割引」「出前料金無料」「飲み物付き」などのサービスも日常茶飯事だ。

 サラリーマンやOLはランチ難民の苦難から解放され、スマートフォン(スマホ)のアプリで注文さえすれば、数十分後にはオフィスのエアコンが効いた部屋で有名レストランの味に舌鼓を打つことができる。出前アプリはホワイトカラー層の間で最も人気のあるアプリと言えよう。70後、80後、90後を対象としたインタビューの中でも、大部分の参加者が出前アプリを使っていると話してくれた。今や生活必需品の感もあるタクシー配車アプリに次ぐ勢いがあると感じられる。(続)

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