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内陸部の巨大消費都市、武漢と長沙 (12)
長沙で話題に、10元均一の名創優品(メイソウ)
2016年1月18日
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 15年に長沙人の間で話題になったのが、10元均一商品を販売する名創優品(メイソウ)だ。半年間で20店舗をオープン。五一商圏の黄興路歩行街には数店舗を構え、互いに向かい合う店もあるほど。どの店舗も客であふれ返り、皆が競うように買物をしている。一般的な「2元店」「8元店」などとは異なり、名創優品の店内は明るくシンプル、商品陳列もきれいで、日本語のラベルやパッケージ、ポスターなど日本色を前面に出したイメージで、どこか無印良品に似た雰囲気がある。買物客からは、「安い」「品質が良い」などの声が上がる。買物途中に立ち寄り生活雑貨や小物をついで買いすることもあるという。MUMUSO木槿生活も同じテイストの小物チェーン店だが、こちらは韓流路線を打ち出して人気だ。

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このほか、武漢と長沙のいずれにも地場系の食品ブランドがあり、地元民の厚い支持を受けている。燻製アヒル肉の辛口おつまみで有名な「周黒鴨」は武漢市内の街角や各商業施設に多くの店舗を構え、どの店も長蛇の列で賑わっている。以前はアヒル肉の各部位の燻製が山積みされ、客の注文に応じて量り売りするお店がほとんどだったが、いまはすでに一定の分量でパッケージされ、かつ密封包装で新鮮さも保つ工夫をしている同店を見てレベルが上がったと感じたものだ。また、お菓子のバラ売りの「良品舗子」も武漢の地場企業だが、全国レベルでもすでに1400店舗超を展開しており、売上高は25億元を超える。現在は自社ブランド製品だけではなく輸入商品も扱っており、15年には中国人俳優の黄暁明をイメージキャラクターに用いて企業イメージを大きく向上させた。ミニエッグタルトの専門店「広隆蛋撻王」も武漢市内のどこでも見ることができる。無添加・手作りをセールスポイントとしているが、どの客も箱買いをしていくほどの人気だ。

 
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長沙では、中国で人気の台湾式や香港式のミルクティー専門店に対抗するがごとく、「茶顔悦色」が14年にオープンした。西洋風の中国茶というコンセプトで、繊細な味わいに加えて、ブランドイメージに中国の古典に出てくるような美女のイラストを採用し、メニューや製品紹介も凝っている。まるで化粧品のダイレクトメールのようだ。ウーロン茶やジャスミン茶、ニュージーランド製のミルクなど原料にもこだわっている。価格は「快楽檸檬」や「COCO奶茶」などよりも高いが、五一商圏の王府井百貨周辺に3店舗を構え、どの時間帯でも長い列ができている。これらのブランドを見ると、味以外にもブランドイメージなどを重視しているように感じる。(続き)

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