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訪日インバウンド消費の深層に迫る (9)
銀聯カードのディスカウントも大きな消費誘因
2016年2月29日

 

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銀聯カートで決済できるため、中国人旅行客はすごく便利

  銀聯カードが使えることと、銀聯カードのディスカウントも大きな消費誘因だ。日本ではすでに空港免税店、大型家電量販チェーン(秋葉原電気街、大阪日本橋電気街も含む)、銀座、新宿大阪梅田及び心斎橋地区のデパート、ブランド専門店、ドラッグストアチェーン等1万6千の商店で銀聯カードが使用できる。

  国外でVISAやMaster-Card等のクレジットカードを使用する際、レートはまず人民元を米ドル換算し、更に米ドルを当地の貨幣に再換算する必要があり割高であるのに対し、銀聯カードが使える店舗では直接当日のレートで当地の価格を人民元に換算することができ、余計な手数料も発生しない。また銀聯カードを使って直接日本円をキャッシングすることもできる。日本の各都市の郵便局、三菱東京UFJ銀行、セブン銀行、三井住友銀行、イオンクレジットファイナンス、みずほ銀行等のATM 7万台で銀聯のキャッシングサービスを受けることができ、その数は日本全国のATM数の三分の一以上を占めている。うち三菱東京UFJ銀行、セブン銀行、三井住友銀行、イオン、みずほ銀行のATMには中国語サービスもあり、簡単に操作することができる。主要な空港や地下鉄駅、各地の上記銀行営業所、及びセブンイレブン等のコンビニにも銀聯カードを使用できるATMが設置されている。

  さらに銀聯は日本の10大エリア(札幌、仙台、東京・横浜、金沢・富山、名古屋、大阪、京都、神戸、岡山、広島、九州7県、沖縄)の1000を超える商店と提携しており、銀聯カードを使用することで5~10%のディスカウントを受けることができる。免税を合わせれば最大で18%の割引が期待できる計算になる。今回の調査対象者の全員が「免税と銀聯カードのディスカウントに購買欲を刺激された」と回答している。

  免税と銀聯カードのみならず、ドラッグストアチェーンのお買い得パックやプレゼント、クレジットカード割引、中国語サービスも消費を刺激する重要なファクターだ。

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台湾の悠遊カード(日本のSUICAに相当)でもディスカウントされるため、台湾人旅行客二はお得感が

  「ドラッグストアのスキンケア製品のお買い得パックは割安感が高く、買わなければ損という気分にさせられる。また日本語が読めないので、中国語を話せる販売員のサポートも効率よく自分の欲しい商品を探し出すのに便利で、時間の節約になる。(朱さん、女性、34歳)」

  「いま日本で頻繁に目にするのは銀聯カードのディスカウントだが、マルイでは台湾の悠遊カード(日本のSUICAに相当、元は都市軌道交通システム用のプリペイド決済カード)や中国信託のクレジットカードの使用で10%ディスカウントされる。気づけばたくさんの買い物をしてしまっている。(林さん、女性、42歳)」

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