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内陸部の巨大消費都市、武漢と長沙 (5)
武漢一の繁華街は漢口の武広商圏と江漢路商圏
2016年1月5日

武漢はマルチコア商圏、長沙は五一広場の独壇場

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  武漢と長沙にやって来ると、いずれも地下鉄建設により交通が混雑しており、秩序がなくごみごみとした街並みの洗礼を受ける。一方で活気にあふれているのも事実だ。特に武漢では、きちんと整備された通りは1本もないものの、どこを見渡しても新築ビルやマンションが建っており、空を見上げるとどこもかしこもクレーンがそびえ立つ。これからも都市の発展の潜在性を感じることができる。

  両都市の商圏は、都市発展に伴い拡大とグレードアップを遂げている。武漢の規模は大きく、超大型商圏がいくつもあり、マルチコア的な発展を遂げている。長沙は五一商圏の独り勝ち状態で、他の商圏は大型商業施設が中心で発展これからといった趣だ。

【武漢】
漢口:ハイエンドの武広商圏、滞留路線の江漢路商圏

  武漢三鎮のうち、主要商圏は漢口と武昌に集中している。漢陽の発展は若干遅れ気味だ。

  武漢を代表する商圏は漢口にある武広商圏と江漢路商圏だ。前者はハイエンドかつ流行の代名詞、後者は従来型で大衆化された商圏だ。武広商圏の中心は武漢国際広場、武漢広場、世貿広場の三大モールが構成する武商“摩尔”商業城だ。武漢の最も賑やかな解放大道の中段にある。

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 07年オープンの武漢国際広場は11年に改装し、当初はA館のみだったが、現在はA・B・Cの3館構成になるほど規模を拡大した。面積は32万平方メートル。14年の売上高は40億元に達し、単体のモールとしては全国第8位、百貨店及びモールの合計では第11位に位置している。武漢小売業のシンボル的存在だ。奢侈品ブランドの中心でもあり、華中地区でブランドが最も多く揃う商業施設である。106の独自ブランドと60の国際的ブランドの旗艦店、100余りのコンセプト店が進出している。

 ルイ・ヴィトン、エルメス、グッチ、プラダなどの奢侈品ブランドは全て入居し、圧倒されるほどの大面積の旗艦店を設けている。奢侈品以外にも、若者トレンド層やプチブルジョア層に人気の無印良品やユニクロ、Novoなどのブランドも進出し、高い人気を誇る。週末になるとどの店舗も買物客でいっぱいになる。ファミリー層向けのレストランや娯楽施設も揃っており、鹿港小鎮、小猪猪、上井などの有名レストラン、アイススケート場、ゲームセンター、カラオケボックス、映画館などがある。

 高級ブランドから娯楽系、キッズ向けなどあらゆるジャンルの業態が組み合わさっており、ハイエンドから大衆レベルまでのテナントが雑多に集まりながら、一方で違和感なく融合しているのが特徴的だ。このように、様々な消費者が一堂に会してリラックスした雰囲気で買物を楽しめるのは中国どの都市にもなかなかないことである。

  これに比べると、近くにある武商広場は純粋な百貨店路線を採っているが、海外のトップブランドの化粧品や女性物アパレルブランドを誘致し、14年には33億元という好業績をあげた。北京新光天地、南京中央百貨、上海新世界百貨、南京新街口百貨に次ぎ百貨店業態では中国第5位の規模であり、武漢で最も顧客ロイヤリティーが高い百貨店のひとつだ。(続)

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